1年生女子。
YES&NOがハッキリしてて言葉遣いがキツめ。
ボキャブラリーは豊富で年不相応の言葉も使う。
目つきもキツめ。
流し目のような目線で人を睨むことがある。
髪はとかしてない?
長い髪を奇妙なだらしない形に結んである。
服装もだらしなく着ている。同じ服をよく着ている。
その子の描いた絵。
4時前、体育館に遊びに行く時間だった。
私は数人残った子を見守るために教室に残った。
この女の子も体育館に行ったのだが、すぐに戻ってきた。
非常に飽きっぽくひとつの事に集中できない。
次々に別のことをする。 片付けもしない。
友達と遊べない。
A4の紙にマジックで絵を描き始めた。
この絵と同じパターンの絵を3枚、すごいスピードで描いた。
1枚目と2枚目の方がこれより強烈な感じだった。
見てギョッとした。
だけど何も聞かず好きに描かせた。
話しかけたり質問すると、絵が変わってしまうから。
その2枚をロッカーの自分の手提げバックに入れてきた。
3枚目を描いている時に、話しかけた。
「ねえ、赤いわね? これ何?」
「血!」
「この子、お目々ないの?」
「あるよ。髪が長いから見えないだけ」
「この小さい女の子だれ?」
「妹!」
真ん中の女の子と手を繋いだ向かって右の小さな女の子は、
話しかけている間に黒と赤で塗りつぶされた。
「あれ、どうして?」
「死んだ!」
え! ・・殺した?
「ねえ、この上の子達さあ、」
「死んでる!」
聞く前にそう答えた。
「これは、リボンかなあ?」
リボンには見えないが、そう聞いた。
「違う! 首吊り!」
「えー、ミコちゃん、怖いねえ」
顔を見つめて言うと、ミコちゃんは得意そうに、
「あそこに、貼って!」と言う。
「あなたも貼りたいの?みんなのは塗り絵だよ、いいの?」
「うん!」
女の子は意気揚々と壁に貼り付けるのを手伝い、
自分の絵が並んだことに満足気だった。
圧倒的な違和感。
解離性人格障害か? 家庭はどうなっているんだ?
ミコちゃんシリーズ、続く。
《ミコちゃんは仮名です》