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現在流行中のSARS-CoV-2 D614G変異株は、高い増殖効率と感染伝播力を示す   東京大学医科学研究所  2020/11/13(?)

2020年11月13日 17時30分27秒 | 感染症

現在流行中のSARS-CoV-2 D614G変異株は、高い増殖効率と感染伝播力を示す

東京大学医科学研究所      2020/11/13(?)

発表のポイント
  • 現在流行中のSpike(スパイク)タンパク(注1)にD614G(注2)の変異をもつSARS-CoV-2(D614Gウイルス)は、野生型に比べ、飛沫感染伝播しやすいことがハムスターモデルで明らかになった。
  • D614Gウイルスは野生型に比べ、培養細胞、動物個体のいずれにおいても増殖適応が高いことが明らかにされた。
  • D614Gウイルスは回復患者血清により中和されることが判明した。

 発表概要

東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らのグループは共同研究グループらとともに、現在世界中に蔓延している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のSpikeタンパクにD614Gの変異を持つ、variantウイルス(注3)の性状解析を行い、D614G変異が、ウイルスの増殖適応と動物間の感染伝播の高さに寄与することを明らかにしました。D614Gウイルスは、細胞への取込みが野生型ウイルスに比べて有意に速く、また、野生型ウイルスと競合培養継代(注4)すると3代のうちに優勢になり、高い増殖適応性を示しました。

ACE2トランスジェニックマウスやハムスターを用いた感染モデルでは、呼吸器から分離されるウイルスの感染力価や病原性に、野生型ウイルスとの差はありませんでした。しかしながら、ハムスターを用いた飛沫感染伝播モデルでは、D614Gウイルスは野生型に比べて短い時間で感染伝播が成立することがわかりました。また、ハムスター個体においても、野生型ウイルスと競合継代すると、D614Gウイルスが3代のうちに優勢になり、感染動物体内においても高い増殖適応性を示すことがわかりました。これらの結果は、D614Gウイルスが非常に短期間で元の野生型ウイルスを凌駕して感染拡大したことを説明付けるものと考えられます。

本研究結果は11月12日(米国東部時間)、米国科学誌「Science」オンライン版に掲載されました
 

 発表内容

 

(中略)

 

発表雑誌

雑誌名:「Science
論文タイトル:SARS-CoV-2 D614G Variant Exhibits Efficient Replication ex vivo and Transmission in vivo
著者:Yixuan J. Hou, Shiho Chiba, Peter Halfmann, Camille Ehre, Makoto Kuroda, Kenneth H Dinnon III, Sarah R. Leist, Alexandra Schäfer, Noriko Nakajima, Kenta Takahashi, Rhianna E. Lee, Teresa M. Mascenik, Rachel Graham, Caitlin E. Edwards, Longping V. Tse, Kenichi Okuda, Alena J. Markmann, Luther Bartelt, Aravinda de Silva, David M. Margolis, Richard C. Boucher, Scott H. Randell, Tadaki Suzuki, Lisa E. Gralinski, Yoshihiro Kawaoka* and Ralph S. Baric*
URL:https://science.sciencemag.org/lookup/doi/10.1126/science.abe8499
 


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