ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ドラゴン・タトゥーの女

2012-02-06 20:02:36 | た行

一度観たミステリーを
こんなにも楽しめるとは思ってませんでした。

脱帽!

「ドラゴン・タトゥーの女」80点★★★★

スウェーデン発のベストセラーで
本国で映画化もされた「ミレニアム」

あの
デヴィッド・フィンチャー監督が映画化したものです。


スウェーデン、ストックホルム。

雑誌記者のミカエル(ダニエル・クレイグ)は、
経済界の大物ヘンリック(クリストファー・プラマ-)から
ある調査の依頼を受ける。

それは40年前の事件。

ヘンリックが一族のなかで特に可愛がっていた
16歳の少女ハリエットが、忽然と姿を消したのだ。

「一族の誰かが、ハリエットを殺したのだ」――。

ミカエルはパンクファッションの謎の調査員
リスベット(ルーニー・マーラ)とともに
一族の謎に迫るが――?!


いや~おもしろかったっす!

犯人を覚えてるミステリーを
こんなに楽しめるとは想定外。

リメイクではなく、監督が
本気で原作の感性にシンクロし、惚れ込んで映画化した!というのが
ありありと感じられました。

お話のおもしろさについては
前に書いた「ミレニアム」
ご参照いただくとして、


今回、フィンチャー節で特に際だったのは
まずは自分の美学に持ってきまくった映像と演出法。

オープニングは007ばり、
まるでロバート・メープルソープ作品のような、
完璧ハード系の美学がバリバリ。

そのまま
クールな色調とテンポで進むミステリーに
スイスイ吸い込まれ、

そのなかにスッと溶け込む
ダニエル・クレイグのかっこよさに惚れ惚れ。


さらに、この映画の裏テーマであり
真の主人公である
リスベットの描き方に、もう熱中(笑)。

天才ハッカーであり、辛い過去を持つリスベットのキャラを
振り切れるくらいの入魂で、描ききっている。


演じるルーニー・マーラは、スウェーデン版とはまた違う、
リスベットの超絶な知力と行動力、痛みと孤独、
そしてチャームを表現しており、

やべーかっけー、という(笑)

完全にハマりました。

このミステリに初めて会う人がうらやましい!


続編を監督するかどうか、今以て未定らしいですが、
ぜひ作って欲しいですねえ。


★2/10(金)からTOHOシネマズ日劇ほか、全国で公開。

「ドラゴン・タトゥーの女」公式サイト
コメント
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