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つづきから……
短気で気の強い私のオフクロ。
でも、そんなオフクロは本当に辛抱強く婆ちゃんの介護を続けていた。
寝たきり老人の介護。
婆ちゃん:
「マ〜ちゃ、マ〜ちゃ。。。」
うめき声のように、毎日、婆ちゃんは何度もオフクロを呼ぶ。
オフクロ:
「もう( ´Д`)=3
今度は何?」
そう言いながらも、
オムツを取り替えたり、婆ちゃんを車椅子に乗せて自宅近くを散歩したり。
スプーンを使ってお粥を食べさせたり。。。
そんな毎日を送っていた私のオフクロ。
そんなオフクロがある日、
私に妙な事を言ってきた。
オフクロ:
「あのさ、
婆ちゃんさ、変な事ばかり口走ってるのよ。」
私:
「何が?」
オフクロ:
「ヒロが、ヒロが……
女に騙されて………
家が取られちゃう……」
……て。
婆ちゃんが言うのよ。何回も、ずっと。
私:
「なに???
それ?
ヒロ叔父さん、とっくに死んでるし。」
オフクロ:
「いや、
そうなんだけどね、
何回も婆ちゃんそんなこと言うからさ。気になっちゃってさ………」
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数日後……
私は知らなかったけれど、オフクロは姉であるセツ叔母さんを連れて、二人でノリちゃんが一人で暮らしている和菓子屋へ様子を見に行っていたようだった。
すると!!
そこでは思いがけないことが起こっていた。
和菓子屋。そこはオフクロの実家でもあり、婆ちゃんと爺ちゃんが共に建てた家。
とんでもない事が起こっていた!!
家の外に出された古びた厨房機器。テーブルの数々。
それらを、業者らしき人たちが運び出していた。
オフクロはすぐにその業者に声をかけた。
オフクロ:
「な、なにをしてるんですか!?貴方たちは。
ここは私の実家で、私の甥っ子がまだここには住んでいると思うんですけど!!!」
業者:
「あー、そうでしたか。
この物件は売却されたんですよね。数日前に。」
オフクロ:
「は?
はい???」
そこにはノリちゃんの姿は無かった。。。
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この事を、帰ってきたオフクロから聞いた私は、
「霊感……って、ホントにあるんだな。」
……などと、妙に呑気に考えてしまった。
つづく………