まるぞう備忘録

無題のドキュメント

無意識スーパーコンピューターオフィス。

2015-06-19 09:55:10 | まるぞう経営学
 うちの会社は本当に小さな会社でありますが、薄利多売でありますから仕事の数はたくさんあります。現場の担当者では決められないことはすぐに社長である私に相談があがります。



 「まるぞうさん、◯◯社さんがからカクカクシカジカという相談があがっていあます。どう答えたらいいでしょう。」
 「まるぞう社長、△△さんから、こういうクレームが来ています。どう答えたらいいでしょう。」
 「社長、例の件の見積りの回答は何と返事したらいいですか~。」
などなど、などなど


 社員のみんなは私にすぐ回答して欲しいと思うことでしょう。私はふむふむ。ふむふむ。ふむう。と聞きながら、「すみませんがその件、私にメールでもらえませんか?」とか、「その内容はもう一度私に転送してもらえませんか?」とお願いします。


 ええ~?と彼らの心の不満の声が聴こえるようです。今相談したから今答えてほしいのに。それをまたメールで送れって、本当に手間なんだけど。こちらだって忙しいのに。


 その社員たちの気持ちは良くわかります。しかし私は頭を下げてメールで送ってください。お願いします。そしていつまでに回答しなければをききます。と言います。
 「今日の午前中までに必要です。」「ふむふむ」
 「これは今日の午後いちです。」「ふむふむ」
 「明日までに回答が欲しいそうです。」「ふむふむ」
 社員のみなさんにメールを送らせるという手間をかけさせているわけですから、必ず締め切りは守ります。


 私は社長なのでみなさんにメールで下さいとお願いしていますが、お客さんから直接依頼されたことや、もし上司がいたとして上司から依頼されたとしたら、その場で自分あてにToDoメールを送ることでしょう。大切なことはメールでリマインドすることで一度問題を完全に忘れることができるということです。



 私の今までの社長業の経験から、その場で即決して答えたことはだいたい間違えていたことが多かったのです。うむ。なぜならばその場での回答とは、担当者の気持ちがその場に強く働いているからです。
 「この手間のかかる仕事はやらなくていいよと言ってほしい」
 「自分に非はない、お客さんに問題あると認めてほしい」
 「お客さんからのこの値引きはうけてほしい」
などなど。


 即断即決とはかっこいい経営者でありますが、私のスタイルではありません。お金や契約内容にからむことや、お客さんからのクレーム内容や、何となくきな臭さを感じる内容については、とにかく一度脳みそにインプットしてから一度忘れる時間を設けることが必要であるのです。うむ。


 うむ。事情はわかった、いつまでに回答がいるのかもわかった。だけど一度完全にそれを忘れる。ということが本当に大切であるのです。
 人間の脳にはスーパーコンピューターがあるようです。しかしそれは無意識という層にあると私は感じております。無意識のスーパーコンピューターに演算させるためには、一度表面意識では完全に忘れる必要があるのです。表面意識がいつまでも覚えていると、ぐるぐる漏電して無意識のスーパーコンピューターに手渡せない。という感じなのです。
 これは長い経験からの私のノウハウでありますが、あとから考えると、自分は無意識のスーパーコンピューターに答えをださせているのだなあ。と思い当たります。あくまでも個人的な経験則感覚です。
 一度完全に忘れます。自分は忘れていてもパソコンにはメールで届いて思い出させてくれますから、安心して完全に忘れることができます。



 さて運が良ければ行きつけの駅前スタバで、窓側の席に座ってパソコンが開けるかもしれません。そうでない場合は、移動中の電車の中で座ってパソコンが開けるかもしれません。あるいはお客さんのところに早めについて、相手の駅のホームのベンチか、相手のビルの受付の待合コーナーかもしれません。


 大切なことはここでは、大勢の雑踏の中でありながら、誰も私を知らないということです。思考の途中で誰も私に話しかけることはないということです。私はこの限られた時間の中で約束通り回答を終わらせるべく、ノートパソコンを開きます。私が答えなければならない案件がメールとしてメールボックスにたまっています。ふむふむ。確かにこれだこれだ。私の表面意識は内容を思い出します。ふむふむ。



 雑踏の中で一度忘れたメールを読んでいると、いろいろな周辺状況が浮かんできます。無意識のスーパーコンピューターで寝かせたせいでしょうか。先方の状況や都合が手に取るようにわかります。
 うむ。それではこのように回答してあげたらきっと先方は助けになるだろう。とか。
 うむ。先方はこちらの問題と思っているようだけどどうも誤解だなあ。サーバの△△の設定を一度調べてもらおう。とか。
 うむ。先方が出せる金額はどうも◯◯なんだな。だけど納期は融通できるけどうちからの金額回答がとくに今日中に必要なんだな。とかとか。とかとか。



 もしこれがシーンとした真っ白い部屋であれば、私はこのように集中できないかもしれません。誰も話しかけてこないけど、多くの人が目の前で行き交う雑踏が逆に私の表面意識を適度にそらしてくれているようです。座り心地の悪いベンチであるからこそ集中できるように思います。


 私に関していえば、恵まれた環境では脳の発想力は落ちると思います。忙しい中で締め切りに追われるとか、揺れている電車とか、雑踏の中の座りごこちの悪いベンチは実は、私の貴重なオフィスであります。まるぞう株式会社が潰れずに存続できている秘訣であります。


おひさま、ありがとうございます。


下記は静止衛星軌道上で観測される太陽からの電子密度グラフです。急な変動がある場合は地震や事故に備えて防災意識を心掛けましょう。特に注意が必要な期間は、メールやTwitterで防災意識リマインダーを受け取ることができます。詳しくはこちら