今回の定期演奏会は、全4曲とも古典ではなく20世紀前半の作品ばかりでした。前半が
ストラヴィンスキーとプロコフィエフというロシアの作曲家たちの作品であり、後半はラヴ
ェルとドビュッシーのフランスものが続き、とても対照的な選曲だと思われます。
指揮はジョナサン・ノットという1963年イギリス生まれの指揮者でした。2000年
以来バンベルク交響楽団の首席指揮者として活躍中の中堅指揮者です。当初はオペラハウス
でキャリアを積み、現在では現代音楽にも精通しているとのことで、興味がありました。
演奏曲目ですが、ストラヴィンスキー/管楽器のための交響曲、プロコフィエフ/ヴァイ
オリン協奏曲第1番ニ長調作品19、ラヴェル/優雅で感傷的なワルツ、ドビュッシー/交
響詩「海」でした。
どの曲も個人的には苦手な分野にはいるものばかりです。最近のN響の演奏曲目で、本来
古典と呼ばれる曲の演奏が少なくなっている感じがしましす。近・現代音楽を無くせとはい
いませんが、もう少し古典の雰囲気を味わう曲目を入れて欲しいと思います。
今後N響に登場する指揮者は、当然のことですが若い指揮者が中心になります。そのよう
な中で近・現代音楽にチャレンジし、力量を示すことは本人のため、また現在の音楽をさら
に発展させるために必要なことと思いますが、私のように還暦が目前の年齢で、さらにモー
ツァルトに凝り固まった頑固な凡夫には、いまさら近・現代音楽は不要なのです。
さて、当日の演奏内容ですが、個人的にはプロコフィエフとラヴェルはその内容が良かっ
たと思います。特にヴァイオリンの庄司紗矢香ですが1715年製のストラディヴァリウス
から奏でられる音色は、とても不思議な感じを受けました。
庄司の演奏方法ですが、弱音の演奏技術は抜群だと思います。全ての楽器に共通でいえる
ことですが、しっかりとした弱音を出すことに対する難しさがあることです。今回の庄治の
ヴァイオリンからはこの弱音の素晴らしさが特に際立って伝わってきました。
また、演奏している姿勢も堂々としており、体全体から出てくる音楽の美しさを見ながら、
才能を持った人は違うなぁと感じました。個人的には好きなヴァイオリニストの部類に入る
と思いました。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲でも弾いてくれるといいのですが・・・
さて、アンコールですがバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番からラルゴを演奏しま
した。聴いていて他の人が演奏するバッハとは異なる視点での演奏で、とても新鮮に感じま
した。それは心が暖かくまたまろやかで清楚でゆったりとした感情が湧き出てくるようなも
のでした。久しぶりに嬉しくなるような演奏が聴けて幸せでした。
また、ラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」ですが、初めて聴く曲でしたが聴いた瞬間か
らフランス音楽だと確信できる楽想でした。もともとピアノ曲をオーケストラ向けに編曲さ
れたものです。全体で8曲からなる作品ですが違和感なく流れるように聴けるものでした。
指揮者のジョナサン・ノットが素晴らしいのだと思いますが、N響がこのようなフランス
音楽を高レベルで演奏できるのは、これまでにシャルル・デュトワが鍛えた結果がN響のな
かに残されたのではないかと思っています。日本のオーケストラでもここまでフランス的内
容で演奏できる楽団はほとんど無いと思います。
今回の演奏会での収穫は、指揮者のジョナサン・ノットとヴァイオリンの庄司紗矢香でし
た。これから注目しながら音楽を聴いてみようと思いました。
ストラヴィンスキーとプロコフィエフというロシアの作曲家たちの作品であり、後半はラヴ
ェルとドビュッシーのフランスものが続き、とても対照的な選曲だと思われます。
指揮はジョナサン・ノットという1963年イギリス生まれの指揮者でした。2000年
以来バンベルク交響楽団の首席指揮者として活躍中の中堅指揮者です。当初はオペラハウス
でキャリアを積み、現在では現代音楽にも精通しているとのことで、興味がありました。
演奏曲目ですが、ストラヴィンスキー/管楽器のための交響曲、プロコフィエフ/ヴァイ
オリン協奏曲第1番ニ長調作品19、ラヴェル/優雅で感傷的なワルツ、ドビュッシー/交
響詩「海」でした。
どの曲も個人的には苦手な分野にはいるものばかりです。最近のN響の演奏曲目で、本来
古典と呼ばれる曲の演奏が少なくなっている感じがしましす。近・現代音楽を無くせとはい
いませんが、もう少し古典の雰囲気を味わう曲目を入れて欲しいと思います。
今後N響に登場する指揮者は、当然のことですが若い指揮者が中心になります。そのよう
な中で近・現代音楽にチャレンジし、力量を示すことは本人のため、また現在の音楽をさら
に発展させるために必要なことと思いますが、私のように還暦が目前の年齢で、さらにモー
ツァルトに凝り固まった頑固な凡夫には、いまさら近・現代音楽は不要なのです。
さて、当日の演奏内容ですが、個人的にはプロコフィエフとラヴェルはその内容が良かっ
たと思います。特にヴァイオリンの庄司紗矢香ですが1715年製のストラディヴァリウス
から奏でられる音色は、とても不思議な感じを受けました。
庄司の演奏方法ですが、弱音の演奏技術は抜群だと思います。全ての楽器に共通でいえる
ことですが、しっかりとした弱音を出すことに対する難しさがあることです。今回の庄治の
ヴァイオリンからはこの弱音の素晴らしさが特に際立って伝わってきました。
また、演奏している姿勢も堂々としており、体全体から出てくる音楽の美しさを見ながら、
才能を持った人は違うなぁと感じました。個人的には好きなヴァイオリニストの部類に入る
と思いました。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲でも弾いてくれるといいのですが・・・
さて、アンコールですがバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番からラルゴを演奏しま
した。聴いていて他の人が演奏するバッハとは異なる視点での演奏で、とても新鮮に感じま
した。それは心が暖かくまたまろやかで清楚でゆったりとした感情が湧き出てくるようなも
のでした。久しぶりに嬉しくなるような演奏が聴けて幸せでした。
また、ラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」ですが、初めて聴く曲でしたが聴いた瞬間か
らフランス音楽だと確信できる楽想でした。もともとピアノ曲をオーケストラ向けに編曲さ
れたものです。全体で8曲からなる作品ですが違和感なく流れるように聴けるものでした。
指揮者のジョナサン・ノットが素晴らしいのだと思いますが、N響がこのようなフランス
音楽を高レベルで演奏できるのは、これまでにシャルル・デュトワが鍛えた結果がN響のな
かに残されたのではないかと思っています。日本のオーケストラでもここまでフランス的内
容で演奏できる楽団はほとんど無いと思います。
今回の演奏会での収穫は、指揮者のジョナサン・ノットとヴァイオリンの庄司紗矢香でし
た。これから注目しながら音楽を聴いてみようと思いました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます