レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

麻雀放浪記

2024年03月06日 20時24分20秒 | ドラマ

「麻雀放浪記」
1984年 日本 109分
■監督:
 和田誠
■出演:
 真田広之
 鹿賀丈史
 大竹しのぶ
 加賀まりこ
 加藤健一
 高品格
 内藤陳
 篠原勝之
 天本英世
 名古屋章

●あらすじ
阿佐田哲也の同名ベストセラーを基に、イラストレーターの和田誠が映画化し監督デビューを飾った作品。
戦後の東京を舞台に、麻雀に打ち込む若者が、様々な勝負師との出会いを通して成長していく姿を描く。
敗戦直後の上野。
青年・哲は、ある日、以前バクチを教えてくれた上州虎と偶然会う。
虎に連れられチンチロ部落に足を踏み入れた哲は、なけなしの金でプロのバクチ打ちであるドサ健の張りにノッた。
おかげで相当勝ったが、その大半をコーチ料としてドサ健にとられてしまう……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
阿佐田哲也の原作は有名だから知ってはいるけど、読んだ事は無かった。
だが同原作を基にした漫画「哲也~雀聖と呼ばれた男」は読んでいた。
主演が真田広之だし、なんか勢いのまま観てみたら、まず監督が和田誠だったのに軽く驚いた。
確か和田誠って平野レミの旦那さんだよね。
実は平野レミは結構好きな人で、あのハイテンションな明るいキャラクターは、見ていて元気を貰える。
さらに自分でも料理をするようになった後は、彼女が料理について言っている事がさらに好きになった。
バズレシピのリュウジと同じで、料理を楽しもうよと言う姿勢が素晴らしい。
そんな平野レミは、亡くなった旦那さんが事が大好きで、良く「和田さんに会いたい、会いたい」って言ってるのを聞くから
なんか旦那さんの名前覚えちゃってたね。
そんな出だしから始まった本作。
1984年の作品なのにモノクロなのは、戦後が舞台だからかも知れない。
本作に登場する”坊や哲”は本当に坊やで、漫画版で言えば本当に序盤の辺り。黒シャツ着る前の頃辺り。
完全な坊やでしかない哲が博打と出会う所から始まり、麻雀に出会い、さらに積み込みなどの技を教わって
いっぱしのバイニンになっていく姿を描いている。
だが残念なのが、まず主演の真田広之がアクのないキャラクターで描かれているのと
脇役達が非情に濃いキャラクターで描かれいるので、肝心の坊や哲が一番印象が薄くなってしまっている。
さらに映画の後半は、ドサ健役の鹿賀丈史と、その情婦である大竹しのぶが物語の中心になっているので、
もっと印象が薄いと言うか、最早脇役になってしまっているように映る。
まあそれでも漫画でも描かれていた、哲のツバメ返しの技も再現されていたし、中々面白かったよ。
漫画版の房州さんにあたるのは、本作では出目徳と言う役名なのだが、この人の扱いが漫画版より雑だったのがウケた。
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七人のおたく cult seven

2024年03月04日 19時16分23秒 | ドラマ

「七人のおたく cult seven」
1992年 日本 99分
■監督:
 山田大樹
■出演:
 南原清隆
 内村光良
 江口洋介
 山口智子
 益岡徹
 武田真治
 浅野麻衣子
 中尾彬
 殺陣剛太

