南仏で山火事、キャンプ客ら数千人避難
【8月17日 AFP】(更新、写真追加)フランス南部バール(Var)地方で山火事が発生し、キャンプ場を訪れていた観光客を含む数千人が避難した。地元消防局が17日、AFPに明らかにした。
消防局の広報担当者は、「数千人が予防措置として避難しているが、犠牲者は出ていない。消防士約750人が消火活動に当たっているが、火の勢いは依然として猛烈だ」と語った。
タリバンのアフガン制圧、各国の反応
【8月17日 AFP】世界各国の指導者は16日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による同国制圧という新たな政治情勢に適応しようとしていた。悲観的なムードが漂う欧米諸国に対し、より現実的なアプローチを示す大国もある。
ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、タリバンの復権を「極めて劇的で恐ろしい」と表現した。「より自由な社会を求めて活動したり、欧米諸国の支援を受けて民主主義、教育、女性の権利に力を注いだりしてきた何百万人ものアフガニスタン人にとって最悪の事態だ」
■バイデン氏、米軍撤退を正当化
米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は16日、夏季休暇を切り上げて首都ワシントンへ戻り、アフガン情勢をめぐり国民向け演説を行った。「私は自分の決断を堅持する。この20年間で、米軍を撤退させる好機などないということは身をもって学んだ」と述べ、米軍撤退を決めた自身の判断を正当化した。
バイデン政権は大きな批判を浴びており、同盟国の中からも米軍が撤退を決めた以上、それに従うしかなかったという声が上がっている。
バイデン氏はアフガン政府の崩壊が予想以上に早かったことを認め、「私たちはアフガンに、自らの未来を決めるためのあらゆる機会を与えたが、その未来のために戦う意思を与えることはできなかった」と述べた。
■足並みをそろえたアプローチ
先進7か国(G7)首脳会議(サミット)の持ち回り議長国である英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は16日、この危機に「足並みをそろえたアプローチ」で臨むことを合意するためにビデオ会議の開催を呼び掛けた。
ジョンソン氏はアフガン政府崩壊前の13日、英国とそのパートナー国は「カブールの政府は、あの国(アフガン)を再びテロの温床にしてはならない」と述べていた。
フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領も16日のテレビ演説で同様の見解を示した。
【8月17日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力で、復権を果たすべく政府側の拠点を次々と制圧したタリバン(Taliban)。その内情と指導部に関する情報の多くは、1996~2001年の政権掌握期間中も常に包み隠されてきた。
イスラム強硬派タリバンのほとんど知られていない指導部についてまとめた。
■タリバン最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ師
ハイバトゥラー・アクンザダ
2016年にアクタル・マンスール(Mansour Akhtar)師が米軍のドローン(無人機)攻撃で殺害された後、タリバンの新指導者に指名されたのが、ハイバトゥラ・アクンザダ(Haibatullah Akhundzada)師だ。
最高指導者となる前のアクンザダ師は、知名度のあまり高くない聖職者だった。同師が選出されたのは武装勢力の司令官というよりも、精神的指導者としての役割が大きかったとみられている。
最高指導者に任命された直後のアクンザダ師に対し、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者は忠誠を誓った。これによって、アクンザダ師はジハード(聖戦)戦士として、タリバンと長年同盟関係にあるアルカイダの信任を取り付けることができた。
タリバンは当時、前任の最高指導者マンスール師が暗殺され、また創設者オマル師(Mullah Omar)の死を指導部が何年も隠していたことが露見し、激しい権力闘争で短期間だが分裂状態にあった。アクンザダ師に託されたのは、その過激派組織を結束させるという大きな仕事だった。
これまで、アクンザダ師が公に姿を見せるのは、イスラム教祝祭日の恒例メッセージでのみと大きく限られている。
■共同創設者バラダル師
アブドゥル・ガニ・バラダル
共同創設者のアブドゥル・ガニ・バラダル(Abdul Ghani Baradar)師はタリバン運動の発祥の地、カンダハル(Kandahar)で育った。
多くのアフガニスタン人と同様、バラダル師の人生も1970年代後半の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻によって大きく変わり、反乱軍に加わった。バラダル師は隻眼(せきがん)のオマル師と肩を並べて闘っていたとされる。
旧ソ連撤退後に発生した内戦による混乱と腐敗の中、1990年代初めに2人はタリバン運動を発足した。
2001年のタリバン政権崩壊後は、暫定政権のハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領に対し、新政権を認める可能性について触れた書簡を持ち込んだ反乱勢力の小集団にバラダル師も加わっていたとされている。
2010年にパキスタンで拘束されたバラダル師は、米国の働きかけで2018年に解放され、カタールへ出国した。そこでタリバンの政治部門トップに任命されると、アフガニスタン駐留米軍の撤退につながる和平合意に調印した。
■ハッカニ・ネットワークのシラジュディン・ハッカニ師
旧ソ連に対抗したジハードの司令官として有名なジャラルディン・ハッカニ(Jalaluddin Haqqani)師の息子が、シラジュディン・ハッカニ(Sirajuddin Haqqani)師だ。
シラジュディン・ハッカニ師はタリバンのナンバー2であると同時に、強力なハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)のリーダーでもある。
米国がテロ組織に指定しているハッカニ・ネットワークは過去20年間、アフガニスタンで政府軍や米軍主導の北大西洋条約機構(NATO)軍と戦ってきた最も危険なタリバンの一派と見なされてきた。
■創始者オマル師の息子、ヤクーブ師
創始者オマル師の息子ヤクーブ師(Mullah Yaqoob)は、タリバンの強力な軍事委員会を率いている。軍事委員会は、戦闘の現場で戦略的作戦を実行する指揮官らの巨大なネットワークを統括している。
ただし、タリバンにおけるヤクーブ師の正確な役割については依然、臆測が飛び交っており、2020年の軍事委員会トップへの任命は単に表面的な措置だとする見方もある。(c)AFP
アフガニスタンの反政府武装組織「タリバン」は米国人に協力した国民を追求しない。スハイル・シャヒーン広報官が米国メディアの取材に応じた中で表明した。
シャヒーン氏は米MSNBCテレビの取材に応じた中で、「我々は彼らを罰しないし、彼らを逮捕、またはその財産を押収することはしない」と発言した。また、国民が恐怖から国外に流出するような事態をタリバンは望まないとも表明した
アフガニスタンのトロ・ニュースによると、首都カブールでは現在、国家和解高等評議会がタリバン指導者の幹部と和平に向けた交渉を行っているという。交渉の目的は、国内の平和と安全保障を達成することにあり、特に首都カブールにおける安定の維持に焦点が置かれている。この交渉にタリバンの幹部とされる、アミル・ハン・ムタキ氏が参加している。
先にタリバン側がリアノーボスチ通信の取材に応じた中で明らかにしたところによると、国家和解高等評議会が当面の間、国家管理を担い、後に管理をタリバン側に移行させる見通し。
バイデン大統領は国民向けに演説を行った中で、混乱するアフガニスタン情勢について米国政府の立場を説明した。
アフガニスタンによるおける我々の使命は国家の建設では決してなかったし、統一され中央化された民主主義を築くことでもなかった。アフガニスタンで我々が追及する唯一の重要な利益に変わりはない。それは米国に対するテロ攻撃を阻止することである。
バイデン大統領によると、アフガニスタンに米軍が駐留する目的は9.11を引き起こした国際テロ組織「アルカイダ」の関係者らを拘束することであり、またアフガニスタンを将来的な攻撃の拠点にさせないことであるという。
また、バイデン大統領は演説の中で、ロシアと中国は米国が自国の財源をアフガニスタンに供給し続けることを望んでいると指摘した。
我々の真の戦略的競争国である中国とロシアが何よりも望んでいること、それは米国がアフガニスタンの安定化に数十億ドルの資源を際限なく注ぎ続けることである。
撤退の正当性について言及した中で、合衆国はアフガニスタンに駐留軍を置くことなくテロ攻撃を阻止する能力を持っていると説明した。そして、軍事力だけでアフガニスタンに安全と安定をもたらすことはできないとし、撤退への理解を求めた。さらに、アフガニスタン政府軍には勝利を掴む意思が欠けているとして、政府の対応を非難した。そのうえで、「アフガニスタン人が自ら戦わない戦争で合衆国の兵士らが戦うことはないし、その義務もない」と理解を求めた。
その学者は、以下のように語っている。
「私たちは家に閉じこもっていて、外に出ることができない。なぜなら、至るところにタリバン(ロシアでは活動が禁止されている組織)の兵士がいるからだ。私たちは、兵士が政府機関で以前働いていた人たちの家を襲撃していることを知っている。だから私たちは不安な状態で過ごしている。また、タリバンの兵士がアフガニスタン政府軍の将軍や将校の家を今捜索していると聞いている。彼らは見つかると刑務所に連れて行かれるのだ。軍隊の次は、ジャーナリストや研究者の番だと言われている」。
学者によると、公務員の中には出国を希望して空港に向かった者もいたという。「空港で飛行機に乗ろうとする人が後を絶たない。しかし私たち3人は家に残っている。タリバンの兵士は道行く人を呼び止め、身分証明書の提示を求めている。彼らは公務員を探しており、アフガン当局で働いていた職員のリストを持っている。兵士らはこの情報をよく知っている。だから、私たちはいつまでも家に隠れていることはできないんだ」。
学者は最後に、トルコに対し、アフガニスタンの人々への支援を求めた。「米国や英国などの国々は、自国で教育を受けて帰国したアフガニスタン人を脱出させて助けている。私たちも、トルコに安全を保証してもらい、脱出するための支援を求めている。そしてこの混乱が落ち着けば、再び国に戻りたい」。
タリバン実権掌握 仏大統領「歴史的局面」独首相「辛いこと」
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