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オオカミは嘘をつく/BIG BAD WOLVES

2014-11-25 01:12:57 | 劇場&試写★6以上

 

 

タランティーノに、「今年の暫定1位だ」と言わしめたイスラエル映画、ついに日本上陸

ってことで楽しみにしてました~

 

いやほんと、これタラ好きなの納得。  わたしも好み~

110分で、最初から最後までダレることなく一気に魅せる。

 

過去には「イースタン・プロミス」「パンズ・ラビリンス」「ぼくのエリ 200歳の少女

第9地区」などが受賞している2014サターン賞最優秀インターナショナル作品賞受賞作

これら全部好きな作品

 

監督&脚本は映画大好きで日本映画も好きであらゆる映画をみまくるという

アハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャドというイスラエル出身の2人。

デビュー作「ザ・マッドネス 狂乱の森」(10)が高く評価された。これも観てみたい。

日常茶飯事のテロ、誘拐、残虐行為、攻撃と報復を繰り返し続けるイスラエルの社会からインスパイアされたという。


 

まずはベストオープニング賞あげたい。

無声のまま静かに子供たちのかくれんぼを追うカメラ。


そしていなくなる少女、、、、、


イスラエルの森の中で事件は起きた。

少女暴行殺人事件、

容疑者となった見かけは虫も殺せなさそうな教師。

不法捜査で殴る蹴るで吐かせようとする荒っぽい刑事

容疑者を監禁拉致、直接復讐を企む被害者の父親。

という3人の男。+あとから出てくる↑の父親。



あらゆるところが巧い話はシンプルなのに、最初から最後まで惹き付けて面白い

この一言に尽きる


ちょこっとネタバレあり

登場人物少なめだし、容疑者は最初から一人しかいない。

だから観ながら疑いかけられる人物も絞られる。

絶対容疑を認めない容疑者は潔白で、実は被害者ぶってるオヤジが犯人なのか?

とも思わせる節もありうまく演出され、

しかも笑えるコネタちょいちょい入れてくる上に、

個性的なすっとぼけや、よく映画で使われる「everyday」がいきなりウキウキ気分で

合間に挿入されてたり、様々な伏線や 脚本とにかく巧い!!


っていうか、なにが笑えるってまず

被害者の少女の父親、45歳とか言って、ありえねー

だってコレだよ?? 

どーみたって60くらいじゃない?

暴力刑事が行った行為でYouTubeに動画があがったことで、

被疑者の映像を見た45歳(の元刑事)は事件以来、

妻とも別居中でアラブ人地区にある人里はなれた家を購入。

(地下があり叫んでも聞こえないのを条件で見つけた場所)

刑事と容疑者を捕まえて、

刑事には協力を依頼。容疑者には娘にしたのと同じように痛めつけると宣言。


さらに後から登場する父親も同年代くらいにしか見えんけど?

この方。↓

「人間は動物と一緒で火が一番怖いんじゃぁ」


勝手に引っ越ししたという45歳の息子に電話したら風邪ひいてるっていうので

母親が心配してスープを作ったからとわざわざ持って来た。

一緒に食べようと思って来たスープの中身は具沢山じゃなくて

うわずみスープみたいなあっさり系。おかずなしでそれだけを二人ですすっていると、、、

なにやら下から音がしてきた。

理由つけて45歳の息子が見に行くからそこにいてといったにも関わらず

下に降りて来たお父ちゃん。

二人の男を監禁してる状況をみてしまう!

「おまえ、ついに気でも狂ったか」


やった止めてくれる。といつの間にか容疑者に肩入れ寄りでみてたので


なのに

父ちゃんも、参加!! しかも嬉しそう。

そこ、ふつー止めるだろー。しかも、45歳オヤジよりももっと凶悪でたち悪い。

昔、軍にいたらしく 実はいろいろと詳しい


シリアスで手に汗握るよーな、緊張のシーンで一転

おバカに変わる巧さ。(犯行再現するため、のんきな感じで毒入りケーキつくったり)

容疑者にも、刑事にも 同じ年頃の少女がいるのがキー。



8/10(87点)



期待通りに、いや以上かな? 面白かったぁーーー!

女三人で観て観終わったあとであれこれ話せる楽しさ。

これは面白い映画だからこその楽しみ。


イスラエル映画といっても、意外とさらりと観れちゃうのは

随所にジョーク効いてて笑えるメリハリきいてるせいとキャラが皆たってて良いから♡


話はそこまでびっくりするような展開になるわけでもないけど

上にも書いたように映画として、伏線演出脚本その他巧い。

危うくネタバレじゃないの?と思える邦題。 でもスレスレ。

オオカミ=容疑者とは限らないのがミソで

凶悪な事をしている犯人はもちろん狂ってるし、罰せされるべき人間ではあるけど

それを吐き出そうとする刑事、自らの手で制裁を加えようとする遺族の行動。

全てが悪であり、誰が、どこまで嘘をついているか。

原題には「嘘」のキーワードはない。


少女をやったのか、やってないのか。


容疑者は一人。本当にやってないから少女たちの遺体の頭部の隠し場所を言わないのか、

それとも、拷問に耐えてまでやってないと言い張り黙秘を続ける理由があるのか、信念なのか。

容疑者を殺してしまえば、遺体のありかを知る事が出来なくなってしまうから

殺さないというのは当然なんだけど、それをどこまでやっちゃうか。

ラストはラストで ああー、なるほどという展開に。

謎の馬乗りアラブ人も効いてて、いい味。


個人的には、ラストカットも良かった。

あまりネタバレも観る楽しみ奪っちゃうのでここでは控えるけど

細かいところで計算されてる、ちょっとしたサプライズや不気味さも併せ持ち

ちょこちょこ笑えるこんなミステリー、最高 

ナンバーワンとは言わないが、今年のベスト10入りは確定!


気になる方はぜひ、適度な緊張感持てる劇場観で~

また観てもいいなー。


森の中で起こったある凄惨な少女暴行殺人事件。刑事ミッキは捜査を進めていくうちに、最重要容疑者を特定する。それは一見温厚に見える宗教学の教師ドロー ルだった。ミッキは不法な取り調べを行い、その動画を偶然ネット上に流されたため捜査は中止に。しかしドロールの追跡をやめないミッキ。そこへ割り込んで きたのは、犠牲者である少女の父親ギディだった。彼は法律で裁かれないドロールを自らの手で裁くために周到な復讐計画を練っていたのだ──。
    

映画『オオカミは嘘をつく』予告編



 公式サイト

BIG BAD WOLVES       2013年    イスラエル   ヘブライ語・アラビア語  110min

11月22日より、公開中~



監督脚本のナボッド・パプシャド&アハロン・ケシャレス コンビ、

ホラーの短編5分を集めたショート「ABC オブ・デス2」にも作品出すほか、

ジョニー・トー監督の「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」のハリウッドリメイクで

ハリウッドデビューも決定! 今後も楽しみです♪

あの45歳のオッサンとお父ちゃんもまた別の作品で観てみたいな。