飲兵衛の酔写アルバムPartⅡ

毎週1回月曜日に更新します

山名神社八段舞楽(その3)

2021-07-26 00:00:01 | 舞楽

山名神社八段舞楽より、
6番目「龍(りょう)の舞

この舞の見所は、龍の二人が柱によじ登り、逆さになって
上体を煽るアクロバッットな場面です。

山名神社八段舞楽の中で最も人気の高い舞いで、
ここぞとばかりカメラ親爺やカメラ女子が集まってきました。

 

 

右側の柱では。

 

 

 

 

 

 

もう一人は左の柱で。

 

 

7~8年前に始めて山名神社を訪れた時には、
まさかこのようなアクロバット場
面があろうとは思わず、
撮り逃してしまいました。

2度目の今回はヘボながらも何とか上体を煽る瞬間を
撮ることができて、やれやれです。

 


7番目「蟷螂(とうろう)の舞

蟷螂(とうろう)とはカマキリのことです。
京都祇園祭では屋台の曳山として登場しますが、
「蟷螂の舞」が原型のまま存続しているのは、ここ山名神社のみ、
国指定重要無形民族文化財の所以であります。

手に持つ紐でカマキリの前肢を動かします。

 

 

 

 

 

 

 

 

8番目「優填(うでん)獅子の舞

山名神社の御蔡神・素戔嗚尊(すさのおのみこと)は
疫病を退散
させる力のある神様。
荒ぶる獅子を伏せて夏の流行病を防ぐ舞いです。

 

 

 

 

 


山名神社八段舞楽(その2)

2021-07-22 00:00:01 | 舞楽

前回に引き続き、山名神社天皇蔡より八段舞楽をご紹介いたします。

4番目「獅子の舞

ハ初児と同様にお祓いやお清めの意味を持ちます。

始めは口の開いた阿形(あぎょう)の獅子が一人で舞いますが、
最後に口を閉じた吽形 (うんぎょう) の獅子が加わり、
阿吽の二人獅子の舞になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4番目の「獅子の舞」の後1時間45分の休憩を挟んで
周囲はもう真っ暗の中、
5番目の「迦陵頻(かりょうびん)の舞」が始まりました。

天竺の祇園寺供養に舞い降りたという霊鳥の舞です。
京都の祇園祭では稚児四人によって舞われますが、
ここ山名神社では一人舞いです。

霊鳥というより天女を髣髴(ほうふつ)させるとても優雅で
幻想的なな舞で、
森町に伝わる舞の中で飲兵衛が最も好きな舞です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


山名神社八段舞楽(その1)

2021-07-19 00:00:01 | 舞楽

浜松市の東隣・周智郡森町には国指定重要無形民族文化財の
三つの舞楽が継承されています。

前回ご紹介いたしました四月始めの天宮神社・十二段舞楽と
五月始めに行われる小国神社の十二段舞楽は両者共によく似て
います。

他方、七月中頃に行われる山名神社天王蔡・八段舞楽は、前者とは
異なり、動物などをテーマにしたとてもユニークな舞いです。

六番目の「龍の舞」では奉納殿の柱によじ登り逆さまになって上体を
煽るアクロバットだったり、
七番目の「蟷螂の舞」(カマキリの舞)は日本全国でここ山名神社
にのみ伝承されてきた舞いです。

それでは、
月17日(土)に日行われました山名神社八段舞楽より、
一番目の「八初児(やつはし)の舞」より順次アップいたします。

八初児と呼ばれる鞨鼓(小鼓)を身に付け、覆面をして舞うお清めの
舞いです。
頭や顔を覆面で覆うのは疫病から身を守るためだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて二番目の「神子(みこ)舞」です。
神子(巫女)は祓い清めを職掌することから、八初児に続いて
舞います。
八段の中でも重要な舞いであったと考えられています。

 

 

 

 

 

 

 

 


