消費税問題がどうやら全く方向性を変えてきたようだ。
変えた、と言うより、本音がむき出しになったと言う方が正しいかもしれない。
安部さんは、60人の有識者を幅広く呼び集めて、全国民的な意見聴取を行った。過半数が増税やむなしとの意見を述べた。消費税が増税になって得をする人は比較的少数だから、みな苦渋の決断をしたと言ってよい。
しかし残念ながら、この聴取会は全くの茶番であった。政権はこの中から自分の都合の良いところだけをつまみ食いし、結果として人々の思いとは全く逆の方向に踏み出そうとしている。はじめから結論ありきの出来レースだったのかもしれない。
そもそも甘利経済財政政策担当大臣の聴取会総括が変だった。甘利氏は、意見を述べた人たちの多くが増税は仕方ないが、その代わりに経済対策が必要だという意見だったと総括した。
しかしそれは違う。
確かに産業界からはそういう意見があったが、一般の庶民、生活者の代表として意見を述べ、条件付きで増税に賛成した人の大半はそんなことは言っていない。彼らは、税金の使い道を明確にせよ、それが増税の条件だと言ったのである。そして当然、その使い道は自民党が掲げているとおり社会福祉目的でなければならないと。
一般国民は政治家や企業家、投資家とは違って、いたって冷静だ。増税は苦しいが、しかし国の借金が国民一人あたり1000万という想像を絶する状況にあるとき、もはやしかたがないと自らの身を切る決意を述べたのである。日本社会において最も弱い立場に立つ人たちの決断は重い。
ところが安倍政権はそうした意見を意図的に曲解して「賛成してくれてありがとう、それじゃ経済対策に力を入れますね」と言ったのである。そんなことは頼んでいない! しかし安倍政権は消費税増税の2/3に当たる金額を公共投資でばらまく方針を打ち出したのだ。
なにが経済対策か!
これはつまり、実質的に消費税を一般財源化するということである。「おカネには色がついていない」以上、ほかに財源がない公共投資は当然消費税増税分から出て行くしかないのだ。こうして自民党の本音である税金をジャブジャブ使うことが可能になろうとしている。
税金をジャブジャブ使うとは何か。そのカネは別に直接政治家の懐に入るわけではない。官僚が全部奪うわけではない。公共投資として最終的に大資本、大企業のところにまわるのだ。複雑そうな表側をはいでみれば、結局のところ低所得者から奪って高額所得者の懐に流れる仕組みなのである。
そのことによって自民党は産業界からの圧倒的な支持を獲得でき、官僚たちは財布の紐を握ることによって実質的に日本を支配することが出来る。
これはもはや自民・民主が掲げていた消費税増税とは中身が全く違う、最悪の搾取システムでしかない。これでは増税の意味が皆無になるだけではなく、逆に事実上の福祉政策の圧縮である。
消費税に賛成するとか反対するとか言う以上の非常に大きな問題なのだ。しかもそれが、解釈改憲のように、まさに麻生発言にあった「ナチスのやり方」に習った隠された法案改訂として行われようとしているのである。
ところがこれだけ重大な事態を迎えようとしているときに、いまだにマスコミや「世論」は、消費税やるかやらないか、などという的外れな議論をしている。
まさに誰もが目先の利害のことしか考えていないから、裏側で画策されていることの本質を見抜くことが出来ないのである。増税はいずれにしても実行する以外にないという事実の前で、多くの人が自分のファンタジーの世界で、どうすれば自分が一番得をするかなどと夢想しているのだ。いいかげんに目を覚ませ!
なにもやらない民主、ごまかしばかりの自民、そしてそういう政治家に踊らされるだけの民衆。2010年代の世界は、そんなフワフワしてはいてはとても越えられないほどの危機のど真ん中にある。
真剣に勇敢に、そして賢くならなければいけない時なのだ。
変えた、と言うより、本音がむき出しになったと言う方が正しいかもしれない。
安部さんは、60人の有識者を幅広く呼び集めて、全国民的な意見聴取を行った。過半数が増税やむなしとの意見を述べた。消費税が増税になって得をする人は比較的少数だから、みな苦渋の決断をしたと言ってよい。
しかし残念ながら、この聴取会は全くの茶番であった。政権はこの中から自分の都合の良いところだけをつまみ食いし、結果として人々の思いとは全く逆の方向に踏み出そうとしている。はじめから結論ありきの出来レースだったのかもしれない。
そもそも甘利経済財政政策担当大臣の聴取会総括が変だった。甘利氏は、意見を述べた人たちの多くが増税は仕方ないが、その代わりに経済対策が必要だという意見だったと総括した。
しかしそれは違う。
確かに産業界からはそういう意見があったが、一般の庶民、生活者の代表として意見を述べ、条件付きで増税に賛成した人の大半はそんなことは言っていない。彼らは、税金の使い道を明確にせよ、それが増税の条件だと言ったのである。そして当然、その使い道は自民党が掲げているとおり社会福祉目的でなければならないと。
一般国民は政治家や企業家、投資家とは違って、いたって冷静だ。増税は苦しいが、しかし国の借金が国民一人あたり1000万という想像を絶する状況にあるとき、もはやしかたがないと自らの身を切る決意を述べたのである。日本社会において最も弱い立場に立つ人たちの決断は重い。
ところが安倍政権はそうした意見を意図的に曲解して「賛成してくれてありがとう、それじゃ経済対策に力を入れますね」と言ったのである。そんなことは頼んでいない! しかし安倍政権は消費税増税の2/3に当たる金額を公共投資でばらまく方針を打ち出したのだ。
なにが経済対策か!
これはつまり、実質的に消費税を一般財源化するということである。「おカネには色がついていない」以上、ほかに財源がない公共投資は当然消費税増税分から出て行くしかないのだ。こうして自民党の本音である税金をジャブジャブ使うことが可能になろうとしている。
税金をジャブジャブ使うとは何か。そのカネは別に直接政治家の懐に入るわけではない。官僚が全部奪うわけではない。公共投資として最終的に大資本、大企業のところにまわるのだ。複雑そうな表側をはいでみれば、結局のところ低所得者から奪って高額所得者の懐に流れる仕組みなのである。
そのことによって自民党は産業界からの圧倒的な支持を獲得でき、官僚たちは財布の紐を握ることによって実質的に日本を支配することが出来る。
これはもはや自民・民主が掲げていた消費税増税とは中身が全く違う、最悪の搾取システムでしかない。これでは増税の意味が皆無になるだけではなく、逆に事実上の福祉政策の圧縮である。
消費税に賛成するとか反対するとか言う以上の非常に大きな問題なのだ。しかもそれが、解釈改憲のように、まさに麻生発言にあった「ナチスのやり方」に習った隠された法案改訂として行われようとしているのである。
ところがこれだけ重大な事態を迎えようとしているときに、いまだにマスコミや「世論」は、消費税やるかやらないか、などという的外れな議論をしている。
まさに誰もが目先の利害のことしか考えていないから、裏側で画策されていることの本質を見抜くことが出来ないのである。増税はいずれにしても実行する以外にないという事実の前で、多くの人が自分のファンタジーの世界で、どうすれば自分が一番得をするかなどと夢想しているのだ。いいかげんに目を覚ませ!
なにもやらない民主、ごまかしばかりの自民、そしてそういう政治家に踊らされるだけの民衆。2010年代の世界は、そんなフワフワしてはいてはとても越えられないほどの危機のど真ん中にある。
真剣に勇敢に、そして賢くならなければいけない時なのだ。