今日は土曜日。
私にとって、唯一の休日。
釣り。
一応、行ってきましたよ。
この前、平日に釣り上げた39cmのヤマメ。
それに満足してしまったのか、今週は目的地のチョイスがなかなか出来ませんでした。
「今週は止めておこうか………」
そう思っていたのに、嫌でも休日には起きてしまう。
いつの間にか、そういう歳に私もなってしまったようです。
車を走らせ、5時に現着。
でも、やっぱり乗り気でない時には、何をやってもダメですね。
尺はありそうな山女魚がバイトしてきましたが、甘噛、啄むようなバイトを逃しバラし………
「今日は何をやってもダメな日だな、きっと。
帰ろう。。。」
チビ山女魚は何匹か相手をしてくれたけれど、今日は早々に退散し、帰宅しました。
◆◆◆◆◆
先日、
会社の健康診断があり、病院にいってきました。
問診票を受付に渡すと、1345番と書かれている受診票を受け取る。
そこからは、
看護婦による問診票を見ながらの事前診断、レントゲン、採血、聴力視力検査、採尿、心電図……と流れ作業が行われた。
ま、毎年あることなので慣れてはいます。サクサクと終わらしていきます。
問題だったのは………
最後にあった医師による検診。。。
◆◆◆◆◆
どこの健康診断でも似たようなものかもしれませんが、一通りの項目をサクサクと済ませても、渋滞するのが、やっぱり最後にある、「医師による検診」
今回もそうでした。
私よりかなり早めに回っていた我社の社長、奥さんである常務もこの渋滞にハマっていた。
30分ほど経過………
社長と常務の順番が終わり、ようやく私の番が回ってきた。
看護婦:
「1345番の方、お入りください。」
私は検診医師のいる部屋に入った。
中に入ると、白髪混じりのオールバック、70歳くらいのメガネをかけた医者が椅子に腰掛けていた。
医師:
「はい、〇〇さんね。どうぞ、座って下さい。」
私は医師が言うように、対面する形で椅子に腰掛けた。
目の前にあるスクリーン。パソコンのモニターを見入る医師。
先程、血液検査を済ませたばかりなのに、今では30分ほどで結果が分かるらしく、医師はその血液検査の数字を見ている。
問題のある箇所には【H】と表示されるのは、皆さんもご存知の通り。
やはり今回も、当然のように私の血液検査は、肝機能に【H】が表示されていました。
◆◆◆◆◆
白髪、オールバック、メガネ。
推定70歳ぐらいの医師は画面を見つめ、こう話を始めた。
医師:
「うーん。
肝機能に問題があって……何々???
6年前に入院?していた。ほほう。」
(事前にあった看護婦による問診で、私はかつてアルコール依存症で他の病院に入院していた経験があることを話していました。)
医師:
「やっぱり、肝臓が良くないんだよなぁ……コレ。
お酒はどのぐらい飲むの?」
私:
「今は、ビール500ml一本、それと7%の缶チューハイを500ml一本ぐらいです。
退院してから3年と8ヶ月、断酒していました。
でも、スリップしてからはほぼ毎晩、晩酌してます。。。」
そう私が医師に話すと、医師は面白い事を話し始めた。
医師:
「ス、スリップ???ってなんだ!?」
当然、その言葉ぐらいは医師ならば知っていると思って私は話したけれど、どうやらこの目の前にいるドクターは「アルコール依存症」ということをよく知らない医師のようだった。
私:
「スリップというのは、簡単に言うと断酒に失敗し、飲んでしまった……というようなことです。」
医師:
「そ、そうか。貴方が入院していた病院ではそういう言い方をするのか。」
私:
「いえいえ(^_^;)
どこの病院でも、多分精神科では言ってると思いますよ、先生。
私も、未だにアルコール(酒)に関しては問題があると自分で自覚しているので、当時入院していた精神科の主治医、N先生の所へ半年に一度ぐらい顔を出してます。」
医師:
「そ、そうか。
そのN先生ってのは…
有名な人なのか???
ん?」
私:
「いやいや💦
有名かどうかは分かりませんけどね。
私が昔からお世話になってる先生です。」
椅子から前屈みに私に聞いてくる医師の姿が面白く、思わず私は吹き出しそうになってしまった。
パソコンの画面を見ながら、カタカタとキーボードを入力する医師。
その画面には「アルコール依存症」と打たれていた。
チョット心配になった私は医師に訪ねた。
私:
「先生、そのパソコンに打ってるヤツって、結果表みたいな形で会社に送られてきたりしませんよね?」
医師:
「いやいやいやいや。
これはオレのメモみたいなもんだ。大丈夫、大丈夫。心配するな。」
私:
(ホントかよ(-.-;))
わたしがそう思っていると、その医師は思わぬ事を話し始めた。
医師:
「依存症か。
依存症ってのはな、怖いぞ。
オレな、前に覚醒剤の犯罪で、刑務所に入ってる人たちのさ、話を直接聞いたんだわ。
一日中、それ(覚醒剤)止めるための勉強みたいなことさせられるんだわな。一日中だぞ。」
私もかつて、
アルコール依存症で入院していた頃には、ARP(アルコール、リカバリー、プログラム)なるものがあり、1日に数時間、勉強したことがあった。なので、なんとなく想像できた。
すると、
急に屈みこみ、小声で医師は私にこう話しかけてきた。
医師:
「それにな、
ココだけの話だぞ。
俺な、昔の知り合いに、覚醒剤勧められたこともあるだわ。
もちろん断ったけどな。」
そんな話を医師としていたら、看護婦が医師に耳打ちするように入ってきた。
医師:
「早く終わらせろ。って言われちゃったわ💦
じゃ、胸の音聞こうか。
ヘソから上に上着上げて。」
聴診器を私の胸と背中にあてる医師。
特に問題はなさそうだった。
再び、医師は話を始めた。
医師:
「3年と、8ヶ月か。
そりゃ勿体ないな。
どうして、また呑み始めちゃったの?」
私:
「3年8ヶ月……酒を断って、肝臓の数値も正常値まで下がり……
ふと……「少しぐらいならいいかな。」って思ってしまって、海釣りの車中泊の時にビールを買ってしまいました。
当時は断酒の為にAAにも通っていたりしましたけど。」
医師:
「AAか。AAは俺も知ってるよ。
自助グループだろ?
釣り、やるのか?
川か?海か?
オレもやるんだよ!釣り。
ブリとか、マグロとかな。」
私:
「川、海、両方やりますけど、川がメインです。
先生はジギングですか?
重たいルアー、底まで沈めて、ガンガンとしゃくるヤツですですよね?」
医師:
「いやいやいやいやいや。
そんなしんどいヤツ、やらないよ。
置き竿にしたままの釣りだ!
ジギング。
そりゃ疲れるからな。
俺はやらんよ。」
ここで、
また看護婦が2度目の登場。
医師:
「おい、
また早くしろ!!って言われちゃたわ。
ま、貴方の話はもっと聞いてやりたいところだけど、また今度にしておくか。
ま、アルコールは30gまでにしておけよ。
忘れるなよ。
30gまでだ。」
◆◆◆◆◆
私:
「ありがとうございました。
失礼しますm(_ _)m」
部屋を出た私。
部屋を出ると、待合室にはイライラした面持ちで待っていた診察待ちの方々が、私を白い目で見ていた(爆)