●あらすじ
ミリタリーおたく・星亨(南原清隆)の誘いに乗って集まった、
格闘技おたく・近藤みのる(内村光良)、パソコンおたく・田川孝(江口洋介)、
無線おたく・水上令子(浅野麻衣子)、アイドル&改造車おたく・国城春夫(武田真治)らは、
田川の連れてきた美女・湯川りさ(山口智子)も加わった6人で井加江島へ向かった。
星が彼らを仲間に入れたその「計画」とは、令子が盗聴した電話の会話をもとに、
田川がパソコンの合成音で作ったニセの電話で島の網元・高松家の家人をおびき出し
留守の隙をついて近藤と星が赤ん坊・喜一を奪うというものだったが、
最後のところで国城が逃走用の船の改造に失敗して計画は失敗。
彼らはそこに現れた高松(中尾彬)の元妻のティナから、
夫の冷酷な仕打ちに耐えきれず息子の喜一とともに家出したが、
跡取り欲しさに喜一を奪い去られ、それを星が聞き、今回の奪還計画に至ったことを知る・・・。
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
これ昔良くCMで予告を観てた。
その時の印象はウッチャンの壁を使った宙返りと、七色仮面の仮面を付けた男。
この七色仮面を付けてたのてっきりナンチャンだと思ってたんだけど、今回観てみたら違ってた。
それで今回初めて観てみたんだが、タイトルとかから東宝作品だと思ってたんだけど、なんと東映作品だった。
内容の方はタイトルからあの名作「七人の侍」のパロディなんだろうなと思ってたけど
これが割と面白くなかった。
まず七人の行動目的が荒唐無稽なので、ストーリーに集中も感情移入もできない。
だがこういったテーマの映画であれば、各七人のキャラクターをきちんと個性的に描いていれば、
それだけで満足できる部分もあるのだが、残念ながらキャラ付けがきちんと出来ていなかった印象を受ける。
それぞれが何に強いオタクだから何が武器みたいな描き方がされていないので
七人集まっても、誰がどれ状態であり、この時点で企画が破綻していると思う。
キャストとかは結構豪華だし、この当時にオタクをフューチャーしようとしたガッツは認めるが
もうちょっと細部を煮詰める事が出来ていたらなと、惜しい気持ちになってしまうね。
でもこの頃の邦画って、割とこういった自由な内容と言うか、冒険したような映画は結構あったよね。
好き嫌い、当たり外れのどちらが自分にヒットするのか、後から考えるとそういった事を楽しめていた気もするが
今はそういった映画って少なくなっているのかな。
それとも自分が知らないだけなのかな。
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砂の器

2024年01月25日 18時49分26秒 | ドラマ

「砂の器」
1974年 日本 143分
■監督:
 野村芳太郎
■出演:
 丹波哲郎
 森田健作
 加藤剛
 島田陽子
 加藤嘉
 笠智衆
 佐分利信
 緒形拳
 渥美清

●あらすじ
松本清張の同名小説を、野村芳太郎監督、橋本忍・山田洋次脚本で映画化した社会派サスペンス。
迷官入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、
暗い過去を背負うがために殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を描く。
ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。
被害者の身許が分らず、捜査は難航した。
が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、
ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
と言う訳で「砂の器」を観てみました。
こちらは松竹と言う事で、沢山の色々な日本の風景及び、当時の国鉄列車も堪能でき、なんか松竹っぽいなと感じた。
そう言えば渥美清や笠智衆と言った「寅さん」でお馴染みの面々に出会えるのも、松竹だからだね。
しかし主演は丹波哲郎であり、ほぼ最初から最後まで丹波哲郎中心で話が進んでいく。
丹波自身もいつもとはキャラクターが違い、良いことがあると飲み屋で楽しく飲む明るいおじさん像なところなど、新鮮である。
しかしコンビを組む森田健作が、若さが暴走したキャラクターで、これがちょっとウザかった。
だが他は名優揃いなので、安心して観る事ができる。
脚本の方も事件を追いかけていく事に終始してブレていないので、じっくり事件を追う事ができる。
風景も昭和の日本を見る事ができるし、やっぱりこの頃の邦画の雰囲気は最高だなあと実感してしまった。
と言う訳でミステリーとしてはいささかご都合主義な部分もあるが、
骨太なドラマである事は間違いなく、本作のテーマに興味がある人は楽しめるかも。
ところで「飢餓海峡」とあわせて、邦画の名作か。と言う点においては、
両作とも力作である事は間違いないが、名作かと言われるとそこは難しい。
名作とはなんぞやの定義付けは、きっと人それぞれだと思うので。
そう言えば東北弁で鎌田を言おうとするとカメダに聞こえると言うネタが「踊る大捜査線」の映画にあったけど
それの元ネタが本作らしいね。
そういった「踊る」ファンの方にもオススメかも。
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飢餓海峡

