息子の妻は、とても天真爛漫で、見た目も可愛い。
うちの家族にはなかったタイプで、
私も息子も、それをすごく喜んでいる。
結婚は、宝くじの当たりを引き当てるくらい当たり確率が低い。
末尾1桁の数字ひとつ当るくらいはよくあるが、
1等2等は、明日交通事故で死ぬより確率が低い。
と、私は子ども達に教えてきた。
だから娘は、わたし結婚しないわ!と宣言し、
息子は、両親を(何ごとにおいても)反面教師にする、と言う。
どちらも、賢い。どちらも正解だ。
息子は、今んところ、私が見るには、
宝くじの4等以内には当たった。
・・結婚する時、宝くじの1等に当たったくらいの、
完全満足感の人なんか、世の中ホントにいるのかな。
いや、息子のお嫁さんを見てると、辛口の私とはいえ、
2等に当たったくらい言ってもいいのだが、
未来のことはどんな夫婦であろうと分かんないし、
1等か4等か、またはハズレかは未来の双方が決めることだ。
で、我が家一番の賢明な息子のお嫁さんは、
とーても無邪気でまっすぐな女の子で、
お友達の結婚式に、つい最近出席し、
も〜〜とても影響されたみたいで、
結婚式を挙げたい気持ちがモリモリ湧き上がったらしい。
よく分かる。そーゆーもんだ。
私も女の子だった時、そんな気持ちになったことがある。
しかし、私の場合は、
ウェディングドレスを着てみたいだけだった。
今だってチャンスがあるなら着てみたい。
単にウェディングドレスとか綺麗なドレスが着たいだけだ。
普段会わない親類だの好きでもない上司だのを呼び、
長ったらしい祝辞だの、友達のヘタクソなスピーチは要らん。
小学生の学芸会みたいな「舞台劇」をやる恥ずかしさは、
わたくしの場合、非常に意に反する。
それでも、わたくしの場合、1人っ子で、
なんたって、わたくしの母親が非常に結婚しろしろとうるさく、
イザ結婚するとなったら、嬉しがって、
地元のホテルで披露宴的なものを、まずやって、
それから東京のホテルで、ふつーの披露宴をやる・・っていう、
めっちゃ母親主導のダブルセレモニーをやらされたので、
わたくしの、
何これ、バカみたい感は、強烈に根付き、
もう一回結婚する時は、
南の島で、彼と2人だけで結婚式をするわ!
と決意させたのだ。
ま、人生はままならず、2度目の結婚式は実現しいままだが。。
であるからして、子どもにも、
やらなくてもいいけど万が一、結婚式を挙げるなら、
南の島で2人で結婚式をしなさい、と、
わたくしは、口を酸っぱくして語ってきた。
結婚式などに上司はいらん。
普段付き合いのない親類など、もっといらん。
息子には私の暗示が効いているから、
息子は、そーゆー派なのだが、
他人様がお育てなさった健やかなお嬢さんは、
健やかゆえに、ごく普通の結婚式を挙げたいらしい。
しかも、色打ち掛けを着たいらしい。
和装の結婚式をしたいらしい。
うーん。
やっぱ短期間では洗脳し切れなかったか、他人様のお嬢さん。
息子に聞いた。
「南の島でやらないわけ?」
「それは旅行のオプションでやりたいんだって」
「神社婚がしたいわけ?」
「らしいよ」
「あのさ、君は反対意見とか述べないわけ?」
「述べても、通らない感じ」
ああ結婚式。
んなもん、なんで憧れる?
うちの娘と息子は、
ディズニーランドもうざいセレモニーも嫌い、に育てた。
私が嫌いだからね。
うーん、これが他人が家族になるということか。
「普通の親なら、普通の結婚式を望むんじゃないの?」
「そうなの? じゃ、うち、普通じゃないね」
「うん、 たふん」
来年あたり、普通の親のフリをしないといけない日がくるのか。
普通って、ほんと面倒くさい。
もう少し、お嫁さんを洗脳しなければ。