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コロナ公表情報が全国最低レベル、東京都の功罪 高橋 義明 2020/06/26 06:00

2020年06月26日 12時17分38秒 | 感染症

コロナ公表情報が全国最低レベル、東京都の功罪

     

感染予防法は「厚生労働大臣及び都道府県知事は、・・・収集した感染症に関する情報について分析を行い、感染症の発生の状況、動向及び原因に関する情報・・・を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により積極的に公表しなければならない。」と規定している。新型コロナウイルス感染症の感染が拡がり始めた2020年2月27日、厚生労働省は感染予防法に基づき、都道府県、保健所などに対して「一類感染症が国内で発生した場合における情報の公表に係る基本方針」を通知し、新型コロナウイルス感染症についても「基本方針を参考にするように」とした。そこには公表基準として性別、年齢、発症日、居住都道府県名は公表するものとしているが、職業、居住市区町村名を公表しないものとした。
 
style="font-size: 19px;">東京都は厚労省の通知に先立つ1月31日に「感染者の行動歴をプライバシーに配慮して公表する考え方について」を決定し、居住地は都道府県名までとした。さらに感染者が急拡大するのを受けて東京都は3月27日以降、個別患者情報として性別、年齢のみを公表するようになり、職業、濃厚接触者などの情報もアップデートされなくなった。4月1日以降、居住市区町村は集計値のみが公表されるようになったが、1日遅れのため、マスメディアでは東京都のどこで感染拡大しているか、ほとんど報じていない。

それに対して大半の都道府県、政令市が感染予防に必要と判断し、厚生労働省は公表しない事項とした職業、居住市区町村名を発生症例ごとに公表しており、マスメディアも「◯◯市で何人」などと報じている。北九州市は陽性患者毎に居住区名も公表していたが、5月の第2波において病院、高齢者施設、小中学校名を積極的に公表して感染経路を見える化したのは印象的であった。

style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> style="font-size: 24px;">地域空間という概念での把握

style="font-size: 19px;"> style="font-size: 24px;">東京都が市区町村名を公表しないことの影響

style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;">2つ目の意味は、ある人が感染した可能性がある場所として通勤地が考えられるものの、居住市区町村名が明らかにされない以上、都内の通勤先の市区町村も明らかにされないことである。

style="font-size: 24px;">都内が感染場所と推定される事例が最近増加

5月25日に緊急事態宣言された後に感染が増えているが、その感染地を推定したところ、都内の確率が高くなった。

style="font-size: 19px;">(注)分析に使用したのは2020年5月26日から6月20日までの公表分。ただし、北海道、福岡県はそれぞれの地域内でクラスターが発生していることから除外
 
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この結果をみると、埼玉、千葉、船橋、神奈川、横浜、川崎で都内通勤者が感染していること、京都、福島、静岡、茨城で都内との往来が関係したことが分かる。一方、神奈川では病院での院内感染、家族間での集団感染、そして入院前検査での判明がみてとれる。大阪との関係でも大阪府内だけでなく、兵庫、滋賀で大阪との往来または勤務が結びついている。

style="font-size: 24px;">大都市圏で重要な情報は勤務先の市町村情報

埼玉県、千葉県、神奈川県は現在、ほとんどのケースで勤務先が東京か否かを明らかにしていない。しかし、上記の結果から再び都内通勤などを契機に首都圏などへ感染が広がっている兆しが見てとれる。

style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> style="font-size: 19px;"> 埼玉県、千葉県、神奈川県、政令市などは東京都に都内市区町村名の開示を求め、自らも都内通勤先市区町村名を明らかにすることが県民、市民を守ることにもつながる。各知事、市長には住民に自衛を求めたり、都での感染拡大に懸念を表明するだけでなく、情報を武器にしたリーダーシップを期待したい。
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