第2次岸田改造内閣の総務政務官に就任した、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員のことだ。
安倍晋三元首相らの後押しにより、過去2回の衆院選では、比例単独候補として党から優遇されてきた保守系議員である。
杉田氏は2018年、月刊誌「新潮45」への寄稿で、LGBTなどの性的少数者について「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性がない」と記した。
20年9月の党会合では、性暴力被害者の相談事業をめぐって「女性はいくらでもウソをつけますから」と述べた。女性からの申告に虚偽があるかのように受け取れる発言だった。
かつて国会質問で「男女平等は反道徳の妄想だ」「男女差別は日本社会にはなかった」などと発言したこともある。
杉田氏は世論の批判を度々浴びたが、自説を明確に撤回せず、あやふやな弁明に終始してきた。政務官就任の記者会見では「過去に多様性を否定したことも、性的マイノリティーを差別したこともない」と言い張った。
不適切な人事は杉田氏に限らない。「性的少数者は種の保存に背く」という趣旨の発言を昨年の党会合でしていた、簗(やな)和生衆院議員は副文部科学相に就いている。
性的指向に基づく差別や女性蔑視は、国政を担う者として、決して許されない。
自民党の責任も重い。
第2次安倍政権以降、自民党議員の差別的な発言が目立つ一方、党はあいまいな対応にとどめてきた。差別を許容する土壌があるのではないか。
弱者や少数者に対する差別・偏見の根絶は、国際社会の基本理念である。首相は常々「多様性の尊重」を訴え、主要7カ国(G7)の首脳は、性的指向に関わらず平等に暮らせる社会の実現を目指すことで一致した。
今回の人事がこれに逆行しているのは明白だ。「差別を容認する内閣」という誤ったメッセージを内外に発信しかねない。首相は即刻、人事を見直すべきだ。
伊藤惇夫氏 萩生田氏の旧統一教会訪問“弁明”に「あり得ない話」「これが通るとしたら問題」
スポーツニッポン新聞社 2022/08/19 14:42
政治アナリストの伊藤惇夫氏が19日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)に生出演。萩生田光一政調会長(58=衆院東京24区)が自民党の生稲晃子参院議員(54=東京選挙区)と6月、共に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設を訪れていたことについて言及した。
伊藤氏は萩生田氏のコメントについて、「ついこの間、8月2日の会見と、その後のコメントがどんどん変わってきてるんです」と不信感をあらわに。「“人は起こした問題ではなく、その後の対応で評価される”という言葉があるんですが、当初からもし知っていたんであればハッキリ言っていればいいのに、何で当初隠したんだろう、あるいは言葉を濁したんだろうというのが大きな疑問点の一つ」と続けた。
さらに、萩生田氏が「声をかけられた会合などに参加をして、後でどういう団体か分からなかったということが起きている」と説明したことに対し、伊藤氏は「あり得ない話だと思うんです」と断言。選挙期間中の活動について、「相手がどういうところなのか、しっかり調べた上で行くのが普通」と説明し、「分からないけど行っちゃったとか、後からそういう団体だと知らなかったとおっしゃる方がたくさんいらっしゃいますけど、ちょっとそのへんは納得できないというか、そんなに簡単に行っちゃうの?と」と苦言。「これが通るとしたら問題だと思います」と強い口調で語った。
【画像】国葬に反対する市民団体
どうやら過去の国葬でも、この内閣法制局が重要な役割を果たしているらしい。近現代の国葬について研究し、九州大で博士号も取得している上智福岡中高教諭の前田修輔氏にオンライン取材し、過去の事例と比較してみた。 史学雑誌に掲載された前田氏の論文「戦後日本の公葬ー国葬の変容を中心として」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shigaku/130/7/130_61/_article/-char/ja )は、インターネット上で読むことができ、同誌の7月アクセスランキングトップを記録している。
●佐藤内閣、国会の議論を推奨した法務府の意見をスルー 日本で国葬が行われるのは戦後では1967年の吉田茂元首相以来だ。当時は現職の佐藤栄作首相が強く希望したといわれている。 この時根拠にされたのが、やはり内閣法制局の解釈だった。
①内閣法制局の部長が公式制度連絡調査会議で「単に国葬をやってやるというのなら 、政令でやることができる」と示した(1965年)
②法務府(法制局の前身)の法制意見長官は「国葬を行うについて憲法上法律の根拠を要しない」「国葬を行うことは、行政作用の一部であるから、憲法上内閣の所管に属する。従って理論上は内閣の責任において決定し得る」との認識を示した(1951年、貞明皇后の準国葬に際して)
安倍氏の国葬も、当時の意見をなんらか参照しているだろうと前田氏はみる。しかし、いずれも会議等での発言で未定稿といい、明確な通達などの形で残っているものではないという。
実は、②には続きがある。「実際上は国会の両院において決議が行われ、それを契機として内閣が執行するという経緯をとることが望ましい 」。議会を通すことを提言していたものの、当時、この点に言及されることはなかった。
●そもそも政治家の評価は曖昧で定まらない 前田氏は「戦前も、皇族以外の国葬は栄典的な意味あいを持つものでした。明確な根拠や基準が定めにくいんです」と話す。 そもそも戦前の国葬は20例あるが、そのうち国葬令のもとで行われたのは4例しかないという。 今回、政府は安倍元首相を国葬にする理由として、戦後最長の在任期間や外交の功績、選挙期間中に銃弾に倒れたことなどを挙げている。
これについても「当時最長の在任期間だった桂太郎は国葬になっていません。また、現職中に暗殺された原敬も対象外でした。やはり戦前の国葬令があっても、システマティックにはいかないんです」という。 結局、吉田元首相の際に閣議決定で押し切ったことは後に批判を呼んだ。そして1975年の佐藤栄作元首相が亡くなった時は、在任期間が最長でノーベル平和賞も受賞したにもかかわらず「国民葬」という判断になった。また1980年の選挙中に現職だった大平正芳首相は内閣・自民党合同葬となっている。
●もう2度と国葬はないと思っていた 前田氏は、学部生時代にゼミでたまたま取り上げた「国葬」について、あまりにも研究が少なかったことを機に「それなら自分が調べてみよう」と公文書や新聞報道など史料を集めて研究してきた。 まさか「国葬論」が復活するとは思ってもみなかったという。それは吉田氏の国葬・佐藤氏の国民葬を経て、大平氏以降は内閣・自民党合同葬が主流になっていった背景がある。
「戦争や動乱でも起きない限り、国葬は歴史上の出来事として終わったものと考えていました 。でも表明してしまった以上実施するのでしょうね。弔問外交の意味は一定程度あるとは思います。 とはいえ、弔問外交の面からコストパフォーマンスがいいのだという意見には賛同できません。むしろ、警備予算のことや野党や各団体からの反発などを考えると、コストパフォーマンスは相当悪い。今後、国葬を行うことはまた難しくなるのでは」
●結局は「内向きの論理」で決まっていく 今回も岸田政権は、内閣法制局による「2001年施行の内閣府設置法を根拠に、政府単独による国の儀式としてならば閣議決定で可能」との見解で押し切ろうとしている。前田氏はこの議論を見ていると、かつてと同じ論点を蒸し返しているだけで既視感すらあるという。 吉田国葬以降、公の葬儀にならなかった元首相は、以下のように分類できるという。
・死去時は与党ではなかった(羽田孜など)
・不祥事の真っ只中だった(田中角栄)
・目立った実績がない(東久邇稔彦など)
・故人の意向(竹下登)
この前例を見ると、公の葬儀となるのは必ずしも実績だけでなく「時の運」もあるのではないかと前田氏は指摘する。
そして時の政権が、その系譜を肯定して政権の正当性を主張することにもつながっているとし、内向きの論理が重視されていると結論づけている。弁護士ドットコムニュース編集
共同通信社 2022/08/19 18:33
四方敬之内閣広報官は19日、日本外国特派員協会で開かれた海外メディア向けの記者会見で、岸田内閣の閣僚は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を見直すとの立場を強調した。「国民に疑念を抱かせないよう、社会的に問題が指摘される団体との関係には十分注意する必要がある」と説明した。(後略)
(あるtwitter)
宗教者団体も国葬に反対を表明!
日蓮宗僧侶(74):国葬を利用し、政権基盤を強めたいという岸田文雄首相の思惑が見え隠れしている
カトリック司祭(87):国葬の実施について国会審議もせず勝手に閣議決定したことは民主主義の衰退だ