ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

スマグラー おまえの未来を運べ

2011-10-21 23:46:17 | さ行

これはねー、ワタシもいけないんです。

「おまえの未来を運べ」とかいうから、
ひねったSFかと思っちゃって。


「スマグラー おまえの未来を運べ」30点★★


1999年、世紀末の東京。

フリーターの砧(妻夫木聡)はパチスロで負け、
借金を背負ってしまう。

返済のため、山岡(松雪泰子)を訪ねた彼は、
高収入の運送屋のバイトをすることに。

先輩のジョー(永瀬正敏)らと運んだ荷物は、
なんと死体!

そう、その運送業とは
ヤバい荷物を請け負う
闇の運送屋=スマグラーのことだったのだ――!


真鍋昌平氏の同名マンガが原作。

マンガ未読ですが、見た感じ
望月峯太郎みたいな絵と雰囲気のマンガのようです。


ダメダメなフリーターがパチスロにハマり、
借金のかたに
「死体の運び屋」をやらされるという話で、

この現代社会で
生きてるんだか死んでるんだか
凡庸としているフツーの青年が、

ギリギリの淵に立たされて
“生”を自覚する、という流れ。

うーん「カイジ」みたいな導入ですよね。

で、映画は
どうにもヘンにキレすぎのテンションと
キツい暴力描写で

あんま
ついていけなかったっす。

血みどろとバイオレンスに
印象的なセリフを配置し、
道に迷う若者への「生き方示唆」をしてるようなんですが


それにしては
まどろっこしいというか。

拷問シーンも
サミュエル・L・ジャクソンの
「4デイズ」より痛いしね。

ただ、
永瀬正敏がえらく潰れてて
よかったな。

主人公(妻夫木)に
ポツリと人生を指針する役柄で

「前向きに行こうって思うんす」という妻夫木氏に
「前向きにって、どっちが前かわかってんのか」とか
ちょこちょこ、いいこと言うんですよ。

うん、これいいセリフ(笑)。


★10/22から全国で公開。

「スマグラー おまえの未来を運べ」公式サイト
コメント (2)
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