ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第1653回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて(Aプロ初日)♪♪

2009-09-22 17:41:50 | Weblog
 
 シルバーウィーク5日間が始まる19日にN響の定期演奏会を聴きに行きました。今年度
の新しいシーズンがこの9月公演からスタートしました。今回の指揮者は、クリストファー
・ホグウッドです。

 ホグウッドは、1973年にイギリス初の古楽器オーケストラであるエンシェント室内管
弦楽団を創設し、モーツァルトやハイドンを中心にこれまでに多くの古楽を中心とした演奏
に取り組んできている世界の第一人者です。1941年生まれですから今年68歳です。


 特にモーツァルトの交響曲全集を古楽器の編成によるオーケストラでしかも、演奏方法等
を新たな視点で研究した成果物であるCDは、いまでも聴くたびに新鮮な感動を呼び起こす
名演だと思います。

 今回、ホグウッドの演奏が聴けるので期待を持ってNHKホールへ出掛けました。ただ今
回の演奏曲が全てメンデルスゾーンであったことが少し引っかかりました。なんでも今年は、
メンデルスゾーン生誕200年とのことですので、オールメンデルスゾーンのプログラムに
なったのでしょう。

 曲目は、メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」作品26(ローマ版)、ヴァイオ
リン協奏曲ホ短調作品64(初稿)、交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」でし
た。

 これらの中で、特に素晴らしい演奏であったのは、最後に演奏された交響曲第3番イ短調
「スコットランド」でした。弦楽器の素晴らしい演奏が特に目を引きました。通常の弦楽器
の配列と異なり、第一ヴァイオリンの隣にビオラ、チェロ、そして第二ヴァイオリンの順で、
古典音楽で採用されていた配列でした。

 ですから第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの掛け合い等の場面では、左右での音の競
演ですのでとても楽しく聴くことが出来ました。個人的に初めて聴いた曲でしたが、モーツ
ァルトを聴きなれている者からすると、しつこい感じのフレーズが随所に現われ如何なもの
かと思いました。イメージですがシューベルトの交響曲に似た感じを受けました。

 ヴァイオリン協奏曲ホ短調ですが、ソリストはダニエル・ホープです。ダニエル・ホープ
はメンデルスゾーンの師であったカール・フリードリヒ・ツェルターの末裔だそうで、その
意味では今回のヴァイオリン協奏曲は適任なのかも知れませんが、個人的にはちょっと外れ
た演奏(聴く側の期待を裏切った演奏内容)をするバイオリニストだとの印象をもちました。

 ジャクリーヌ・デュ・プレ以来最もエキサイティングなイギリス人弦楽奏者との評判もあ
りますが、個人的には好きになれません。このように思えた背景に、今回の演奏が初稿版に
よるものであった影響があると思います。

 いつもの聞きなれた曲の流れと異なるものがあると、曲全体のイメージが壊れてしまい、
せっかく良い場面があったにも係わらず全てがクリアーされてしまうような感じでした。歴
史的に価値があるのだと思いますが、音楽は内容が充実して初めて心に響く芸術なので、完
成度の低い初稿版のものは避けてほしいと思います。

 アンコールは、ラベルのカディッシュでした。カディッシュとは死者への祈りの歌を示し
ていることから、全体的に神秘的で清浄感に溢れた神秘的な内容の曲でした。この曲の解釈
は素晴らしいと思いました。確かに才能を持ち合わせた演奏家だと思います。

 全体的には、クリストファー・ホグウッドの魅力が前面に出された演奏会でしたので、満
足でした。可能であれば1曲位はモーツァルトの曲を入れて欲しかったと思うのは、私だけ
ではないと思います。


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