ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミッション:8ミニッツ

2011-10-24 22:01:32 | ま行

悪くない。悪くはないんだけど、
なんか猛烈に……惜しい!


「ミッション:8ミニッツ」58点★★★


「月に囚われた男」ダンカン・ジョーンズ監督の新作です。


青年コルター(ジェイク・ギレンホール)は
シカゴ行きの列車の中で
眠りから覚める。

目の前にはチャーミングな女性(ミシェル・モナハン)が座っていて
親しげに話しかけてくる。

が、何かがおかしい。

オレは確かアフガニスタンで
ヘリコプターに乗っていたんじゃなかったっけ――?


混乱するコルター。
そして数分後、列車を悲劇が襲った――!

なぜコルターはそこにいたのか?
次第に彼の役目が明らかになり――。


以下、ネタばれはしませんが
かなり第一印象が重要な映画なんで、

「何も知らずに見たほうがおもしろそう!」という人は
ここまでにしておきましょう(笑)。


要は主人公が
8分間の体験を繰り返し、
テロリストを特定するという、サスペンスなんですね。


タイムトラベルとも違う
“残像”という概念は面白いし、

なんで8分間なのか、とか
どうやってそういうことになってるのか、とか

理系的な複雑なメカニズムは
全て説明でわかんなくても、
まあなんとなく腑にも落ちます。

落ちるんですが……これがねえ
最後の最後でわかんなくなっちゃった。


監督はデヴィット・ボウイの息子である
ダンカン・ジョーンズ氏(40)。

なかなかのイケメンであり(笑)
古風でありつつ感覚鋭いSF的感性と、
理系脳の持ち主のようで、

前作「月に囚われた男」は
その思いのたけが全てうまく作用した感じなんですが、

今回はちょっと頭のなかと
その造形物がバラけちゃったかなあ。


同じ映像を繰り返し見るのって、
けっこう難しいテクなんですよね。

最近では「バンテージ・ポイント」(08年)が思い浮かびますが

これは
8人の視点から同じ事件を見ることで
謎を解き明かしていくサスペンスで

番長はけっこう楽しかったんですが、

謎解き以前に
「同じシーンを8回も見せられるのはしんどい」
という人もいまして、

そういうもんか、と思った。

で、本作に関しては
確かにちょっとしんどくなりました。
気持ちがわかったよ。

でも、まだ長編2作目だし、
路線もクリアな感じ。

次作に期待します!

★10/28から全国で公開。

「ミッション:8ミニッツ」公式サイト
コメント (2)
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