ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

猿の惑星 創世記(ジェネシス)

2011-10-03 19:33:48 | さ行

後付けとは思えないほど
うまく作った話だなあ。

「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」69点★★★☆


1968年製作「猿の惑星」の
始まりとなる話です。


サンフランシスコの製薬会社に勤める
科学者ウィル(ジェームズ・フランコ)は

チンパンジーを使って
アルツハイマー病の新薬を開発していた。

すると、実験中に
ある一匹の雌チンパンジーの知能が
グンとアップする。


彼女は妊娠しており、
ウィルはなりゆきから
生まれた子チンパンジーを自宅で育てることになる。

シーザーと名付けられたチンパンジーは
母親ゆずりの高度な知能を持っていた。

しかし、あるとき
事件が起きてしまい――?!



「猿の惑星」って、こういう始まりだったのか!
納得しちゃうほど
うまく作られた話でした。
もちろん元ネタを知らなくても大丈夫だし。

そして
昔は特殊メイクで描かれた猿が
最新映像技術で描かれているというのが
一番の見どころでしょうね。


「キング・コング」(05年)でコングを演じた
俳優アンディ・サーキスがシーザーを演じておりますが、

やはりコングと同じ手法で
俳優の顔の動きをもとにした
パフォーマンス・キャプチャーの技術を使用している。

なもんで
猿の表情も多彩で、
動きもなめらかですばしっこく
見ごたえがありました。


ただ、期待した
猿VS人間の戦いは全体の10分の1ほど。

あとはリーダーとなる主人公チンパンジー・シーザーが、
いかに「最初の猿」となったかを
細かく描写してある。


そうなると
飼い主と動物の信頼と絆、みたいなことになり。

つまり、SFやアクションアドベンチャーというよりも
かなり
「動物モノ」に近いんです、印象が。

ゆえに“過剰”な動物愛護主義者としては、
正直、苦手な方向でもありました。

だって
動物モノってたいてい

純粋な動物が人間の身勝手な行為の犠牲となり、

事件を起こしたり、イジメられて、
人間に敵意を抱くっていうパターンなんですもん。

本作もそのような経緯があるので、
はっきりいって
見る人の感情は100%、猿側に傾くでしょうね(笑)

人間とのバトルでも
「もっとやっちまえー!」って感じ。


そこで元ネタに立ち返ると、
また新たな味も出てきますね。

★10/7から全国で公開。

「猿の惑星 創世記」公式サイト
コメント (4)
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