くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

スリップ⑤ (狂気の沙汰)

2020-06-28 17:53:33 | 日記






◆◆◆◆◆◆








海辺でのスリップ……………











ここまで、自分なりに頑張ってきた3年と8ヶ月が水の泡………











この日、
釣果にはソコソコ恵まれたものの、憂鬱な気分だった。。。




AM:8:30
釣りを終えた頃には、
昨晩飲んだアルコールはすっかり抜けていた。








けれど、
その時の私にはきっと、"正常な判断力" というものが欠けていたのだろう。









私がいつも行く海岸。
その海岸線には、いくつものパチンコ店がひしめきあっている。





釣りを終え、帰宅準備をしながら、




「結局、スリップしちまったな……

どうせ、いつもオレはこうなんだよな………



この際だ!
今日はスロットも解禁…………ってか。。。」





フッと、そんな思いが頭をよぎった。









この海岸は毎年何度も訪れている地域ではあるけれど、
断酒、断ギャンブルを実行してきたこの3年半は、店の前を通っても当然スルーしてきていたパチンコ店。


2019.10月某日、AM:10:00前
この日、
釣りを終えた私は、パチンコ店の駐車場にいた。
いままではずっとスルーしてきていた店の前で、その店の開店を待っていた。







"自暴自棄"




「もう…………

どうでもいいや、AA、GAなんて…………

今のこのモヤモヤした気持ちを解消できるなら、それで気が紛れるならば、パチンコでもスロットでも、何でもやってやるさ。」




そんな思いに駈られていた。







さほど繁盛している様子もないパチンコ店。
私は車の中から、開店と同時に入場してゆく人たちを眺めていた。



肩を丸めながら、うつむき加減で入って行く老人の姿。
その後ろには、前の老人とまったく同じような表情をしながら店に吸い込まれてゆく老夫婦の姿。





その人たちを車の中からボーッと眺めていたら、

突然、
今年中学生になったばかりの息子の顔が、私の頭の中に浮かんできた。









自分に問いかける。
「それで本当にいいのか?オマエ。



また、
あんなようになりたいのか?



4年前みたいに戻りたいのか?オマエ。



それで息子に会えるのか?」










ハッ!とした。









私は、
間一髪で入店を踏みとどまった。








これが
"狂気の沙汰"
ってヤツなのかな。








モヤモヤした気持ちはまだ治まってはいなかった。。。









けれど、
私は帰路に向けて車をひたすら走らせた。











一切のギャンブルから身を退いて4年以上経過した。




しかし、




まだ私の"断ギャンブル"は、

相当危うい。







25年間断酒をしたの男の話

2020-06-26 21:23:22 | 日記
私が現在、
スリップをしているのか?




それとも、
再び断酒の路を歩いているのか?……………はともかく、











私には気になる人がいます。






それは、




ビックブック(書籍アルコホーリクス・アノニマス)に登場してくる「一人で断酒を25年続けた男。」






"アルコホーリクス・アノニマスP48より抜粋"






ばか飲みを繰り返していた三十歳の男の話である。
深酒をした翌朝は神経がひどくいら立って、朝酒をあおることでそれを抑えなくてはならなかった。彼には仕事で成功したいという野心があったが、少しでも飲んでしまえばそれは不可能だとわかっていた。
いったん飲みだしたら最後、まったくコントロールというものが利かなくなってしまうのだ。

そこで彼は、
「自分が一旗あげ、退職するまでは一滴も酒を口にしないことを心にきめた。」
この男は見事に二十五年間断酒し、仕事で全面的に成功をして多くの人から尊敬を受け、五十五歳で退職した。」

そうして彼は、どのアルコホーリクもが陥る考え、つまり、これだけ長いこと断酒してきたのだし、自分を鍛錬して自制してこられたのだから、もう人並みに飲めるだろう、という考えの罠に落ちた。

そうして彼はくつろいで室内履きを履いてボトルを持ち出した。

二ヶ月後………
彼は当惑し、傷ついた自尊心を抱いて病院にいた。
彼はその後何度か病院を出入りしながら、しばらくは節酒の努力もした。
次こそは、あらゆるちからを絞って一気にやめようとするのだが、できなかった。金で買えるものは、どうにでもなった。だが何をしてもうまくいかなかった。退職したときにはあんなに元気だった彼は、急速に衰えていき、四年もしないうちに亡くなった。








私的には、


自力で、25年もの間、断酒をしてきているのであるならば、

それは、それで、





その人の人生なんだから、




"アリ"なんじゃないんですかね?









…と、個人的には思ってしまったりも、するんですけど。








25年間ですよ……
しかも、自力で……
……ですよ。









この人って、
本当にアル症ですか?って話ですよ。








ま、でも、








AA的には、







ダメなんでしょうね、
こういう人って。



やっぱし。







ダメな見本で出てますし………:(^_^;)





スリップ④ (泥の舟)

2020-06-23 18:43:57 | 日記









◆◆◆◆◆◆◆










海でのスリップ。

自分自身が思っていた以上の後悔。





「これからオレはどうなるんだろう……………」





先の見えない不安がつきまとっていた。








母と弟(次男)、また友人たちは、




「まぁ、しょうがないよ。たまにならいいじゃん。」


………と言ってくれた。








しかし、
今から四年前、私が人生のドン底に立った時、
一番世話になった弟(三男)の言葉は違っていた。






弟(三男)
「いや、兄ちゃん、
それってさ、
ただ事じゃないよ。

分かってる?」





弟(三男)と電話で暫く話をした。
その弟は、私と同じ、"ギャンブル依存症者"


今でもGA(ギャンブラーズ・アノニマス)に通っている???
自称幽霊メンバー。
断ギャンブル9年目のGAメンバー。



でも、
今でも私にとって、その弟(三男)はGAのスポンサー的存在でもある。






弟(三男)
「とりあえずさ、
AA言って報告しておかなきゃダメじゃね?」











そう弟に促され、私は久しぶりにAAミーティングの扉をノックした。








2019.10下旬
約半年ぶりに私はAAミーティングに出席した。



仲間:
「いや、"ちぃ~暴さん"
お久しぶりです。
元気でした?」



私が通っていたグループは、出席者が6~10名ほどだった。
半年ぶりに出席してみたけれど、メンバーはほとんど変わってはおらず、増えもせず、減りもせず、……のような状態が続いているようだった。






定刻を迎え、ミーティングが始まった。


ビックブック、
序文、
何ヵ月かぶりに読んだ。






そして、
私は集まっていた仲間たちに、3年と8ヶ月ぶりにビールを飲んだこと、そして、自分自身が思っていた以上の後悔が押し寄せてきていること。
これから自分自身が、これから先

「本当にお酒を絶って自分は生きていきたいのか?
本心は自分で解らなくなっている現状。」




………などを聞いてもらった。






みんな真剣に私の話に聞き入ってくれた。
自分の身にも、いつ起こるか解らない、そんな様子で私の話を聞いてくれている様子だった。








仲間たちとの"共感を"久しぶりに味わったような気がした。
















ただ、


一つだけ、


一つだけ、私と仲間たちとの違いは…………








彼らの立っている地盤(基礎)と、



今、私が立っている地盤(基礎)が、





まったく別な物に変わってしまったこと。。。








例えるなら、





彼ら(仲間)たちが今乗っているのは、頑丈なロープで固定されている丸太の筏(イカダ)。





それに対し、






今私が乗ろうとしているのは、






自分でなんとなくペタペタと固めてみた、






"泥の舟"








スリップ③ (安堵)

2020-06-21 17:37:01 | 日記
2019,
昨年10月の下旬、私は海釣りに出掛けた。
その夜、アルコール依存症者である私は、3年半ぶりにアルコール(ビール)を口にした。







