ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

フェア・ゲーム

2011-10-27 23:21:35 | は行

実話に基づいた
地味だけど、観るべきいい映画でした。

「フェア・ゲーム」73点★★★★


9.11後のアメリカ。

CIA諜報員のヴァレリー(ナオミ・ワッツ)は
イラクが大量破壊兵器を開発しているかどうかを
探っていた。

イラク政府がアフリカで
濃縮ウランを買い付けているという情報を得た彼女は

夫でアフリカに詳しいジョー(ショーン・ペン)に
調査を依頼する。

ジョーは
「イラクは核兵器なんか作ってない」という
事実を調べあげるが、
ブッシュ大統領たちに潰されてしまう。

そして2003年、
ついにイラクへの侵攻が始まった――。

たまらずにジョーは
自身の調査に基づく見解を
新聞で公にする。

すると、夫婦に思わぬ報復が待っていて――?!


2007年、主人公ヴァレリー自身が書いた
回顧録を基にした映画。


前半、話が読めずに
ちょっと飽きかけるんですが
敵が明らかになる中盤からグッと盛り返します。

敵というのは、もちろん
イラクに大量破壊兵器が「あって欲しかった」ブッシュ政権。

ただのアルミ管を「核兵器に使うんだ」と
言い張ってきかない
彼らの狂信ぶりにゾッとします。


“自由の国”アメリカが、
実はかの国と変わらない圧政をしているという事実を

こう突きつけられると
やっぱムカつきますよねえ。

しかも
最近のニュース見てると
日本だって、同じようなもんですよねえ。


巨大な敵を前にジョーが言う
「民主主義はもぎ取らなければ手に入らない」という言葉が
心に残ります。


すべてが明らかになったいまでこそ
知ることのできる話であり、
観るべき映画だとつくづく。

人間、勝ち目がないとわかっていても
戦わなければならないときがあるんじゃー!と
無駄に熱くなってみたりして。


★10/29からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開。

「フェア・ゲーム」公式サイト
コメント
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