昼までの半日仕事を終え、会社から程近い場所のフィールドへ向かった。
そこは昨日釣行した渓流よりも広い中規模河川。本流というにはやや狭く、かといって渓流タックルでは少し心細い感じの中流河川。
6フィートぐらいのロッドがあればちょうどいいのだけれど、私は残念ながら持っていない。仕方ないので今回は昨日使用したイトウクラフトのカスタム510ULXに頑張ってもらうことにした。
前日の釣行とは異なり、脚で稼ぐ釣り……というよりも、どちらかと言えば「ここぞ」という場所をチョイスして、そこで粘るような感じの釣り。
暫く粘ってみてダメそうなら撤収。
仕事帰りにはちょうど良いポイントだ。
春先にはすんなりと行くことができていた岸辺、雑草がいつの間にか私の背丈よりも伸びている。掻き分けながらの薮こぎをしてようやくポイントに到着。
前日の雨の影響もあるのか、普段よりも水量はやや多め。瀬の水深は約1m~1.5mといったところか。
ラインに結んだルアーは少しでも飛距離を稼げ、尚且ボトム付近も探ることが可能なヘビーシンキングミノー。
イトウクラフト蝦夷50S typeⅡ。
川幅はおよそ20m~30m、なんとか対岸まで届く感じ。
1投目。
ややアップクロス気味にキャスト。そこから若干糸フケを出し、ナチュラルにルアーを流れに乗せながら送り込む。私の立ち位置より20mほど下流までルアーをドリフトさせ、そこでルアーをターンさせる。ルアーが反転しスイングを始めると同時にロッドが絞りこまれた。明確なバイトは感じ取れなかったが、根掛かりのような重さを感じた後にグイグイと首を振った。
「ズッ、ズズッ」
お世辞にもスムーズとは言えないカーディナルのドラグからラインが少しずつ引き出されてゆく。
「で、デカイ💧」
ドラグの調整は強すぎず、弱すぎずといったところ。PE0.8号、リーダーはフロロの5ポンド。どんどんラインが引き出される。
いくらエキスパートカスタムといえど、私よりも20mほど下流、流速もあるかけ上がりで必死にもがいている巨体を強引に引き寄せられるようなタックルではない。しかもリーダーは5lb、ムリなファイトをすれば簡単に切られてしまう。
ロッドを折られないように気を配りながらの長期戦。幸い障害となりそうな石などが無さそうな場所だったので、下流でもがいている魚との根比べのファイトを5分、いや3分ほどしただろうか。
いわゆる"沖殺し"というやつだ。
暫くすると、さっきまであれほどドラグからラインを引き出し暴れていた魚はおとなしくなり、リトリーブするとすんなりと私のもとへ寄ってきてくれた。
私の背中には渓流用のランディングネットをぶら下げているが、どうやらコイツには役にたちそうにない。魚を暴れさせないようにゆっくりと近くの浅瀬へそのままランディング。
酸欠状態、私との根比べで力を使い果たしたのか、まさに"死んだ魚の眼"をして気絶気味のレインボー。
急いで蘇生処置を施した。
「ナイスファイト、ありがとう。」
魚に水を送り込み呼吸を整えさせると、先ほどまで"死んだ魚の眼"をしていた眼が生き返った。
幸い、そのままおとなしくしていてくれたので、そのまま何枚かの写真を撮らせてもらった。
外的から受けたとみられる傷が背中にはあったものの、ヒレの欠損などまったく無く、見事なプロポーションのレインボーだった。
私は普段から釣った魚にメジャーを当てて計測することがあまり好きではない。なのでランディングネットの内径を目安に目測で計っている。因みにネットの内径は31.5cm。
しかし、今回のこいつはそういう訳にもいかないようだ。仕方なく手持ちのメジャーで計測してみると57cm。
撮影後、もう一度浅瀬で呼吸を整えさせてからスーパーレインボーにはお帰り頂いた。
昨日はイワナとヤマメに遊んでもらい、今日は巨大なレインボーに遊んでもらった。
楽しい週末だった。
★タックル
ロッド: イトウクラフト エキスパートカスタムEXC510ULX
リール: Abu カーディナル3BP
ライン: PE0.8号
リーダー: フロロ5lb
ルアー: イトウクラフト 蝦夷50S typeⅡ