◆◆◆◆◆◆







海からの帰り道。
私はいてもたってもいられず、帰りの道中にあったコンビニへ車を停めた。

そして、(私の弟)次男へ電話をした。




弟:
「もしもし、なに?」






私:
「あ、あのさぁ。
オレ、今日、ってか昨日の夜から海釣りに来てるんだよね。」





弟:
「ふーん。
いいじゃん。

で?
なんか釣れたの?」







私:
「いや、
その、

実は昨夜、
呑んじゃったんだよね、ビール。」








暫しの沈黙…………………








弟:
「ふーん。
そうなんだ。



呑んじゃった………か。」







弟:
「ま、


いいんじゃね?」







私:
「魚、食いきれないからお前の所へあとで持ってくわ。」







弟:
「了解。
待ってるわ。」









電話を切った。








自分の中にあったモヤモヤした感情が、弟と会話をしたことにより、スーっと消えていった感覚を今でも覚えている。









………約2時間後、

弟の家に到着した私は、今回のことの経緯、今まで思っていたアルコール依存症者としての思いを弟に話した。




弟:
「ま、
今回呑んじゃったのは仕方がないし、別にオレは怒ってもいねーけれど、問題はこれからのアニキの行動次第ってことじゃねーかなぁ。」









私:
「だよな。」







…………その日…………
弟の家を後にしてから、暫く顔を出していなかった母が暮らす実家にも顔を出すことにした。








できるだけ、
早めに、

今までに酒で心配をかけてしまっていた人たちには、
今回私がスリップしてしまったことを伝えておきたかった。








母の暮らす実家は先程までお邪魔していた弟のウチから車で20分ほどの場所にある。、

母のウチに到着し、今朝釣ってきたばかりの鯵を調理した。


















久しぶりの実家。
母と二人で食事をしながら、私は母にスリップしてしまったことを切り出した。




弟に話したことと同様の話を、一通り母に話すと、母は静かに一言、








母:
「いいんじゃない。

そりゃ、
たまにゃ飲みたいときもあるでしょう。



お母さんは、
未だにおまえがアルコール依存症だとは思ってはいない。



………ただ、
ギャンブル(パチンコ、スロット)だけには手を出してはほしくない。
そこで大きく負けたり、生活が成り立たないまでになってしまうと、
お前は酒の力に頼るしかなくなってしまう。



弱いからね、お前は。






お母さんはそう思っているから、酒は辞められるのであればやめればいいし、辞められないのであるなら今は無理してまで辞めなくてもいい。





パチンコ、スロットだけはダメ。





お前は、
アルコール依存症……ではなく、
ギャンブル依存症者だからね。


覚えておきなさい。」





そう一言だけ、母は私に告げた。











それは、



私にとって救いの一言だった。












だが、







本当に私はアルコール依存症者ではないのだろうか?





この答えは、





暫くしてから、









私が、

この身をもって、
知ることとなる…………………











④へつづく

スリップ② (見えない不安)

2020-06-21 11:35:09 | 日記
1350日ぶりのビール。


それほど旨いという感じはしなかった。




「こんなもんか……………」
そんな感じだった。



2本めを「プシュ!」っと開けた頃にはアルコールが脳内にまで達していたのだろう。
昔は毎日味わっていた、あの「ポーッ」っとする感覚が甦ってくる。

そんな感覚を感じながら、FMラジオから流れてくる真夜中の番組"ジェットストリーム"をずっと聴いていた。






心地いい時間だった。







狭い車内にも関わらず、私はいつしか眠りに堕ちていった。











・・・・明け方・・・・




時刻はAM4:30


猛烈なダルさが身体を包む。。。
まだ酒に対する耐性もできていなかったのだろう。
吐きまではしなかったけれど、胸のムカムカ感、足腰の倦怠感が止まらない。




けれど、
朝のマズメ時間帯のチャンスを逃すまいと、釣りの支度して、必死でサーフまでへ歩く。



時合いは二時間ほど。
ライトショア用のタックルを使い、約40gのメタルジグを海に向かって二時間ほど投げ続けた。





釣果は大したことはなかったが、それなりにお土産にできそうなデカイ鯵とシマアジ(ショゴ)、サゴシが今日の戦利品となった。








釣りはやっぱり楽しい。




でも、
いつもとはなにかが違う。








ウェーダーを脱ぎ、帰りの支度をする 。
ここより約100キロ以上離れた自宅へ向けてのロングドライブ。








昨夜は飲む気満々、スリップする気満々でビールを呑んだ。











この帰り道、
突然、猛烈な後悔と不安が私を襲ってきた。





形はよく解らなかったけれど、今日までの日々、自分の中で積み上げてきた何かが、音をたてながら崩れてゆく感覚。






誰かにこの事実を、一刻も早く、打ち明けなければ………












そう思いながら、私は自宅へ向けて車を走らせた。










③へつづく