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ムーンライト/MOONLIGHT

2017-03-23 10:38:02 | 劇場&試写★5

 

 

 

ラ・ラ・ランド」と取り違えるという前代未聞のミスがあった今年のアカデミー賞作品賞の受賞作。

エクス・マキナ」や「AMY/エイミー」などの配給でヒットを飛ばした映画会社A24と、

ブラピの制作会社であるプランBが製作した低予算で作られたインディペンデント作品。


タレル・アルヴィン・マクレイニーによる "In Moonlight Black Boys Look Blue" が原案

監督・脚本のバリー・ジェンキンスはまだ36歳、本作が長編第2作で受賞という快挙。

 

アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、

助演女優賞(ナオミ・ハリス)、編集賞、撮影賞、作曲賞と8部門でノミネートされて

作品賞、脚色賞、助演男優賞合計3部門を受賞

 

受賞を受けて、全国公開に拡大して公開日まで前倒しに。作品賞受賞の力はすごいね。

試写にて鑑賞。

 

 

やっぱり作品賞受賞ということで、今年の頂点に立ったということで期待が高まるわけだけど

アカデミー賞会員が選ぶのはやはり「ラ・ラ・ランド」みたいな華やかな夢と希望を描いた

切なくも楽しい作品よりも、

メッセージ性というか、社会派の今の時代こそな、地味でもじんわり伝えるこのような作品を好むんだよな

と思ったな。

それぞれの時代の主人公シャロンを3人の俳優が演じる。

リトル=アレックス・ヒバート

 

アシュトン・サンダース

 

ブラック=トレヴァンテ・ローズ

 

麻薬常習者の母親、ポーラにナオミ・ハリス。

 

 

近所の麻薬ディーラーのホアンに、マハーシャラ・アリ。

 

その妻には、R&Bシンガーでもある、ジャネール・モネイ。

 

 

友人、ケビンも少年期と大人になってからを二人が演じる。

少年期=ジェイデン・パイナー。

大人になってからは舞台俳優でベテランのアンドレ・ホランド。

 

 

黒人の少年、シャロンのアイデンティティとの葛藤を描く。

 

ラストちょっとネタバレあり

 

5/10(50点)

 

 

作品としての理解はできても、個人的に感情の共感が無理でした。

うーん、個人的にはやっぱりオスカーは「ラ・ラ・ランド」にとってもらいたかったけど

そんなこと言っても仕方ない。笑

 

ところどころ全て唐突で、映画として「作った感」がどこかあったなー。

リアルじゃないというか。

学生時代にイジメをするドレッドヘアの男が、突然 自分の唯一信頼する、ときめいた男の子に

「俺が一人選ぶから、メタメタに殴れよ」と言われて指示通りに殴る。

そのことから、キレて仕返しに殴りに行き自分を見つめるきっかけになり肉体改善含めて変わろうとする。

 

イジメや育児放棄、父親不在の中での、父親代わり、ダメな母親に代わる二人の心を許せる人と

唯一、自分を認めて触れてくれた存在。

同性愛を自分の中で認めながら、それをそのまま殻に閉じ込め成長した少年は。

 

これまでの作品賞受賞作品とは違って、一人の少年の成長を3人の人物で描いたパーソナルな作品。

オバマが支持された時期は短くも終わりを迎え、黒人がノミネートされていない、受賞はできないと批判された去年の

ホワイトアカデミーの反動とも思えたかな、、、、

まさに今だから受賞した作品とも言えるような。

深く書けば色々とあるけど、見た後でもちょっと語りたくなるような内容だったな。

日本ではきっとあまり受けは良くない気がする。

 

直接的な性的シーンはないにしろ、海辺でキスしちゃうシーンや、大人になってから

電話がかかってきて、彼を想像してしまってベッドでアレとか

あと、びっくりだったのがラスト。

再会した彼は女性と結婚するも別れ、子持ちの彼の家に泊まることになり

部屋でもたれかかって、寄り添う姿でラストシーン。

 

あの時の君にしか触れられてない、ってまさかの爆弾発言。

えー

イケイケの麻薬ディーラーに変貌して高級車に乗って、総金歯までつけててそりゃないよ今までチェリーボーイ?

ありえんでしょって思っちゃった。

 

いや、だからこそ、そこまで誰とも接することも親しくなることもしないできだと言うところの深刻さを描いてるとおもうけど、 生活してきた環境とか、親とか自分周りの成長過程の問題が大きいと思う。

いろいろな黒人社会の背景含めて描きながらも根本的に伝えたいベースは

純愛。

そして、全編通してすごくベタ。


純粋なボーイズラブ(今風にいうなら)

 

再会してからの彼は素敵な人になってて、役者が良かったな、魅力的で惹かれるのはわかる。

あのダイナーでのシーンは良かった。

でもそこでかける曲の歌詞がストレート過ぎて赤面。ベタベタだわ〜。笑

 

これまでのオスカー受賞作とは違って、じっくり描くというより全て唐突。

淡々としながらシンプルに描いてはいるんだけど、伝えたいこともわかるけど、、、という感じ。

 

お母さんもほんと、親代わりによくしてくれてる人からのお小遣い

子供から巻き上げて、かなりのろくでなしで腹が立ってたキャラだけど、

最後は施設に入って「人の役に立ってる今が幸せだ」みたいなことで自分の居場所を見つける。

好きだった彼も、コックとして働き男手ひとつで子供を育ててるけど

「稼いでもちょっとにしかならないけど、バカやってた昔よりもいい」と言い、今に満足をしてる。

 

自分の中の気持ちを抑えてきた彼が、自分らしさと安らぎを再確認して

解放していくのはきっとこのあとからなんだろうね。

 

 

学校では“チビ”というあだ名でいじめられ、麻薬常習者の母親からは育児放棄をされているシャロンはマイアミの貧困地域で暮らしている、内気な性格の男の子。生活の中で行き場を失ったシャロンだったが、彼にとっての唯一の救いは、自分の親代わりになってくれる、近所に住む麻薬のディーラーの男・ホアンとその妻、そしてたった一人の男友達のケビンだった。そんな日々の中、シャロンは、ケビンに惹かれている自分に気づく。しかし、このコミュニティではこの感情は受け入れてもらえないと幼いながらも勘づいていたシャロンは誰にも、もちろんケビンに対してもそのことを伝えられずにいた、、、。

 

 

 

 公式サイト

Moonlight           2016年       アメリカ      111min

3月31日より、公開〜