現存する(あるいは再建の)古い建物を見学すると、その見学順路にトイレが現れることもある。
当時のエライ人たちが使っていたトイレが、どんなものだったのかと興味深い。
先日の鳥取、津山の旅行では、偶然にも二カ所のトイレを見ることになった。
鳥取城跡に建つ「仁風閣」。
明治時代に建てられた洋風の建物は今でも古さを感じることはなかったが、トイレには時代を感じた。
四角い箱が置いてある。
引き出しが付いていて、便座には柔らかそうな生地のカバーで覆われている。
用が済むと引き出しを取り出し、そのつど清掃するような構造に見える。
次は、津山城跡に再建された「備中櫓」のトイレ。
木製の四角い便器である。
跨いで用をたす和式のポットン式に近い形をしているが、前方にある、手すりの様なものがあるのが面白い。
スペースとしては、とても狭く感じる。
着ているものは着物なので、用をたすのも大変だったように想像される。
こう見ると、このような様式のトイレの時代は長い。
今の水洗の快適なトイレになったのは、そう古いことではないのだと感じる。