三番目「鶴の舞」。
京都祇園蔡では神様の使いとして真っ白な鷺が舞われていますが、
山名神社では雄雌番(つがい)の鶴が神様の使いとして舞われて
います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


天宮神社十二段舞楽(その3)

2021-04-15 00:00:01 | 舞楽

天宮(あめのみや)神社では
「田心姫命」(たごころひめのみこと)
「湍津姫命」(たぎつひめのみこと)
「市杵嶋姫命」(いちきしまひめのみこと)
の三柱の女神様が祀られています。

天照大神と素戔男(すさのお)命とが天の安河で誓約のとき誕生され、
宗像大神と称されます。
およそ千五百年前に筑紫国宗像から神霊を迎えて斎(いつ)き祀ったと
伝えられています。

 

 

こちら本殿では小学校低学年のお嬢さん達4名の「乙女の舞い」や、
小学校高学年のお嬢さん2名による「浦安の舞い」が奉納されました。

写真を撮られている方もいましたが、部外者の飲兵衛本殿での撮影は
遠慮しました。

 

 

 

それでは前回に引き続き十二段舞楽より

十番「抜頭」(ばとう)
当日は稚子の「一人舞い」でした。
翌日は「座頭の坊」と称する子供と大人の争うさまを舞うそうです。

 

 

暗くなりシャッター速度が落ちて来たため、こうしてパソコンで見ると
この辺りから被写体ブレが
出始めていました。
ヘボ飲兵衛、撮影時には気付かず、
もうトホホホです。

 

 

十一番「納蘇利」(なっそり)
裲襠装束で恐ろしい緑色の面をつけ桴を持って舞います。
その動きは活発で「走りもの」と呼ばれています。

神社によっては、女性や少年少女が舞う場合もあり、
その場合は、舞楽面を着けずに山吹の挿頭花を挿した前天冠を着け、
歌舞伎舞踊と同様の舞台化粧をする場合があるそうです。

 

 

 

 

 

 


十二番「獅子」
俗に”獅子伏せ”と言います。
悪魔払いとも五穀豊穣の祈りとも伝えられる祝儀舞です。

大きな榊を持って登場。奉納殿を清めます。

 

 

周りはもう真っ暗。
普通の撮影ではブレブレになるので、
ストロボ嫌いの飲兵衛も止むを得ずストロボを使用しました。
ストロボ効果で動きがピタリと止まって画面が鮮明、
もっと早めに使えば良かったと大反省です。

 

 

そして獅子退治。
獅子退治を終えた武人が半紙で鼻をかみ、その紙をばら撒き
ます。
それを拾った人は今年一年無病息災といわれ、大勢の観客が押し
寄せましたが、
残念ながらその場面は撮り損なってしまいました。

 

 

 


天宮神社十二段舞楽(その2)

2021-04-12 00:00:01 | 舞楽

皆さんは時代劇や浪曲などに登場する「森の石松」をご存知でしょうか。

天宮神社で舞楽十二段が奉納された日に、この天宮神社の境内で迷子
になった
7、8歳の森の石松が、森の五郎親分に拾われて、
神社門前の旅館新屋の養子になったと伝えられています。

成長した森の石松は、幕末から明治時代にかけて東海道一の大親分
と呼ばれた、清水次郎長の子分となりました。

それでは前回引き続き天宮神社十二段舞楽より、

七番「安摩」(あま)
紙の仮面に巻纓の冠を被り狩衣に笏を持って舞います。
楽器は太鼓と鉦鼓で、唱歌により拍子をとって舞います。
本来二人舞ですがが天宮神社では一人舞でした。

 

 

 

 

 

 

八番「二の舞」
安摩の答舞で、安摩に引き継い
て舞います。
番舞(つがいまい)で翁媼(爺さん婆さん)が安摩の真似をコミカル
に演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

九番「陵王」
中国南北朝の時代、華北で北周と覇を競った北斉の蘭陵王の舞いです。
蘭陵王は美しすぎて兵士の士気を下げてしまうため仮面をつけて戦った
と伝えられています。

