福島原発問題以来、原発の存廃の記事を見ない日はありません。ここのところの福井・大飯原発の再稼働問題では、原発の存廃もさることながら、国と地方の関係という問題も含んでいることは明らかであり、今後のこうした問題の試金石となりうるのかもしれません。
それでは何が問題なのでしょうか。
一つは、生活、産業の視点に立つエネルギー政策がしっかりと示されていないことにあるのではないでしょうか。99%海外に依存するエネルギー政策を国策としてどう考えるのか、しっかりと長期的視点に立って示す必要があります。感情的に言えばどれだけ安全性をうたっても、放射能の不安は消えませんし、最終処理も決まっていないウラン処理問題には不安をぬぐいきれません。かといって、原発に依存してエネルギー配分が組み立てられている現状で原発の全廃は、私たちの生活や産業に大きな影響が出てくるのは明らかです。政府は、現在の科学技術で安全とされる前提で、大局的なかつ現実的、そして時系列的にエネルギー政策を示すべきでしょう。
今一つの問題は、国防の沖縄基地問題にも言えることですが、国と地方の関係を見直さなければならないということです。橋下市長の主張はその意味で大きな石を中央に投げかけているのです。戦後進められてきた中央集権的な民主主義が機能していないことを意味するものです。ただ一方で、地方の主張だけでは国が成り立たないということも考えられますし、ただ地方にあっても都市部とそれ以外の市町には当然考え方も違ってくるでしょう。こうした制度の枠組みを考え直さなければならない時代に入ったということです。単に地方分権または地方主権といった言葉の問題ではなく、国民の声を反映していく日本の民主主義をつくることが目標となります。時間がかかり大変なことかもしれませんが、最優先課題なのかもしれません。
現状を変えてほしいという声、リーダーシップを求める声は、個人に依存するものではなく、思想的な声として、少なくとも合義的な政党が担うべきではないかと思います。
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