2024年01月24日 18時49分13秒 | ドラマ

「飢餓海峡」
1965年 日本 183分
■監督:
 内田吐夢
■出演:
 三國連太郎
 左幸子
 加藤嘉
 伴淳三郎
 八名信夫
 高倉健

●あらすじ
水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化。
「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称される。
東映が監督に無断で編集した167分版と、監督自身の手による183分の完全版がある。
昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。
火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。
そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。
それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。
函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称されると紹介されているので、観てみた。
なお「砂の器」も観てみるつもり。
制作年度がかなり前と言うのもあり、当時の日本の風景も、物語の設定である昭和22年当時を良く再現している。
この時代特有のものかもしれないが、恐山とかお経のようなBGMに、モノクロ映像で反転処理とかされると
凄くおどろおどろしい感じになり、非常に土着的な恐怖心を煽ってきて、結構怖い。
まるで横溝正史の世界観を濃く煮詰めた感じ。この頃の邦画と言うか、日本はこういった描写が当たり前だったのかな?
物語の方は、基が推理小説と言うのもあってきちんと進んでいくが、正直3時間は長いかな。
もっと削って2時間強くらいにしてもらった方が、観易くて良かった感じ。
と言っても別につまらないと言う訳ではなく、ちょっと長いなと感じつつも最後まで引っ張る力強さはある。
三國連太郎がとくに強い男像ではないのだが、骨太な演技は魅力がある。
一方不器用過ぎて家族と上手くコミュニケーションが取れず、成長した息子からバカにされながらも
執念の男を演じた伴淳三郎も素晴らしかった。
だが高倉健の刑事役は、ちょいと頂けなかった。
物的証拠もないのに自分の思い込みだけで恫喝まがいの取調べを行う姿は、正直嫌な気分になった。
まあ最後の方の展開には納得がいかなかったが、ラストシーンは凄い衝撃的だった!
これだけでも本作を語れるかもしれないくらいであった。
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ダンプ渡り鳥

2024年01月17日 18時48分31秒 | ドラマ

「ダンプ渡り鳥」
1981年 日本 125分
■監督:
 関本郁夫
■出演:
 黒沢年男
 大西撤也
 ジョー山中
 原田美枝子
 宮下順子
 なべおさみ
 名和宏
 由利徹
 鳳啓助
 京唄子
 梅宮辰夫

●あらすじ
14tトレーラーを駆使する生粋のダンプ野郎・隆は、
仲間のウェスタンの事故死をきっかけに、遺骨を抱き一路北海道へ向け驀進した。
ウェスタンの妻・雪子は積丹で小料理屋を営んでいたが地元の船主から、補償金をきびしく取り立てられていた。
夫ウェスタンが轢き殺したのはこの船主の息子だったのだ。
雪子の力になろうと、北海道に残って仕事を姶めた隆。
いつしか二人の間に静かな共感が芽ばえ始める。
ある日、雪子の店に政が現われ隆に出ていくよう追った。
対峙する隆と政。
雪の海岸で凄まじい殴り合いをくりひろげる隆と政。
二人の肉弾が激突し、やがて双方が力尽きてうずくまった。
そして政はポツリと呟いたのであった…。
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
東映のヒットシリーズだった「トラック野郎」が終了し、代わりとなる新シリーズ狙いとして作られた作品。
そういった背景があるから、てっきり「トラック野郎」シリーズのようにダンプアクションがあるのかと思いきや
全然そんな事はなかった。そもそもダンプに乗っているシーンが全然無いし。
シリーズ後期の真面目路線に変更した「トラック野郎」よりもさらにシリアスな作風にし
メインテーマも男女の恋愛物になっているため、むくつけき男たちのアクション映画を期待していると完全にスカされる。
黒沢年男に梅宮辰夫と、どちらも「トラック野郎」シリーズにライバル役で出演していたのに
今回は全然違う内容になっておりガッカリ。
シリーズ化を目論んでいたらしいが、ヒットしなかったためこれ一作で終わったらしい。
そう言えば映画序盤に若き日のツービートが出てきて、若さ一杯に身体を動かしているシーンは、ちょっと見ものだけどね。
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