映画『精神0』予告編
(*この夫婦の姿は結核と闘った義父夫婦の姿と重なります。泣けます)
2020.04.20 08:30
これまでタブー視されてきた精神科医療とその患者に密着し、大反響を呼んだ『精神』(08)から約10年。精神医療に人生を捧げてきた山本昌知先生の引退までの日々に密着した、想田和弘監督の観察映画第9弾『精神0』が、2020年5月2日(土)よりオンライン上の〔仮設の映画館〕(シアター・イメージフォーラム、第七藝術劇場、京都シネマ、元町映画館他)にて一斉配信される。(休館中の映画館が再開した場合は、従来予定の映画館にて公開)
この生きづらい世の中で、どうやって自分と向き合い生きていくのか、家族どどう向き合って生きていくのか、地域医療のあり方など、人生における大事なことが詰まった本作。山本先生と共に、長年病と闘ってきた患者たちが、次々に先生のもとを訪れては、その不安な心境や、今後へのアドバイスを求めるが、山本先生は「耐えた量は病気をした人にはおよばん。人間のすごさを感じさせてもらった」と患者へ尊敬の念すら抱く様子が映し出される。共生をテーマに生きてきたという山本先生の生き方や患者への接し方は、コロナ禍でギスギスしてしまいがちな私たちに大きな気づきを与えてくれるのだ。
またクローズアップすべきなのは、妻であり、長年山本先生の活動を支えてきた芳子さんの存在だ。今は認知症を患い、ケアハウスに通っている芳子さんの若き日の姿や、親友が語る芳子さんとの様々なエピソードから、子育てをしながら山本先生の仕事を支えてきた芳子さんの知られざる一面が浮かび上がる。(後略)
2020.04.20 08:42