これが本当の「働き方改革」じゃないのかな。現代日本で一番切実な問題は「働き方改革」だと思う。
ポイント:《取材を通して感じたのは、いまもなお社会には「よい学校を出て、よい会社へ就職し、適齢期に結婚して、子どもを立派に育てる」といった“価値判断の基準”が根深く残っており、多くの人がそれに苦しめられている現実でした。》
WEB
特集不器用でもいいじゃない 元エリート会社員の“ひきこもり”支援
2018年7月6日 15時53分 NHK
「“正社員になって月に20~30万稼がないといけない”という考え方ではなく、もう少し気持ちを楽に持っていこう」と語るのは、ひきこもり相談員の“アベタツ”こと阿部達明さん(56)です。
社会から孤立しひきこもる人、子どもがひきこもり思い悩んでいるという親たちから厚い信頼を寄せられているアベタツさん。その支援の特徴は、相談者の家計や資産を分析し、ひきこもる人が、今後生きていくために必要なお金を計算することです。すると、“数万円稼げば生きていける”ということが多くの人のケースでわかってきます。アベタツさんは、その試算結果を元にしながら一緒に仕事を探し、ひきこもる人たちを社会復帰へと導いていくのです。いま、ひきこもる人たちは100万人にものぼるとも言われています。この春、“頑張り過ぎないでいい現実”を伝え続け、ひきこもる人たちと向き合うアベタツさんの日々を2か月にわたり見つめました。(おはよう日本 ディレクター 宮川俊武)
社会から孤立しひきこもる人、子どもがひきこもり思い悩んでいるという親たちから厚い信頼を寄せられているアベタツさん。その支援の特徴は、相談者の家計や資産を分析し、ひきこもる人が、今後生きていくために必要なお金を計算することです。すると、“数万円稼げば生きていける”ということが多くの人のケースでわかってきます。アベタツさんは、その試算結果を元にしながら一緒に仕事を探し、ひきこもる人たちを社会復帰へと導いていくのです。いま、ひきこもる人たちは100万人にものぼるとも言われています。この春、“頑張り過ぎないでいい現実”を伝え続け、ひきこもる人たちと向き合うアベタツさんの日々を2か月にわたり見つめました。(おはよう日本 ディレクター 宮川俊武)
(後略)
「池袋駅から徒歩10分、喧噪から少し離れた所にアベタツさんの相談室はあります。
生活に困ったり、孤立を余儀なくされたりする人を支援する社会福祉法人がおととし開設し、非常勤職員のアベタツさんが運営を任されています。
相談に来る人の多くは、長くひきこもる子どもを持つ親たちです。」
生活に困ったり、孤立を余儀なくされたりする人を支援する社会福祉法人がおととし開設し、非常勤職員のアベタツさんが運営を任されています。
相談に来る人の多くは、長くひきこもる子どもを持つ親たちです。」
目次
●絶えることのない親からの切実な相談 長期化・高年齢化するひきこもり
●「働いて自立してほしい」という親の焦りを家計診断で解消
●エリートからの転落 自身の経験から気づいた“新たな生き方”
●“親亡きあと”の将来の不安を家計分析で解消
●「生活が成り立たない、でも助けてもらいたくない」現実と理想の葛藤
●「すべての不器用な人が生きやすい社会へ」アベタツさんの思い
●“普通”というレールに苦しめられる社会からの脱却
取材を通して感じたのは、いまもなお社会には「よい学校を出て、よい会社へ就職し、適齢期に結婚して、子どもを立派に育てる」といった“価値判断の基準”が根深く残っており、多くの人がそれに苦しめられている現実でした。
そんな中で、アベタツさんが伝える「無理しなくていい、頑張り過ぎなくてもいい」というメッセージは、働き方の見直しが求められる現代社会にとって、非常に大切な価値なのではないかと感じました。取材を通して、そうした価値観が広がり、少しでも“生きやすい社会”になればと思いました。
そんな中で、アベタツさんが伝える「無理しなくていい、頑張り過ぎなくてもいい」というメッセージは、働き方の見直しが求められる現代社会にとって、非常に大切な価値なのではないかと感じました。取材を通して、そうした価値観が広がり、少しでも“生きやすい社会”になればと思いました。
- おはよう日本 ディレクター
- 宮川 俊武