不朽の名作「ローマの休日」(53)の本編にクレジットされなかった真の脚本家、
ダルトン・トランボの苦難と復活の軌跡を映画化した実録ドラマ。
大好きなコメディ「オースティン・パワーズ」「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズの監督、
ジェイ・ローチがメガホンということで楽しみにしてました
1940年代~50年代にハリウッドを震撼させた“赤狩り”によって、長らく偽名での創作活動を強いられたトランボ。
愛する家族の支えを得て不屈の闘いを描いている。
固い信念を貫いたトランボの型破りでユーモアに満ちた生き様を演じたのはブライアン・クランストン。
そのトランボを支える妻にはダイアン・レイン。
成長した長女にエル・ファニング。
もともとわたしは姉のダコタの方が好きだけど、エルちゃんだんだん可愛くなくなってきたな
ヘレン・ミレン演じた、ヘッダ・ホッパーは、女優としてキャリアをスタートさせるも役に恵まれず、
映画コラムニストに転身したのちに頭角を現した実在の人物。
本作以外にも先日観た、コーエン兄弟監督作「ヘイル、シーザー!」でティルダ・スウィントン演じるゴシップ記者のモデルともなった
なんと、同一人物!!
そういえば、歳は違えどキャラ被るわ。こちらもっと悪どいけど。
ジョン・グッドマンはB級専門映画会社の社長。貫禄あって頼もしい
1960年の「栄光への脱出」でトランボを脚本家で起用したオットー・プレミンジャー監督役、(マリリン映画「帰らざる河」も監督)
どこかで見たこの顔と思ってたら、「esエス」とか「イングロリアス・バスターズ」
出演のクリスチャン・ベルケル。
他に、若き頃のカーク・ダグラスに面影そっくりの、ディーン・オゴーマン。
などなど。脇キャストもみなさん素晴らしい。
下、左から二番目のマイケル・スタールバーグも、裏切りの嫌な奴っぷりがお見事だし。
8/10(85点)
わたしの弟は、映画監督であり、脚本家だ。
映画は監督のものだとも言うけど、脚本もかなり重要なのは周知の事実。
映画を観るときには多分、普通の人よりも誰の監督した作品かを気にするし、
細かく言うと脚本家もとても気になる。
出来不出来というか、自分の好みに合う合わないというのは実際存在する。
作品の出来でいうならば、キャストや演出も大事だけど、脚本はやっぱりとにかく大事。
今でこそ、表現は自由であり(ある程度は)脚本の中にもメッセージを込めたり俳優に言わせることで
個人の表現をするのは大変なことではないだろうけど、
この時代において、言論の自由や思想を持つことはとてつもなく難しく
国家権力による弾圧についに屈することなく、思想・言論の自由を守り抜いたこの脚本家の功績は大きい。
当時、トランボはハリウッドから追放されて1950年には投獄される。
収監前に友人に名を借りて発表するもオスカー受賞した「ローマの休日」。
その後、出所後もB級専門の映画会社で偽名で脚本を発表し続けて娯楽映画向けを量産し生活費を稼いだ。
この間、傑作「黒い牡牛」も 偽名でアカデミー賞を獲得。すごいね。
主演のカーク・ダグラス本人から依頼を受けて、歴史大作「スパルタカス」と、
オットー・プレミ ンジャー監督作「栄光への脱出」の脚本によってハリウッドに復帰。その名を取り戻したするのは60年のこと。
なんということでしょう、、、、、!
「ローマの休日」なんて普通に観てたしまさかそんなすごい人生を歩んだ人の脚本作品だったとは思いもせず。
実在の人物が次々と出てくるし、メジャー作品のその時代の制作背景など垣間みれてとても興味深かった。
「スパルタカス」なんて長いけどまた観たくなっちゃった。
そういえばあれってカーク・ダグラスだったんだなぁとか。
カーク・ダグラス演じた俳優が密かに気に入ったけど
マイケル・ダグラスの父親でもあるカークさん、調べたらまだご存命だったのねびっくり。
マイケル・ダグラス&カーク・ダグラス親子。現在、99歳!!
そして、やっぱり主演のトランボを演じたブライアン・クランストン!
頑固だけど、家族への思いやりも忘れかけたけど、それでもやっぱり愛のある父親であり
名脚本家をユーモアもったとぼけたキャラで魅せてくれた。
実際のトランボ。(意外と丸顔)本当にお風呂で書いてた。
このシーンも再現。
そして、本作の脚本家は、ジョン・マクナマラ。
う〜ん、ごめん!知らない。
主にTVドラマばかり手がけてる方でした。本作、良かった。 拍手
第二次世界大戦が終結し、米ソ冷戦体制が始まるとともに、アメリカでは赤狩りが猛威をふるう。共産主義的思想は徹底的に排除され、その糾弾の矛先はハリウッドにも向けられる。売れっ子脚本家だったダルトン・トランボは、公聴会での証言を拒んだために議会侮辱罪で収監され、最愛の家族とも離ればなれとなっ てしまう。1年後、ようやく出所したトランボだったが、ハリウッドのブラックリストに載った彼に仕事の依頼が来ることはなかった。そんな中、家族を養って いくためにB級映画専門のキングス・ブラザース社から格安の仕事を請け負い、偽名で脚本を書きまくるトランボだったが…。
映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」予告
TRUMBO 2015年 アメリカ 124min
7月22日より、公開中〜