山田雅彦氏のFacebookの投稿コピー
一刻も早く原発の使用済み核燃料棒のプール保管を止めて、ドイツなどのように乾式にしなければならない。
今回、能登半島地震の志賀原発で思い知らされました。
長くなりましたが、皆さん特に地方議員さんには最後まで読んでシェア拡散していただけませんか。
私が正月から気になっていたのは、殆ど報道されない志賀町の原発です。
幸い原発は停止中であったものの、プール保管中1657体の燃料棒の
冷却用の外部電源が一時繋がらなくなり、配管も一部が老朽化で破損、
変圧器から漏れた油の量も当初は3,500Lと言いながら最近になって1万9800Lと訂正、
陥落で一時全面通行止めになっていた事実、
設計時に予想していた地震よりも大きなもの(想定外)であったことが明らかになりました。
福島の原発事故では4号機のプールで冷却中の使用済み燃料棒に水が供給できなくなり
臨界寸前になって自衛隊のヘリコプターも出動するなど大変な状況になりました。
日本では54基の原発が全国各地にありますが、使用済み燃料棒は各原発においていまだにプール保管中です。
これらの燃料棒は震度7以上の地震が起これば
想定外にプールの建屋が壊れたり電源を喪失して核爆発を起こしかねないのです。
ドイツ等では使用済み燃料棒のプールでの保管は法律で禁止されています。
使用済み燃料棒はプールで5年も冷却すれば取り出してステンレスの乾式キャスクで保管できるのです。
福島第一原発の事故当時、まだ私は国会議員だったので調べましたが
実は福島第一原発でも使用済み燃料棒の一部を試験的に乾式で保管していたのです。
私も写真で確認しましたが、 ステンレスのキャスクが横倒しになっただけで使用済燃料棒は無事だったのです。
(下記記載の写真、当時の乾式の燃料棒のキャスク
を制作した神戸製鋼のコメント参照)
日本は地震大国で、震度7以上の地震は熊本でも2回と、頻繁に起こり得ます。
今回の能登半島の地震、津波が、ほぼ同じ規模でお隣りの福井県若狭湾で起こっていたら
原発が13基も並んでいるのでそれこそゾッとします。
現在、青森県六ケ所村の中間貯蔵施設では 3000トンの使用済み燃料棒と
超高濃度の放射能廃液240万立方メートルが ガラスでの固形化が中断されたままで
老朽化したタンクの中で貯蔵されています。
どうしたらいいのでしょうか。
当時、私は使用済み燃料棒の保管について米国の物理学者で核不拡散問題の専門家
フランク・フォンヒッツぺルさん、ゴードン・トンプソンさんから話を伺いました。
「日本は早急に使用済み燃料棒だけでもプール保管をやめて乾式で保管しなければいけない」と。
私も確かにそうだと思い原発基地のそれぞれの広い所有地内でプールによる保管を止めて
乾式での保管をするとしたら、どれくらいの費用がかかるかお聞きしました。
「建屋の建設も含めて2兆円もあれば足りる」との返事だったのです。
調べると当時各電力会社が積み立てきた原子力 環境整備促進・資金管理センターの
再処理積立金が約3兆円残っていました。
(現在組織は変わりましたが3兆1000億円にのぼっているようです)
私は一刻も早くこの積立金を使って使用済み燃料棒の乾式での保管を行うべきだと
訴えたましたがいまだにそのままの状態にあるのです。
このような状態のままでは少なくとも原発が5、60キロの範囲内にある住民にとって
安心して寝ておれないような状況にあります。
しかし各原発において使用済み燃料棒を乾式で保管することは、
その為の積立金もあるので、世論が動いて政治が決断すれば直ぐにできることです。
今こそ、私達が身近な人にこのような事実を伝えて政治を動かす時ではないでしょうか。
是非、全国各地の県市町村から 「使用済み燃料棒のプール保管から乾式保管への移行」を求めて
国会と内閣に、意見書を出してもらいましょう。 (地方自治法99条)
先の国会でも静岡県と埼玉県三芳町がゲノム編集食品表示について意見書を出したように。
意見書を出していただければ私たちの声が経済産業委員会で 一応審議されることになります。