ちなみにドラマ「蘭陵王」は現在無料動画GYAOで配信中です。
https://gyao.yahoo.co.jp/feature/press/drama/890512/

 

 

 

 

 

 

 

 

 


天宮神社十二段舞楽(その1)

2021-04-08 00:00:01 | 舞楽

4月3日(土)、浜松市の東隣、周智郡森町・天宮(あめのみや)神社で
十二段舞楽(国指定重要無形民族文化財)が行われました。

森町には当・天宮神社の十二段舞楽の他、小国神社の十二段舞楽、山名
神社の八段舞楽と三つの舞楽が国の重要無形民族文化財に指定されています。
人口約1万人の小さな町に三つもの国指定重要無形民族文化財が存在する事
は本当に素晴らしいことです。

ところで天宮神社の十二段舞楽はネットでは午後の3時半始まりと記載され
ていましたが、実際は2時間早く1時半から始まり、
飲兵衛が着いた時にはすでに4番までが終了していました。

それでは

五番「太平楽」(たいへいらく)
乱世を正すというめでたい舞です。
俗に”太刀舞”と呼ばれ、子供4人鳥兜に裲襠装束で勇壮華麗に舞います。

 

 

 

 

 

 


舞の最後に一人残り「太刀の一人舞」を演じます。
この「太刀の一人舞」は京都では既に消滅した古式の舞で、ここ森町の天宮神社と
小国神社に奇しくも継承されていた希少な舞いです。

両神社の十二段舞楽が国の重要無形民族文化財に指定された所以であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて

六番「新靺鞨」(しんまか)
舞人は子供4人で樺色の布衣を着けて舞います。
渤海の靺鞨国の儀礼をあらわした舞とされます。

 

 

 

 

 


山名神社天王祭「八段舞楽」

2020-05-18 00:00:01 | 舞楽

浜松市の隣・静岡県森町は人口約一万人の小さな町ですが、
天宮神社十二段舞楽、
小国神社十二段舞楽、山名神社八段舞楽と3つの舞楽が
伝承されていて、それぞれが国の重要無形民俗文化財
に指定されています。
今日はその中から山名神社天王祭舞楽八段をご紹介いたします。


まず最初は八撥((やつばち)。
二人舞。日・月一対の天冠をかぶり、顔は鼻から下を頭巾で隠します。
腰には鞨鼓をつけて両手に撥を持って舞います。
場を清める拔いの舞といわれています。

 

 

 

 

神子舞(みこまい)
一人舞。鳥居と太陽が彫られた天冠をかぶり、女性の面をつけています。
夕顔の打掛を着て、右手に鈴、左手に扇を持って舞います。

 

 

 

 

鶴(つる)
二人舞。一対の鶴の頭をつけます。
頭の周りには赤熊(しゃぐま・赤く染めたヤクの尾の毛)がついています。
15枚の舞羽を背中につけ両手の指をかけて、舞羽を広げたり畳んだり
して舞います。

 

 

獅子(しし)
二人舞。一対の獅子の頭をつけます。
頭には赤熊がついた珍しい形をしています。

 

 

迦陵頻(かりょうびん)
極楽浄土に住むという人面鳥身で美声を持つ霊鳥です。

元来は童子四人による舞いなのですが、
こちらの山名神社では若い女性の面を付けた一人舞いで、
霊鳥というより天女のイメージが感じられました。
飲兵衛,、山名神社の舞楽の中ではこの舞いが一番好きですね。

 

 

 

 

 

 

蟷螂(とうろう)
一人舞。カマキリのかぶりものをかぶり、 
背中には4枚の舞羽がついています。
カマキリの鎌は手に持ったひもで動かします。
全国でもここでしか見られないとても珍しい舞です。

 

 

この後、龍(りょう)、優填獅子(うでんじし)と舞いは続くのですが、
飲兵衛神社境内に入ってきた屋台に気を取られて、撮り損なってしまい
ました。
もうトホホホです。