ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ ノルウェー室内管弦楽団演奏会を聴いて(東京オペラシティコンサートホール)♪♪

2010-04-03 12:00:34 | Weblog
 3月中旬に東京オペラシティコンサートホールで開催されたレイフ・オヴェ・アンスネス
&ノルウェー室内管弦楽団による演奏会を聴いて来ました。ピアニストのレイフ・オヴェ・
アンスネスもまた、ノルウェー室内管弦楽団も今回初めて聴く演奏家でした。

 何となくノルウェーというと日本から遠い国の印象があり、地理的な関係で音楽も暗いイ
メージを持っていましたが、モーツァルトの作品を中心に組まれたプログラムであったので、
興味本位で聴きに行った次第です。

 たまたま日曜日の午後2時からのコンサートであったため、早めに昼食をとりのんびりと
した気持ちで会場に向かいました。会場の東京オペラシティコンサートホールですが、開館
した当時は数回演奏会で足を運びましたが、その後10年ほど遠ざかっていたので、本当に
懐かしい想いで会場に入りました。

 開館当時は、このホールの木の香りが漂い本当に心が落ち着くような印象を持っていまし
たが、今回は当時のあの懐かしい木の香りが無くなり、時の流れとともに何事も変化するも
のであることを実感しました。

 さて、当日のプログラムですが、モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K385「ハフナ
ー」、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K488、休憩を挟んでグリーク:ホル
ベルク組曲Op40、モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K491の4曲でした。
個人的にはモーツァルトの作品を沢山聴けるので大満足のプログラムでした。

 さて、演奏内容ですが正直言って、ここ数年に聴いた全ての演奏会の中で最も素晴らしい
演奏内容でした。少しノルウェー室内管弦楽団の実力を過小評価していたようです。この楽
団は指揮者を置かず演奏するスタイル(ただしコンサートマスターのイザベル・ファン・ク
ーレンがこの楽団の音楽監督を務めていますので、実質的には彼女が全体を統制しているよ
うです)をとっていますが、全員の気持ちが完全に繋がっており、一糸乱れぬ演奏にはただ
ただ感嘆するばかりでした。

 また、室内管弦楽団ですから人数が30数名程度の小規模ですが、そこから溢れ出る音は
通常のオーケストラと匹敵するものでした。さらに音が均質化しており、モーツァルトを演
奏するには最適な音楽環境であると思いました。

 全体的に女性が多いように見受けましたが、しっかりとした演奏でこの管弦楽の演奏レベ
ルは非常に高いと思いました。モーツァルトの音符が全て清楚にかつ喜びを持ちあたかも踊
っているような音が溢れ出ており、ただただ感激の中で満たされた時間を過ごしました。

 奏でられる音が、モーツァルトが演奏した時代の音のように聴こえてくるのが不思議でし
た。多分モーツァルトが実際に演奏した際の規模が、今回のノルウェー室内管弦楽団の規模
とほぼ同じだからではないかと思います。全ての音がそれぞれの役割をきちんと果たしてお
り、何一つ無駄な音が無いし音量のバランスもこれ以上調整する必要がないと感じるほど微
妙なところまで心がこもっていた内容でした。

 今回ノルウェー室内管弦楽団を弾き振りしたレイフ・オヴェ・アンスネスは、1970年
ノルウェーに生まれたピアニストですが、演奏を聴いていて才能があることが直ぐに分かる
ほど演奏内容には素晴らしいものがありました。モーツァルトが持つただ美しいメロディー
を弾くのではなく、長調の中に短調をまた短調の中に長調の気持ちをしっかりと弾けるピア
ニストで本当に久しぶりに感動しました。

 これまで感動する演奏会に出あう事が少なかったことから、本当は素晴らしい演奏なのだ
が自分の心が変に曲がってしまい、心で感じなくなったのではないかと思ったいましたが、
そうではないことが今回の演奏会で分かりほっとしました。

 反対に今まで聴いてきた演奏は、やはりどこかずれているものがあるのだと思いました。
純粋な音楽を伝え共有するべき演奏会が、音楽を提供するサービスビジネスになってしまっ
て来ているたのかも知れません。この点は、演奏家もまた聴く側も反省する必要があると思
われます。

 兎に角、今回の演奏会は全ての曲が本当に素晴らしいものであり、久しぶりにこころが感
動しました。これだけで十分だったのですが、アンコールでモーツァルトのピアノ協奏曲第
14番 変ホ長調 K449から第三楽章とショパンのワルツ第7番嬰ハ短調Op64-2が
演奏されました。特に最後のショパンは目がしらが熱くなるものがあり感動しました。

 今回の演奏家によるモーツァルトのピアノ協奏曲のCDが発売されているとのことなので、
購入してあの感動をもう一度体験できたら良いなぁと考えながら、心満たされた状態で東京
オペラシティコンサートホールを後にしました。