ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

キツツキと雨

2012-02-08 23:43:26 | か行

早くも、今年のベスト10入り確実。
「ロボジー」とともに(笑)

「キツツキと雨」89点★★★★


日本の、とある山間部で
木こりをしている岸(役所広司)。

ある日、木を切っていると
「音、止めてください~」と言われる。

なにやら近くで映画の撮影をしているらしい。

そして岸は偶然、
困っていた映画のスタッフらしき幸一(小栗旬)と鳥居(古館寛治)
手助けすることになる。

さらに、なぜか
映画の撮影に巻き込まれていくハメに――?!


笑った~!(笑)ツボった~(笑)

「南極料理人」(09年)の沖田修一監督、
格段に腕を上げてきました。


設定も、セリフも、演出も実にシンプル。
かつ、不思議なほど客観的な目線が
おかしさを増幅させる。


そのなかで
朴訥さと真剣さ、そして「人のよさ」全開の
役所広司さんが、ホント最高!(笑)


ぶっきらぼうだけど、純粋で、
取っ付きにくいけど意外に人なつっこい。

ああ、田舎の人だなあ、という感じ。

なによりファーストシーンから、
木を切る後ろ姿、
かなり引き締まっていて「役に入ってる」のがわかる。

木こり仲間数人と弁当を食べていても、
パッと見、どこにいるかわからない。
それほどに溶け込んでいる。

そんな木こりが
なぜか地元での映画ロケに巻き込まれ、

使えねえ若者にダメ出ししてたら、
それが25歳の監督(小栗旬)だったという(笑)

しかも映画の内容は
「ゾンビ映画」という(笑)

で、木こりの手助けで
撮影現場が活気づいていくんですねえ。

嶋田久作氏のカメラマンぶりも、
「マイ・バック・ページ」を支えた古館寛治氏の助監督ぶりも
絶妙だったなー。


それにホント
「SUPER 8」もそうだけど、
映画作る話って、やっぱりなんともいえない楽しさがありますわな。
そういや「SUPER~」も、ゾンビ映画でした。

必見!


★2/11(土)から全国で公開。

「キツツキと雨」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする