里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

原木シイタケの植菌をする

2024年01月31日 | 山菜

原木シイタケの植菌をしました。
先日切り出した原木のナラの木は、作業場の下屋に搬入しコモを掛けてあります。


非常に乾いている状態で伐採したので切り口にはひび割れが見え始めています。


シイタケ原木は直径10~15㎝が理想と言います。
これで約15㎝。


これで約10㎝。


大部分はその範囲ですが、太いものはこのくらいあります。10㎝未満も数本。


種駒はなじみの農業資材店から購入しました。
品種は日本農林種菌の「すその360」という品種。


取り扱っているのがこの品種だけで、現在作っている原木シイタケは全て同じです。
このようにシイタケ菌が繁殖した種駒が入っています。


今回は種駒500個入り2袋を使い切ったところで打止めにします。
昨年は後半打ち方を調整して標準より少なくなった原木がありました。
今年は最後まで標準を下回る原木がないように打ちます。
作業前に簡単なマニュアルを確認。最初の1本は計測しながら植え込みます。
まず電動ドリルで穴を開けます。穴の直径は8.5㎜、深さ20数㎜。


穴の数の標準は、長さ1mの原木の場合で太さの直径の4倍以上となっています。
我が家の原木は長さは約90㎝にしています。したがって換算すると直径の3.6倍。
直径12、3㎝の原木だと45穴くらいが目安になります。
穴の間隔は15~18㎝、列の間隔は3~4㎝で千鳥に植え込みます。


切り口近くは数㎝のところに穴を開けます。


節の所や枝切りした周辺はこのように多めに穴を明けます。


少し纏めて穴を開けたところに種駒を入れます。

ハンマーで打ち込みます。


原木1本打ち終わるとこんな風になります。


50穴ほどになったので標準には十分達していると思います。
概ね感覚がつかめれば、あとは目測と感覚で打ち込みします。
今年は最初の種駒を打ち込んだ感覚で最後まで行いました。
結局原木21本で打止めとなりました。


1袋500個丁度だとすると、打った種駒は1本当たり47、8個となります。
ほぼ標準通りに打ち込むことが出来たと思われます。
ここで薄暮となったので、コモを掛けて終了です。



冬キャベツ「寒玉キャベツ」を穫り始める

2024年01月30日 | 畑:葉菜類

冬キャベツを穫り始めました。
すでに完全結球し何時でも穫れる状態だったのですが、まだ秋キャベツを穫り終えていませんでした。
秋キャベツは10月10日頃から極早生「あまいキャベツ愛心(あいごころ)」を穫り始めました。
次に穫り始めた「あまいキャベツあまみさき」は暖冬で傷みも少なく、これまで支障なく穫れてきました。
これが最後の秋キャベツ。


そして、穫り始めたのがこの冬キャベツ。


種播きは8月10日、8月29日に植付け10月3日に追肥土寄せ
品種はトーホク種苗の「寒玉キャベツ」。
当地では冬キャベツのことを通称「寒玉」と呼ぶので、分りやすい品種名です。
冬キャベツはこれまで何品種か作りましたが、近年はこの品種を作っています。
外葉が大きく、垂れ下がり気味なのが少し気にはなります。しかし、生育旺盛で揃いがよく大玉になります。


「寒玉キャベツ」は低温に強く、雪中甘藍としても使えます。
過日、積雪があり、一時すっぽりと雪に覆われました。ただ、1日でほぼ溶けてしまいました。
冬キャベツは、低温に晒されるとアントシアニンの色素が出てきます。
特にこの品種は強く出る特性があるようです。


酷寒の年には紫キャベツと見間違うほどになることがあります。
食するのに何の支障もないのですが、人によっては嫌う人がいるかもしれません。
今年は暖冬のためか、まだ薄い紫色程度です。


これから日数が経てば紫が濃くなってくるでしょう。
昨年はあまりに大きくなり過ぎましたが、今年は手頃の大きさになっています。


株間を狭くした効果があるかもしれません。
暖冬とはいっても、正に厳寒期。甘味、旨味が最大になっているはずです。
すでにがっちりと結球しているので、寒玉と言えども極端な低温になれば凍害の心配は多少あります。
また、穫り遅れ、気温が上がってくれば割れることもあるかもしれません。
中くらいの株を穫ってみました。
収穫する時は少し外葉を付けて穫り、後で外します。


丁度2㎏で適度な大きさでした。
寒玉キャベツは耐寒性が強い分当然に葉は硬い。軟らかいサラダを好む人には向かないでしょう。
しかし、煮崩れせず甘味、旨味が濃いので炒め物や煮物には最適です。
こちらは春キャベツ。


品種は「金系201」。
生育は順調で揃いも良い。例年よりかなり進んでいます。


越冬時に生育が進みすぎると心配なのはトウ立ちです。
これまで、実際に結球前にトウが立ってしまった経験はありません。
キャベツは10月から6月に入るまでの長期収穫を目指しています。果たしてどうか。


水墨画「輪島の白米千枚田」

2024年01月29日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3   


大きな被害をもたらした能登半島地震。
改めてお亡くなりになった方々に哀悼の誠を捧げますとともに被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
能登を訪ねたのは10年程前になります。3度目だったでしょうか。
輪島では朝市はすでに終わっていましたが、輪島塗の工房や時国家、總持寺祖院などを訪ねました。
何れも甚大な被害を受けたことを映像で知り、大きな衝撃を受けました。
白米千枚田も被害は免れないだろうと推測していました。過日、被害の状況を捉えた映像を見ました。
復旧には大きな困難を伴うことでしょう。東日本大震災では我が家の田んぼも例外ではありませんでした。
当時、土手や畦の崩落は応急措置で何とか作付けに間に合わせました。
地盤の沈下は如何ともしがたく、未だ完全には元に戻っていません。
全国で千枚田と名の付く田んぼはどのくらいあるのか、おそらく白米千枚田が最も有名でしょう。
日本海に面し、1000枚を超える小さな田が重なる風景は正に絶景。
当時の写真が手元に残っていました。


これはすぐ近くの道の駅から撮ったものと思います。まだ整備途中だったような記憶があります。
これをモチーフに描いてみました。
千枚田を水墨で描くのはとても難しい。
ちなみに小生が最も感動した千枚田は、数年前に南紀を旅した折り訪ねた「丸山千枚田」。
正に天空の千枚田とも言うべき絶景。それをモチーフに初めて描いた千枚田です。
不出来ながら再掲してみます。
   

ヤブコウジの群生発見、オモトも健在

2024年01月28日 | 野山

藪柑子(ヤブコウジ)は当地の野山にはごく普通に見られます。


大概はこのように数株が生えていたり、単独で生えていることが多い。


時に沢山自生するリュウノヒゲの群青の実とのコラボを見ることが出来ます。


たまに群生とまではいかないまでも、まとまって生えている所があります。
極々最近、群生と言って良いほど纏まっているところを発見しました。
遠目には全く分りません。ここ全体がヤブコウジで覆われています。


これまで何故気付かなかったかと言うような場所です。
毎年、三度は必ず刈り払いをしています。


たまたま、水路をチェックしようと思い歩いていて分ったのです。
赤い小さな実を見て気付きました。


あまり冬場には歩くようなことがないため気付かなかったのでしょう。
夏場は草が伸び、ヤブコウジは地べたに這うように生えており、赤い実も着けていません。
また、刈り払いに精一杯でそちらに目が向くような余裕がなかったことも確かです。
それにしてもびっしりと生えています。


これなら群生と言って良さそう。


株数を数えれば100の単位になることは間違いないでしょう。
いつ頃からこのようになっていたのか。


ヤブコウジ自体が小さく目立たないので、その気にならなければ容易に分りません。
赤い実を着けてようやく気付かれる存在なのです。
それほどにヤブコウジは気にも留められない存在なのかもしれません。
小生、長い間ヤブコウジは縁起物の千両、万両にあやかって別名を一両と勘違いしていました。
実は一両はアリドオシでヤブコウジは十両と知ったのは近年です。
ヤブコウジもこのくらいあれば千両分くらいの価値がありそうに思えてきます。
そして、こちらは万年青(オモト)。


大きな栗の木の下に纏まって生えています。


ここにオモトがあることに気づいたのは大分前です。記憶に定かではありませんが。
オモトもいわゆる縁起物。覆われていた落ち葉や笹竹を除いてやりました。
自然に殖えてきていると思っていましたが、今年は逆に減っているような気がします。


それでも今年も健在で実を着けてくれました。


自然に生えているので見栄えはよくありません。今年は実も少ないようです。


何故ここにと考えてきましたが、鳥が種を運んだのだろうと推測しています。
何故栗の木の根元なのかは想像がつきません。
ここでもリュウノヒゲとの共演が楽しめます。


赤い実と群青の実が今年も見られました。


こちらは少し離れたところにあり、昨年気付きました。


これは実の数が少し多く大きいようです。
我が家には縁起物の千両、万両はありませんが、多くの南天と万年青、藪柑子が楽しめるのは嬉しい。


畑に残したダイコンとニンジンを穫る

2024年01月27日 | 畑:根菜類

一昨日、一面に積もった雪は昨日午前中にはすっかり消えました。
ダイコンとニンジンは12月に多くを冬囲いにしています。
一部は畑にそのまま残し穫ってきましたが、そろそろ全てを掘り上げます。
こちらがダイコン。


残しているのは2回目に播いたもの。品種は「耐病総太り」。
すでに穫り終えている頃と想定していましたが、まだ残っています。
青首の「耐病総太り」は根が地上部に半分くらい出るので酷寒だと凍害を受け傷んできます。
一昨日は雪を被りましたが、今年は暖冬です。
最低気温-5℃以下になった日も僅かあるものの、下がってもー1、2℃と言ったところ。
このように葉が大きく根を覆うように被さっているため、この程度の氷点下なら大丈夫です。


甘味、旨味は一段と乗っています。
しかし、長大になってくるため問題になるのはス入り。
ここで「耐病総太り」の最大の長所が発揮されます。
「耐病総太り」は味良し姿良しだけでなく、ス入りへの強さが抜群です。
1本抜いてみました。


肌も綺麗です。


3㎏を超える長大なダイコンでした。ス入りも全くなく美味しい。
一斉に抜くのは止めて、残りもその都度穫ることにしました。
これは葉付きのまま冬囲いしたダイコン。穫り始めるのはもう少し先になります。


こちらがニンジン。


ダイコン同様に一部は畑に残したままです。
ニンジンは秋ニンジンと冬ニンジンの2回に播いています。品種はともに「黒田5寸陽彩」
秋ニンジンは10月半ばから穫り始め、価格が高いと言うので収穫の進度を速めました。
冬ニンジンは多くを冬囲いにしましたが、数十本分はそのまま畑に残しています。
ニンジンは根が土中のため凍害を受けることは殆どありません。


今年は気温が高く葉の傷みも少ない。しかし、何時までも放置すると根が割れてきます。
残りは僅かなので一斉に抜いてしまいます。


土付きのまま袋に入れておけばしばらく保存できます。
5寸ニンジンらしい適度な大きさのものが殆どでした。


こちらは冬囲いしたニンジン。


良いものだけ100本ほどが埋められています。来月から取り出すことになるでしょう。


長期貯蔵したカボチャはまだイケる

2024年01月26日 | 畑:果菜類

「冬至カボチャ」用に作っているカボチャがまだ残っています。
長期の貯蔵を試すため敢えて残していました。
これが作業場の中に保管しているカボチャで大小2個。


品種はサカタのタネの白皮系カボチャ「雪化粧」。
昨年は夏の気温が高すぎ干天続きで、遅穫りのカボチャの着果には厳しい年でした。
そもそも高冷地や北海道が適地なので難しい作型です。
それでもなんとか小さい果実1個を含め5個が確保できました。
これが10月に完熟で一斉収穫した時のもの。


「雪化粧」は極粉質で貯蔵性が極めて高い。
サカタのタネでは1カ月程度の貯蔵で食味が最高になるとしており、11月に2個は消費。
冬至の時点で残っていたのはこの3個。


そして、冬至に食したのがこの1個。


「雪化粧」は白皮系ですが、やや青みがかった灰色です。
収穫したばかりの果実から見ると少しずつ色合いが変化していきます。
切ったときのもの。


それから、さらに1ヵ月以上経ちました。収穫してからは100日以上です。
作業場の中に保管していたので、暖冬とはいえ常温でもほぼ冷蔵に近い状態です。
明るいところに出してみても、大きな劣化とかは見られません。


軸だけは当然劣化していますが、皮はなめらかで、かびや腐れも全く見られません。
色合いは変化しているのが分ります。
皮は青味は殆どなくなり全体に白っぽくなったように感じられます。


ピンクがかってきたのは低温によるアントシアニンの発色ではないかと思います。
大きい方のカボチャを半分に切ってみました。


綺麗な黄橙色で、冬至の時より色が濃くなっているようにも見えます。
中心の綿の部分は多少乾燥し空洞気味ですが、劣化した感じはありません。
我が家と助っ人宅とで半分ずつ食してみることにしました。
一部をシンプルなカボチャ煮にしてみました。


ピーク時のようなホクホクの食味とはいきませんが、問題なく美味しく食べられます。
「雪化粧」は極粉質で貯蔵性が極めて高いことがよく分ります。


今年は南天の実が豊富、難転に通ずるか

2024年01月25日 | 

冬場の我が家の庭で愉しめるのは南天です。
元々は先人が植えたものですが、自然の実生から育った南天が方々にあります。
今年はとりわけ実が豊富に着いており、見応えがあるので記録に留めます。
ピーク時から見ると若干実が落ちているかもしれません。それでもたわわに成っています。
我が家の南天は3種。
最も多いのは断然に赤。


こちらは石垣にある赤南天。


石垣の間に敢えて植えるわけはないので自然の実生に間違いありません。


生命力の強さに驚かされます。実の数も頗る多い。
こちらは庭の中心辺りにある南天。


多数枝が立っています。


もともと我が家の赤南天は実の数が多いと感じていますが、とりわけ今年は多い。
そもそもが赤の南天は強く、繁殖力も旺盛なようです。
庭とは言えない所にも多数生えています。


山や畑にもいつの間にやら見かけるようになっています。

こんな所にも生えていたのかとよく気付かされます。


こちらは白南天。


白南天は数が少ない。
実の着き方も赤南天に比べるとずっと少ない。それでも今年は成っている方です。


白南天と言っても純白ではなく、厳密には薄いアイボリー色です。


赤南天より弱いのだと思います。自然に実生で増えることも少ないようです。
こちらは薄ピンクから橙色の南天。


遠目には白南天のように見えますが、明らかに違います。


白南天より枝は多く伸び、実の数も多い。


赤南天には及ばないものの白南天よりはっきりと勢いがあり丈夫です。
母はよく「ハラコナンテン」と呼んでいました。意味不明です。
やはり今年は実の数が多い。


白南天の実が少ない時にはこちらを赤と組み合わせて生けます。
雪雲が流れ込み、今朝は今季一番10㎝近い積雪となりました。「南天に雪」が撮れるかもしれません。
南天は難を転ずるという縁起物。度重なる天災、人災を早く転じてほしい。





レタス類3種は未だ凍害ごく軽微

2024年01月24日 | 畑:葉菜類

レタス類はサニーレタス、グリーンリーフレタスそして玉レタスの3種作っています。
何れも芽出しした種を9月早々に直播きしたもので、生育は良好。
12月10日過ぎからは凍害を出来るだけ回避するよう不織布をべた掛けしています。


今、正に厳寒期で、当地では例年なら相当数凍害を受けていることが多い。
今年はごく軽微。暖冬の恩恵を受けていると言えます。
これがサニーレタス。


10月半ばから間引きを兼ねた収穫を開始。
長期に収穫してきましたが、穫ればすぐ株間が埋まるため、未だ隙間が見えません。


低温下にあるので、赤色が非常に濃くなっています。
大株になっていますが、硬くはなく食味は落ちていません。
例年なら凍害の症状がかなり見えるはずです。今年はごく僅か。
この株は凍害の症状がハッキリと見えます。


凍害に遭うと葉が変色しシンナリしてくるのですぐ分ります。
勢いの悪い株はより凍害を受けやすいようです。
大株になり茎が少し伸び出しましたが、厳寒期になり抑えられています。
穫ってみます。これは茎が殆ど伸びておらず、ボリュームは凄い。


こちらがグリーンリーフレタス。


凍害は殆ど受けていません。


サニーレタスと同様、長期に収穫してきました。
やはり穫ると株間がすぐ埋まるため隙間が見えません。大株になっています。


もともと葉が黄ばんでくる程度で凍害には一番強い。
それだけに、この時期になると葉は硬くなってきます。食味が多少落ちてくるのは否めません。
穫ってみます。大株で葉がいっぱいに広がります。


玉レタス。


品種はシスコ。
11月末から穫り始め、思いのほか順調に収穫が進みました。
完全結球しないで終わる株もあるかもしれないと思いましたが、殆ど結球しました。


玉レタスは葉の水分が多いので最も凍害を受けやすい。
例年ならかなり凍害を受けているはずです。何枚か傷んだところを剥いて利用することが多い。
今年は傷みがあるのはほんの外葉だけです。


郎党の中にはリーフレタスではなく専ら玉レタスを食する人間がいます。
そのためか玉レタスは順調に収穫が進み、隙間が多くなってきました。
穫ってみます。小振りながらしっかり結球しています。


3種を並べてみます。ボリュームの違いがよく分ります。


この時期、当地の露地でレタス類3種が殆ど凍害がないのはやはり暖冬異変の一つでしょう。


生育が良すぎる寒締めホウレンソウ

2024年01月23日 | 畑:葉菜類

秋冬ホウレンソウは5回に播いています。
1回目のホウレンソウは11月早々から穫り始め、以後切れ目なく穫り続けています。
メインの3回目のホウレンソウは想定したより10日以上早く12月早々から穫り始めました。
しかし、濃緑、肉厚でボリューム十分なため収穫進度は遅くようやく穫り終えるところです。
こんな風にまだ残っている株はあります。


これが穫り始めた4回目に播いたホウレンソウ。


10月20日の種播き。品種はサカタのタネのクロノス。
1月半ば以降の厳寒期に寒締めホウレンソウとして収穫することを想定していました。
収穫期としてはほぼ予定通りです。
しかし、すでに年末くらいには穫り始めてよい姿になっていました。
したがって、今や当然に大きく育っています。


販売用なら大きすぎと言われそうです。
例年、この種播きなら当地では収穫まで80日から90日くらい掛かります。
如何に気温が高かったかが分ります。
もともとクロノスと言う品種は濃緑で肉厚ですが、さらに寒締めで際立たせようとしました。
イメージは葉が下がり表面が少しぼこぼこした姿です。


それらしい姿にはなっています。


しかし、肉厚感は申し分ないものの、想定よりは綺麗な葉をしています。
最近になり-5℃を割るような日が出てきましたが、年内のうちにすんなりと出来上がったからでしょう。


助っ人が穫り、我が家の分と置いていったもの。


いかにも寒締めホウレンソウらしい濃緑、肉厚でボコボコ感は出ています。
食べ応え十分で、甘味、旨味は抜群です。
これが最終5回目のホウレンソウ。


10月28日の種播き。品種は同じくクロノス。
想定は2、3月の収穫ですが、すでに収穫可能な姿になっています。
厳寒期に生育するので当地では収穫まで100日くらい要するのが普通です。
12月半ばから不織布をべた掛けするつもりでしたが、生育が進みすぎると考え見合わせました。
それでこの姿です。


例年なら不織布の下でも縮みが多く、葉が寝るような姿になってきます。
さすがに厳寒期ですから葉がやや波打ち明らかにボコボコしています。


こちらがより寒締めホウレンソウらしい姿になっているようです。
3月いっぱいは穫りたいと思っていますが、どうでしょう。
それにしても当地で真冬にホウレンソウの生育がこれほど良いのは滅多にないことです。
市場価格が長く低迷しているのもやむを得ないかもしれません。


水墨画「凍り豆腐」

2024年01月22日 | 水墨画:菜果
画仙紙半切 1/3  

一昨日は大寒でした。それにも拘わらず気温が高い。
南岸低気圧が北上した昨日、もし気温が低く雪になっていたら10年に一度のドカ雪になっていたでしょう。
昔々はずっと寒かった気がします。最も寒いこの時期、我が家では凍み豆腐を作ったものでした。
幼少の頃で記憶も朧気になっていますが、豆腐をわらで編んで吊していたわけではないと思います。
確か「わらだ」と呼ばれる竹で編んだ大きな道具に豆腐を広げていたはずです。
豆腐も普通の豆腐と違って凍み豆腐用の、硬めの豆腐が売られていました。
凍み豆腐は厳寒期に豆腐を寒風に晒し、凍結と解凍を繰り返すことで出来上がります。
昔は盛んに保存食を作ったのでした。同様に「わらだ」に広げて作ったものに凍み大根や凍み餅があります。
冬場以外にも干し芋や干し椎茸などが作られました。
今の凍み豆腐は売られる時は藁で編まれていますが、冷凍庫で強制的に凍らせることが多いと聞きます。
当地方では専ら凍(し)み豆腐、関東では一般名の凍(こお)り豆腐、西日本では高野(こうや)豆腐と呼ばれることが多いでしょうか。
さて、肝腎の画の方はどうでしたか。


ボリューム満点の縮み雪菜が美味い、チンゲンサイも

2024年01月21日 | 畑:葉菜類

縮み雪菜がボリューム満点になってきました。


我が家ではターサイを長い間作ってきましたが、今作から縮み雪菜だけに絞り込みました。
縮み雪菜はターサイの変異株から育成されたと言われています。
それだけにターサイとよく似ていますが、その名のとおり葉に細かい縮みが沢山出ます。


ターサイも縮みは出ます。しかし、これほど細かい縮みではありません。
そして、ターサイは厳寒期になると地べたにベッタリと広がります。
縮み雪菜はそれほど極端にはならず葉がやや長めで立っています。
バラ播きしたものを株間10~15㎝に間引き、11月半ばから抜き取り収穫をしながら間隔を広げてきました。
かなり収穫したはずですが、一目収穫したようには見えないかもしれません。


穫った後に葉がすぐ広がり株間を覆い尽くしてしまいます。
広いところは株間30㎝を越えています。
ただ狭いところは20㎝くらいに留まっており、収穫が追いついてはいません。


厳寒期になっても葉は濃緑で艶があります。ターサイの場合は次第に艶がなくなってきます。
そのためターサイより見栄えが良く栄養豊富で美味しそうに見えるのかもしれません。
今、店に並んでいるのはターサイではなく縮み雪菜。単に雪菜の名で出ています。
厳寒期には葉の縮みが非常に細かくなり、特に芯に近いところは著しい。


大株になってきたのでボリューム感は凄い。今がピークと思われます。


これが酷寒の年だと外葉が枯れ出し少し小さくなっているかもしれません。やはり暖冬、大きくなっています。
ターサイほどには横に広がらないため扱いやすいのは確か。それでもこのくらいに広がります。


新聞紙と比べると大きさが分るでしょう。
厳寒期になり、ますます濃緑、肉厚で旨味が増しています。
こちらはチンゲンサイ。


目標ほどには収穫が進んでいませんが、大分株間は広がってきました。
株間が広くなったところは、大きな株になっています。


厳寒期に入っても黄ばみはあまり見えません。甘味も増しています。



シイタケ原木にするナラの木を運び出す

2024年01月20日 | 野山

前日切ったシイタケ原木にするナラの木を運び出しました。
これがナラの木。正確にはコナラ。


シイタケの原木には、切ってから3、4週間置いて玉切りするのが良いと言います。
しかし、大雪などに見舞われると容易に運び出しが出来なくなってしまいます。
リスク回避のため、ベストではないとは思いますが、このようにすぐに約90㎝に玉切りしています。


今回はここからがかなりの重労働です。
運搬車がいけるところまで人力で運び出さないといけません。
まず玉切りしたナラの木をまとめます。


足場も悪く、一挙には運搬機のいけるところには運べないので、4回ほど運んでは置きを繰り返します。
大した本数ではないものの生木なので重く、距離も結構あり相当にくたびれます。
体は汗ばむほどになり、手だけは冷たい。ようやく運搬機のいける平坦なところまで運びました。


運搬機に積み込みます。


年代物の運搬車。一昨年、中古のエンジンに取り替えたものの不調で昨年修理しました。
今度はエンジンはまずまずの状態ながらキャタピラーには亀裂が多数。ゆっくり時間を掛けて動かします。


ハラハラながらも作業場の下屋に搬入しました。


全部で20本余り。
本数としてはこれまでで一番少ないですが、種駒1,000個で打ち止めにするので、この程度だろうと思います。
シイタケ原木にするのは直径10~15㎝が適当とされます。
しかし、20㎝を越える太いものもあり、重すぎるものは少し短くしました。


直射が当たらないよう古いコモで覆いました。


この後、乾き具合を見ながら植菌します。今年は雨も雪も非常に少ないため水分は少なくなっていると思います。
体力を大分消耗したので、補強用に切ったクリの木は暫く放置します。


ナラとクリの木を切る

2024年01月19日 | 野山

我が家の山でナラとクリの木を切りました。
全部で10本余りで大した数ではありません。ただ、今回は運び出しには少々不便な場所です。
ナラの木はシイタケの原木にするもの、クリの木は補強材に使うものです。
ナラは正確にはコナラ。この辺りにミズナラはないため単にナラの木と言うのが普通です。
木を切る時期は落葉した後でなければなりません。しかも体に余裕のある時期となると冬期間になります。
ただし、冬期間は天候に左右されます。
当地は西高東低の気圧配置なら大雪になることはまずなく、せいぜい数㎝。それが崩れたときは危ない。
東京にも雪が降るような南岸低気圧が北上する時です。時に重いドカ雪に見舞われることがあります。
今週末が雪になるようなら少々心配。
今年はこれまでの積雪カウントが過日の1㎝と異常に少なく、暖冬です。
そうは言っても寒冷地での厳寒期ですから長時間の作業は厳しい。
そしてチェーンソーを扱うので危険が伴う作業と言えます。したがって無理は禁物。
事前に機械の点検と試運転を十分に行い安全第一を心がけています。


この山は広葉樹の林でコナラが最も多く、次いでクリ、そのほかクヌギ、ヤマザクラなどです。
コナラとクリの木が混在しており、慣れないと見分けがつきにくいかもしれません。
これは右側がコナラの木で、左側がクリの木です。


この辺りはコナラが多い。


樹齢は30年くらいになっているのでかなり太く高さもあります。


椎茸原木には直径10~15㎝が良いとされていますが、太いものも利用します。
何れも木が高くなっているため他の木に寄り掛かって綺麗に倒れず苦労しました。


今年はシイタケの種駒1000個で打ち止めにするつもりなので、数本切れば間に合うはずです。
根元は20㎝を越えています。


シイタケ原木用には、伐採後、少し放置してから玉切りした方が良いと言います。
しかし、雪になったりすると面倒なので直ぐに玉切りしています。
我が家では玉切りの長さは約90㎝。ただ根元の太い部分は重く大変なので少し短くしました。


次にクリの木を切ります。
この辺りはクリの木が多い。


長い補強材に用いるには適当な太さで曲がりの少ないものでないといけません。
こちらも高木のため、このように軒並み他の木に寄り掛かって思うように倒れてくれません。


少々苦労しながら倒しました。


曲がりがあり長いまま使用できない木は、形を見て適当な長さに玉切りします。


太いものは割って水路や土手などの補修に用います。
クリの木は水や腐敗に強く、補強材として最も優れた木材です。
古代の遺跡から発掘される掘立柱がクリの木であることから見てもいかに優れているかが分かります。
クリの木は重いので、放置して軽くしてから運んだ方が楽です。クリの木は長く放置しておいても大丈夫。
所々に大雑把にまとめておきます。


今回の伐採はいつもよりくたびれました。体は汗をかくほどでしたが、さすがに手は冷たい。
後始末が不十分ながら一旦ここまでで終了です。


落ち葉をすき込んで土作り

2024年01月18日 | 畑:土物類

毎年、落ち葉を利用して土作りを行っています。
12月初めに、畑のすぐ近いところの落ち葉を集めすき込みました。
そして1ヵ月半ほど経ったので、再びロータリー耕耘しました。
周囲の山にはナラやクヌギなどの広葉樹が多く、落ち葉は沢山あります。
昔、両親健在の頃は落ち葉を大量に集めて腐葉土や温床の材料にしていました。
それが、冬場の大きな仕事になっていました。
今それを実践するのは困難で、せめてもとやっているのが落ち葉のすき込みです。
本来は落ち葉を腐らせ腐葉土にしてから畑に入れるのが理想です。
しかし、それには大量の落ち葉が必要で時間が掛かり負担が大きすぎます。
落ち葉を直接畑にすき込むことなら比較的容易に出来ます。
この小さな畑は冬場は利用しないので空いています。この時期を利用し、落ち葉のすき込みを行います。


その時のものです。
まず、集めた落ち葉を畑全体に散らします。


落ち葉は近くのケヤキやコナラなどが主です。


厚さ数㎝を目安にしていますが、今年は若干少ない感じになりました。
それでも土は見えません。ふかふかの状態になっています。


我が家では土作りに切りわらのすき込みも行っていますが、その場合は窒素分を添加してやらないといけません。
稲わらは炭素の割合が多いため腐る際に土の窒素を取り込んでしまうからです。
広葉樹の落ち葉は炭素と窒素の成分バランスが良いため、そのままで自然に土の中で腐って行きます。
落ち葉は理想的な有機物なのです。
ゆっくりと出来るだけ深く耕耘し、すき込みます。


均一に混じるよう重複して耕耘します。


落ち葉はすっかり土の中に入りました。


この後、1ヵ月半ほど経過。再び耕耘しました。


落ち葉はかなり土に馴染み、細かくなってきました。


作付け前には再度耕耘します。
日をおいて繰り返し耕耘することでより土に馴染み、均平になります。
この畑はケヤキの大木が近くにあり、午後日陰になるため条件は良くありません。
ただ、殆どが強粘土質土壌の畑の中で、唯一山砂を客土した畑です。
落ち葉のすき込みが少しでもプラスになればと毎年継続して行っています。


すき焼き青果3種の神器シュンギクとシイタケがまだ穫れる

2024年01月17日 | 畑:葉菜類

大分前のことですが、何人かですき焼きの具材談義になったことがあります。
牛肉、焼き豆腐、しらたきなど必須なものは別とし、結構違いがあることが分かりました。
しかし、全員が入れる青果物が3種あり、ネギ、シュンギク、シイタケでした。
何れも我が家では自給するのが目標です。
昨日記した長ネギは冬期間問題なく自給できます。問題はシュンギクとシイタケ。
今年はまだ大丈夫。雪になりそうだと言うので一昨日収穫しました。
まずはシュンギク。


10月中は抜き取り収穫、11月からは摘み取り栽培に移行して穫り続けてきました。
12月10日頃から不織布をトンネンル掛けしています。


何種か作っている葉物の中ではシュンギクが一番低温に弱い。
強い霜が何度か降りれば凍害を起こしてしまいます。しかし、まだ耐えています。


現在は、側枝(わき芽)とそれを摘んだ後に伸びる孫茎が混在しています。
側枝(わき芽)は2、3芽で摘んでいます。今年は伸びが良いのでまだ大分残っています。


側枝(わき芽)から出る孫茎も伸びており、穫り頃のものがかなり見えます。


しかし、さすがに厳寒期に入り伸びは悪くなってきました。多少凍害の気配の見える株もあります。
長さ20~25㎝くらいで摘み取るのが理想ですが、この時期になれば多少短くても収穫します。
今年はここまで気温が高く、十分に良いものが穫れました。


当地でわき芽(孫茎)まで収穫するのはなかなか難しい。
次にシイタケ。原木シイタケです。


11月初めから穫れ始めたいわゆる秋子ですが、しぶとく穫れ続けています。
収穫は1月に入り、ほぼ週一のペース。
主に穫れているのが左奥の今年植菌3年目になる原木。


二夏を越し本格的に発生するようになりました。


しかし、さすがになかなか大きくなりません。このくらいで止っています。


小さいシイタケの芽が結構出ています。果たしてどうなるものか。


近隣でハウスに入れている方がおり、よく出ていると言います。
残念ながら自然栽培ではこんなものでしょう。例年ならもう出ていないかもしれません。
植菌4年目、6年目の原木からもポツポツ穫れています。
この程度穫れました。


ボリューム不足は否めません。しかし、味は凝縮されています。
昨日、雪雲が流れ込み降雪がありました。最低気温も-5℃を下回り一番の冷え込みとなりました。
アメダスデータの積雪も今冬初めて1㎝を観測。ただし、昨日11時にはゼロ。今日中に全て消えるでしょう。
しかし、すき焼き青果3種の神器が揃うのもそう長くはないようです。
ところで、先の具材談義で他に出てきたものはハクサイ、えのき茸、タマネギなどでした。
小生はハクサイはぜひ必要とします。えのき茸は必要ありません。
タマネギは牛肉とだけで大分前に試したことがあります。これはかの映画の巨匠小津安二郎監督の定番だったと知ったことによります。