昨日の土曜日に、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催されたリコーフィルハーモニー
オーケストラ演奏会を聴いてきました。このオーケストラを聴くのは今回が3回目です。知
人がこのオーケストラに所属していることが縁で、聴きに行くようになりました。
このように企業がオーケストラを支援していることは非常に素晴らしいことだと思います。
景気が低迷しているなかで世界中のプロのオーケストラも国や企業からの支援の打ち切りや
減額が続いている状況の中で、特にこのような企業メセナの重要性を感じます。
さて、今回の演奏会での指揮は、このオーケストラの常任指揮者である井崎正浩であり、
演奏曲目はドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88とスメタナ:連作交響詩「わが祖
国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と草原より」「ブラニーク」でした。
ドヴォルザークの交響曲というと一般に交響曲第9番「新世界」が有名ですが、個人的に
はこの交響曲第8番は哀愁や渋さが色濃くでている楽想なのでブラームス的な感覚を覚え、
聴き終わった後に安堵が感じられる曲であり好きな作品です。ともにチェコを代表する作曲
家の作品で、楽想が似ているので聴く側にとっては良い企画だと思います。
過去に2回このオーケストラを聴いて感じた指揮者の井崎正浩ですが、才能がある指揮者
だと思います。もっと活躍してもよいと思っていますが、意外と日本で知られていないよう
な気がします。
指揮の仕方は、シャルル・デュトアに似ています。背が高い点が共通しているとともに、
右足のかかとを支点につま先を45度程度上にあげて指揮する仕草は正にデュトアと同じで
す。また両手で楽員に指示する方法も近いものがあります。
さて、当日聴いた感想ですが、ドヴォルザーク:交響曲第8番は全体がまとまっていて良
かったと思いますが、どちらかというとホルンやトランペットの金管楽器における演奏技術
が少し足りない感じを受けました。
特に弱音部分で音がかすれてしっかりとした音になっていないために、せっかくの音楽に
緊張感が無くなってしまいました。反対に弦楽器はまとまっていたと思います。特にチェロ
の響きが美しく聴こえ、低音部分がしっかりと支えた演奏になっていたので安定感がありま
した。
ただし、第一ヴァイオリンはパート全体のバランスが少し崩れていた点が気になりました
が、アマチュアオーケストラであることを考えると仕方のないことだと思います。アマチュ
アオーケストラで特に弦楽器のパートで感じることは、弓がしっかりと弦に張り付いていな
い感じを受けます。自信を持って、もっと弓のボーイングを確実に行うことで音は格段に変
化すると思います。
後半のスメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と
草原より」「ブラニーク」ですが、中にはポピュラーな曲も含まれていますが、非常に難し
い曲だと思います。
聴いた感想ですが、「高い城」「モルダウ」よりもそれ以降の「ボヘミアの森と草原より」
「ブラニーク」の方が弦楽器の乱れを除けば質の高い演奏になっていました。特に3曲目か
ら、管楽器のメンバーのポジションを変えたことが影響していると思いますが、オーボエや
ホルンの出来は大幅に変わりました。
中でもオーボエは最高の出来であり、称賛される内容だと思います。前回の演奏会でもこ
の方の吹くオーボエの出来栄えに感動しました。まさに歌うオーボエで、その演奏技術の高
さと感性が素晴らしいと思います。ひょっとしたらプロの方かも知れませんが、哀愁の帯び
たしなやかに伸びる音色に惚れぼれしました。正にブラボーの状況でした。
気になったのは、弦楽器の乱れでした。弱音でリズムを刻む部分で完全にハーモニーが崩
れていました。この辺が、プロとアマチュアオーケストラの違いだと思います。流石にプロ
は乱れたとしてもある一定のレベル以下まで落ちませんが、アマチュアではそれを維持でき
ない状態に陥ります。
決して演奏内容を否定しているものではなく、今後ともアマチュアの良さを出して欲しい
と思っていますし、全体的には楽しめた演奏会でした。次回は今年の夏に横浜みなとみらい
ホールでブラームスの交響曲第4番を演奏するようです。個人的にブラームスの交響曲の中
でもっとも好きな曲なので是非とも聴きに行きたいと思っています。
最後に、指揮者の井崎正浩ですが、もっと活躍できるチャンスをプロのオーケストラが与
えるようにならないものかと思いながら帰路に着きました。残念で仕方がありません。
オーケストラ演奏会を聴いてきました。このオーケストラを聴くのは今回が3回目です。知
人がこのオーケストラに所属していることが縁で、聴きに行くようになりました。
このように企業がオーケストラを支援していることは非常に素晴らしいことだと思います。
景気が低迷しているなかで世界中のプロのオーケストラも国や企業からの支援の打ち切りや
減額が続いている状況の中で、特にこのような企業メセナの重要性を感じます。
さて、今回の演奏会での指揮は、このオーケストラの常任指揮者である井崎正浩であり、
演奏曲目はドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88とスメタナ:連作交響詩「わが祖
国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と草原より」「ブラニーク」でした。
ドヴォルザークの交響曲というと一般に交響曲第9番「新世界」が有名ですが、個人的に
はこの交響曲第8番は哀愁や渋さが色濃くでている楽想なのでブラームス的な感覚を覚え、
聴き終わった後に安堵が感じられる曲であり好きな作品です。ともにチェコを代表する作曲
家の作品で、楽想が似ているので聴く側にとっては良い企画だと思います。
過去に2回このオーケストラを聴いて感じた指揮者の井崎正浩ですが、才能がある指揮者
だと思います。もっと活躍してもよいと思っていますが、意外と日本で知られていないよう
な気がします。
指揮の仕方は、シャルル・デュトアに似ています。背が高い点が共通しているとともに、
右足のかかとを支点につま先を45度程度上にあげて指揮する仕草は正にデュトアと同じで
す。また両手で楽員に指示する方法も近いものがあります。
さて、当日聴いた感想ですが、ドヴォルザーク:交響曲第8番は全体がまとまっていて良
かったと思いますが、どちらかというとホルンやトランペットの金管楽器における演奏技術
が少し足りない感じを受けました。
特に弱音部分で音がかすれてしっかりとした音になっていないために、せっかくの音楽に
緊張感が無くなってしまいました。反対に弦楽器はまとまっていたと思います。特にチェロ
の響きが美しく聴こえ、低音部分がしっかりと支えた演奏になっていたので安定感がありま
した。
ただし、第一ヴァイオリンはパート全体のバランスが少し崩れていた点が気になりました
が、アマチュアオーケストラであることを考えると仕方のないことだと思います。アマチュ
アオーケストラで特に弦楽器のパートで感じることは、弓がしっかりと弦に張り付いていな
い感じを受けます。自信を持って、もっと弓のボーイングを確実に行うことで音は格段に変
化すると思います。
後半のスメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と
草原より」「ブラニーク」ですが、中にはポピュラーな曲も含まれていますが、非常に難し
い曲だと思います。
聴いた感想ですが、「高い城」「モルダウ」よりもそれ以降の「ボヘミアの森と草原より」
「ブラニーク」の方が弦楽器の乱れを除けば質の高い演奏になっていました。特に3曲目か
ら、管楽器のメンバーのポジションを変えたことが影響していると思いますが、オーボエや
ホルンの出来は大幅に変わりました。
中でもオーボエは最高の出来であり、称賛される内容だと思います。前回の演奏会でもこ
の方の吹くオーボエの出来栄えに感動しました。まさに歌うオーボエで、その演奏技術の高
さと感性が素晴らしいと思います。ひょっとしたらプロの方かも知れませんが、哀愁の帯び
たしなやかに伸びる音色に惚れぼれしました。正にブラボーの状況でした。
気になったのは、弦楽器の乱れでした。弱音でリズムを刻む部分で完全にハーモニーが崩
れていました。この辺が、プロとアマチュアオーケストラの違いだと思います。流石にプロ
は乱れたとしてもある一定のレベル以下まで落ちませんが、アマチュアではそれを維持でき
ない状態に陥ります。
決して演奏内容を否定しているものではなく、今後ともアマチュアの良さを出して欲しい
と思っていますし、全体的には楽しめた演奏会でした。次回は今年の夏に横浜みなとみらい
ホールでブラームスの交響曲第4番を演奏するようです。個人的にブラームスの交響曲の中
でもっとも好きな曲なので是非とも聴きに行きたいと思っています。
最後に、指揮者の井崎正浩ですが、もっと活躍できるチャンスをプロのオーケストラが与
えるようにならないものかと思いながら帰路に着きました。残念で仕方がありません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます