ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ オットマール・スウィトナーの思い出♪♪

2010-02-27 16:43:29 | Weblog
 今年の1月8日NHK交響楽団の名誉指揮者であるオットマール・スウィトナーが87年
の人生をベルリンで閉じました。学生の頃から時々N響の定期公演にでかけるようになり、
社会人になってからは定期会員としてN響を聴き続けていますが、オットマール・スウィト
ナーは、ヘルベルト・ブロムシュテットとともに好きな指揮者でした。

 スウィトナーのN響登場回数は13回とのことですが、このうち記憶が定かではありませ
んが定期演奏会で2~3回聴いた記憶があります。確かモーツァルトやベートーヴェンの曲
であったと思います。

 ちょうど今から30年ほど前になると思いますが、そのころはまだまだ音楽の神髄を見極
めるような力はなく、ただただオーケストラが奏でる美しい音楽を聴きながら、いつも感動
していた気がしています。

 そのような中でオットマール・スウィトナーの印象が特に強く残っている理由は分かりま
せんが、何故か脳裏にスウィトナーの音楽が染み込んでいるような気がしています。

 生演奏だけでなく、CDが発売されるとそれらを聴きながらさらにスウィトナーの良さが
確実に刷り込まれていくような感じがありました。特にモーツァルトの演奏は印象強く残っ
ています。

 一言で言うならば自然さが前面に出たモーツァルトでした。先日より通勤時間にスウィト
ナーの演奏によるモーツァルトの交響曲を聴いていますが、飾り気のない正に自然な流れの
モーツァルトで、改めてその偉大さを再確認しました。

 モーツァルトの交響曲の演奏に関しては、ラファエル・クーベリックの指揮でバイエルン
放送交響楽団の演奏が好きでいつも聴いていましたが、今回スウィトナーのドレスデン国立
歌劇場管弦楽団による演奏を聴き、優劣付けがたい内容となっています。ただ、素朴で自然
な仕上がりの面では、クーベリックよりもスウィトナーのほうが上だと思います。

 スウィトナーのモーツァルトを聴けば聴くほど、心が清らかになり軽くなる感じを受けま
す。さらにモーツァルトが書いた全ての音符の音が、はっきりと聞こえるのも大きな特徴で
あり、この点はモーツァルトを演奏する上で特に重要なものだと思います。

 モーツァルト以外の音楽家の作品では、全ての音がはっきりと聞けるのは少ないと思いま
す。多くの楽器の音に重なり、音が厚くなってしまうことが原因だと思います。

 音楽を専門に取り組んでいる方には、それぞれ分離して聞こえるのかも知れませんが、素
人の身である凡夫にとっては難しいことです。ただし、指揮者が各楽器のバランスを保つこ
とによって凡夫でも聴き分けることが可能になると思います。

 スウィトナーは、この点が特に優れていたと思うとともに、モーツァルトの良い演奏を後
世の人に残してくれたことは大きな財産であり、感謝しています。

 スウィトナーは外見からもその人柄の良さが滲み出ている感じがあります。東西ドイツの
統一がなされた直後にパーキンソン病による手の震えが原因で、潔く指揮者という舞台の幕
を下ろし引退する行動に心を動かされるだけでなく、それだけ純粋に音楽を追求していた姿
勢に心が打たれます。

 私生活では、妻のほかに愛人がいて彼女との間に生まれた息子を含め、音楽から離れた年
月は2つの家庭を微妙なバランスで保ってきた人でもありました。このような人間としての
生きざまが、スウィトナーの音楽に現われていると思います。表面上の恰好良さではなく、
本質をきちんとわきまえた人であったと思います。

 モーツァルトを正しく表現する指揮者が居なくなったことが残念ですが、幸いにも音源と
して残っていることが救いとなっています。しばらくの間は、モーツァルトの曲はスウィト
ナーによる演奏を聴き、偉大なマエストロに感謝をしたいと思います。 合掌


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