アフガン残留の日本人1人、自衛隊機で出国…退避想定は500人
外務省幹部によると、航空自衛隊の輸送機が27日、アフガニスタンに残っていた邦人のうち1人を乗せ、首都カブールの国際空港から隣国パキスタンに出発した
政府は27日中の退避完了を目指し、拠点とするパキスタンの空港に空自輸送機3機を待機させていた。邦人がカブールの空港に入れる見通しが立ち、輸送機をカブールに派遣した。
カブールの空港で情報収集などにあたっていた外務省職員と自衛隊員も邦人とともに退避した模様だ。政府は邦人数人と、日本大使館で働いていたアフガン人職員ら最大計約500人の退避を想定していた。
外務省などによると、国際空港付近で26日に起きた自爆テロと銃撃で邦人にけがなどはなかった。
カブール空港で退避便再開 米、さらなる攻撃の恐れ警告
【8月28日 AFP】アフガニスタンの首都カブールの空港では27日、米兵13人を含む85人が死亡した爆弾攻撃から一夜明け、航空機による人々の国外退避が再開した。だが米国防総省は、退避作戦は今も「具体的かつ、信頼性のある脅威」にさらされていると警告した。
26日に起きた爆弾攻撃では、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行を主張。31日の終了期限を数日後に控え、すでに波乱の様相を呈していた米国主導の退避作戦は、さらなる混乱に見舞われた。
攻撃の標的は米軍だったが、最も大きな被害を受けたのは、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の支配下で身の危険を感じ、退避便に乗ろうと空港付近に集まっていた人々だった。各国の当局によると、米兵13人に加え、少なくとも72人が死亡した。
米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、今も「具体的かつ、信頼性のある脅威」が継続していると指摘。「今後の(攻撃の)試みについては、準備ができているし、想定している」と述べた。
ジェン・サキ(Jen Psaki)米大統領報道官も、同国の国家安全保障専門家の見解として、さらなる攻撃が発生する「可能性は高い」とし、今後数日間は「これまでで最も危険な期間」となると説明した。
カブールの空港では27日朝、一部の退避便が再開。駐機場には人々が列をつくったが、AFP記者によると、自爆攻撃の現場付近には人混みはなかった。空港に向かう主要道路や脇道はタリバンにより封鎖されている。
西側諸国の一部は、退避作戦の終了を発表。多くの国は、危険な状況にあるアフガン人全員を今月31日までに退避させることは不可能と繰り返し警告している。(c)AFP
米、アフガンIS系勢力に空爆 報復で立案者殺害か―空港テロ、死者180人超に
2021年08月28日11時50分 jiji.com
【ワシントン時事】米中央軍は27日、アフガニスタン東部ナンガルハル州で、過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力に対する無人機攻撃を実施したと発表した。同勢力は26日に首都カブールの空港で起きた自爆テロで犯行を認めており、空爆はその報復とみられる。
バイデン氏、報復宣言 首都空港テロ、米兵ら120人超死亡―アフガン
米中央軍は声明で「IS系勢力『イスラム国ホラサン州』(IS―K)の立案者に対する対テロ作戦を実施した」と説明。その上で「初期の分析によれば、標的を殺害した」と述べた。民間人の死傷者が出たとの情報はないとしている。
米CNNテレビなどによると、カブールの空港ゲート付近で起きた自爆テロでは、米兵13人を含む計180人以上が死亡、200人以上が負傷した。バイデン米大統領はテロを受け、「事件を起こした者を許さず、忘れない。追い詰めて代償を支払わせる」と宣言。IS―Kに対する報復計画をまとめるよう国防総省に指示していた。
一方、米政府は新たなテロが計画されている可能性が高いとみて、最高度の警戒態勢を維持している。
サキ大統領報道官は声明で「今後数日間が最も危険だ」と強調。国防総省のカービー報道官も記者会見で「攻撃があることを予想している」とし、「こうした脅威をリアルタイムで厳密に監視している」と述べた。
日本人1人が自衛隊機でアフガンから退避、アフガン人十数人も=報道
[東京 28日 ロイター] - アフガニスタンに派遣されていた自衛隊機は27日夜、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握した同国からの退避を希望する日本人1人を隣国パキスタンのイスラマバードへ輸送した。複数の国内メディアが報じた。NHKによると、自衛隊機は26日に十数人のアフガニスタン人をパキスタンへ輸送していた。
日本政府の発表によると、退避活動に当たっていた自衛隊員なども一時的に隣国へ移動した。輸送機も隣国で待機しており、引き続き日本人と現地スタッフの安全確保と退避に全力を挙げるとしている。一方、作戦の継続にはカブール空港の安全が確保されていることが必要ともしている。少数の日本人が今もアフガニスタンにいるという。
カブール空港を管理下に置く米軍のアフガニスタン撤退期限は31日に迫っている。岸信夫防衛相は27日午前の会見で、自衛隊の派遣延長は「想定していない」と語った。「今日(27日)くらい(までの)活動を考えている」と述べた。
日本政府は当初、現地に残る日本人や日本の支援機関で働くアフガニスタン人スタッフなど500人規模の退避を想定していたが、治安情勢の悪化から空港にたどり着けない人が多く、作戦は難航していた。