「たまには、休肝日ぐらい作らないとな………」
今から約3年前、アルコールでスリップした私。
3年半の断酒、しかしスリップ。
それからというもの、ほぼ毎日の晩酌が止まらない。
陽が高いうちから飲酒するようなことはないけれど、仕事が終わり、帰宅してシャワー。
そして、ほぼ毎晩の飲酒が続いている。
翌朝
体調が優れず、持病の上咽頭炎、鼻炎もあり激しい鼻詰まりと咳込みが止まらない早朝が繰り返される。
でも、仕事をしながら昼頃になってくると、ケロッと朝の苦しみが止む。
これは、明らかに前日の飲酒がもたらす副作用であることは自覚しながらも、その毎晩の飲酒を止められない自分。
「なんとかしなきゃな、コレ………」
◆◆◆◆◆
お酒無しの夜を過ごす事。
これに対し、今の私にとって1番の不安は、「果たして眠れるのか?」
……ということ。
その不安を少しでも和らげてくれるのが、
「眠剤」
私の場合は「一般的には軽めの睡眠薬」とされている"ルネスタ2mg"が処方されていた。
けれど、その眠剤も、切れて無くなっていた。
◆◆◆◆◆
かつて、
今から約6年前。
酒とスロットに溺れ、私が3ヶ月間の入院をしていた精神科、閉鎖病棟。
今日は外来患者として、1年ぶりにその病院へと脚を運びました。
約1年ぶりに訪れたその病院。
コロナ禍は相変わらずなので外来入口では即席の検温と、アルコール消毒が一年前と変わらず行われていた。
「いつまで、こんなことやってんだかな……」
検温を済ませ、少しため息混じりで病院へと入った。
受付ロビー。
診察券の有効期限、あまりにも期間を置きすぎてしまっていたせいなのか、予約無しで突然来院してしまった為か、受付に少し時間がかかってしまったけれど、なんとか受付を済ませることができた。
久しぶりに会う、精神科外来。窓口に居た看護婦さんに受診票を手渡した。
看護婦:
「しばらく来ていらっしゃいませんでしたよねー〇〇さん。
今日はどうされましたか?」
看護婦さんに事情を説明すると、
看護婦:
「そうですか。
でも、今日は1時間ほど待ちますよ、いいですか?それでも?」
私:
「構いません。久しぶりに先生にも近況報告したいので。」
◆◆◆◆◆
約1時間半ぐらい待った……
久しぶり、
約1年ぶりに、アルコール依存症の主治医と対面した。
1年ぶりに会った先生は髪がボサボサだった。
私:
「お久しぶりです、先生。
だいぶ、髪が伸びましたね。」
先生:
「いや、髪ね〜💧
散髪へも行きたいんですけどね。感染が怖くてね、ハハ。」
私:
「そうなんですか?
でも、先生は、毎日、こうして何人もの人たちと毎日対面して診察してらっしゃるじゃないですか。大丈夫なんてすか?こうして会って話をしてるのは。」
先生:
「いや、今はこうしてマスクもしてるからね。気分的に散髪は怖くてね。ハハハ。」
「ドクターが何言っちゃってるのよ。」思わず苦笑してしまった。
◆◆◆◆◆◆
それから、
そのドクター(私の主治医)に私の近況を話し、薬(眠剤)を処方してもらいました。
主治医:
「無理に断酒をしようとしなくてもいいと思いますよ。はい。
いや、
もちろん断酒するのほうが、それが一番いいんですけど。
ね、
とりあえずは、ね。
先ずは休肝日。
それ、大事ですから。
薬、
じゃ、また出しておきましょうか。ルネスタ。」
こうして、約15分間の主治医との対面が終わりました。
◆◆◆◆◆
精神科外来、待合室。
診療明細書、処方箋受付票を待っていると、先程の外来看護婦さんが診察と会計票などを持って来てくれました。
精神科外来看護婦:
「○○さん、
今度は、
また、
1年後……ですかね?
それまで、
お大事にしてくださいね。」
といって、私に診察券を手渡し、去っていった。
◆◆◆◆◆
1年に一度だけしか来院しない患者。
けれど、
そんな患者にも、軽いジョークを交えながら、こんな私のことを覚えていてくれたことに感謝。
病院を後にしました。
◆◆◆◆◆
コロナ禍。
かつては自助グループであるAA(アルコホーリクス・アノニマス)、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)に通っていた私。
共通する問題を対面し語り合いながらも、自分自身の問題を一方通行で話す場所。
彼らは、今、
どうしているのだろうか………