朝日新聞社 によるストーリー • 4 時間前(2023/5/13)
米ツイッターを所有する起業家イーロン・マスク氏は12日のツイートで、ツイッターを運営する「X(エックス)社」の最高経営責任者(CEO)に、米メディア企業NBCユニバーサルの広告担当幹部、リンダ・ヤッカリーノ氏を起用すると公表した。マスク氏の昨年10月の買収から半年以上たち、トップが代わることになる。
マスク氏によると、ヤッカリーノ氏がビジネスの運営を主に手がけ、マスク氏は製品デザインや新たな技術を担当するという。マスク氏は「リンダと共に、このプラットフォームを『何でもアプリ』である『X』に変革するのを楽しみにしている」と述べた。マスク氏はこれまで、ツイッターを決済など幅広い機能を持つ「何でもアプリ」にする考えを示しており、そのアプリを「X」と呼んでいた。
NBCユニバーサルは12日の声明で、ヤッカリーノ氏が同社を退社することを公表した。親会社コムキャストのマイク・カバナー会長は「リンダは12年間の勤務で、数え切れない貢献をしてくれた」とコメントした。
ツイッターはマスク氏の買収前、収入の約9割を広告が占めていたが、買収後は差別的発言などの有害投稿が増えたことで広告が減少した。米メディアによると、ツイッターの昨年12月の売り上げは前年比4割減となり、企業価値は買収額の半分以下に減ったとされる。ストリーミング動画配信などの広告を手がけてきたヤッカリーノ氏の起用で、広告収入をてこ入れする狙いがあるとみられる。(サンフランシスコ=五十嵐大介)