「現状で苦情がある訳じゃないのに…」神宮外苑の再開発保留の影でひっそりと進む「日比谷公園」再整備
240本のバラが咲き誇っていた日比谷公園の名所「第二花壇」が跡形もなく…
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日比谷公園の再整備を進める小池百合子都知事。写真は、’23年6月に行われた野音開設100周年記念事業のオープニングセレモニーであいさつする都知事(PHOTO:共同通信)
多くの批判を浴びた明治神宮外苑地区の再開発がいったん停止・先延ばしになったかに見える現在。一方、千代田区・神田警察通りのイチョウ並木伐採は強行され、代々木公園でも、葛西臨海公園でも、樹木の伐採が着々と進められようとしている。
【衝撃】これはひどい...! 240 本のバラが跡形もなく…現場写真
東京のあちこちで樹木が伐採されていく中、実は意外と知られていないのが、日比谷公園の破壊だ。 日比谷公園は、明治36年に開園した日本最初の近代洋風都市公園で、かつて向かいにあった鹿鳴館や帝国ホテルとともに日本の西洋化・近代化のシンボルでもある。 それが日比谷公園再整備計画によってどう変貌してしまうのか。
「日比谷公園の歴史と文化をこよなく愛する会」に問い合わせたところ、「一般社団法人街路樹を守る会」代表で、共立女子大学等で講師を務める愛みち子さんが取材に対応してくれた。
待ち合わせたのは、帝国ホテル向かいの「日比谷門」。門付近は三角コーンなどで仕切られ、物々しく塀で覆われた中では工事が盛んに行われている。
愛さんはこんな説明をする。 「ここは日比谷公園を代表するバラの花壇でした。バラが240本、400平米の広さに植えられている華麗な『第二花壇』でした。この後、大噴水、小音楽堂…と、10年かけて全体を作り変えるような工事が始まっているんです。 これほど重要な公園を大規模に改造する以上、工事の説明会をしてほしいと再三お願いしてきましたが、東京都は一切応じず、施行直前の昨年8月に3日間だけオープンハウスを行い、テントをたててポスター展示しただけ。
展示を見に訪れたのは約100人程、そのうち約半数は関係者とみられます。 その後も私たちは工事が始まる直前まで、都知事あてに要望書を提出し、日比谷公園は貴重な歴史文化遺産で、これらを壊すべきではなく、また計画の周知も不十分であると訴えました。
要望書提出から2日後の8月26日、返事代わりのように行われたのが日比谷公園での『スター・ウォーズ盆踊り』です。
そこには小池百合子都知事、樋口高顕千代田区長、平慶翔都議会議員の千代田区を地盤とする小池チルドレンが揃い踏みし、『日比谷公園の再生整備を進めて参ります』と高らかに宣言しました。
とてもショックでした」(愛みち子さん 以下同)
日比谷公園でスター・ウォーズとは、脈絡が全く分からない唐突感だが、ともかくその直後、第二花壇は壊されてしまった。東西約40m×南北約50mのエリアに植えられていたバラは、批判を受け、「移植」となったが、テニスコート脇の90平米程度の細長い植樹帯にあるのみ。もはやこれを見て「バラ園」と思う人はいないだろう。 また、第二花壇の周囲にあった大きな木は、伐採こそ免れたものの、「根回し」(通常1~2年前に行う移植の準備作業)もせずに、端に移された。
(後略)