2020年8月23日 05時00分 (8月23日 05時01分更新) 会員限定 中日新聞
安倍晋三首相は二十三日、第二次内閣発足からの連続在職日数が二千七百九十八日となり、歴代最長の佐藤栄作に並んだ。二十四日には単独一位となる。旗印とした経済再生などは道半ばで、重要課題である新型コロナウイルス対応への批判はやまない。来年九月の自民党総裁任期が迫る中、健康不安説が浮上。政権運営に逆風が吹きつつある。
二〇一二年の第二次内閣発足後、大規模な金融緩和などを柱とした経済政策「アベノミクス」を展開。だが米中貿易摩擦やコロナ禍が直撃し、二〇年四〜六月期の実質国内総生産(GDP)は戦後最悪のマイナス成長に落ち込んだ。最近の内閣支持率は40%を下回り、回復のきっかけはつかめていない。
外交・安全保障では、歴代政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使容認を閣議決定。世論の強い反対を押し切って安保関連法を成立させた。北朝鮮による日本人拉致問題やロシアとの北方領土返還交渉で具体的進展は見えない。
連続在職日数が長い首相を振り返ると、安倍首相の大叔父・佐藤栄作は沖縄返還を実現。非核三原則を提唱し、ノーベル平和賞を受賞した。二千二百四十八日...
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