毎日新聞2020年3月30日 12時59分(最終更新 3月30日 12時59分)
菅義偉官房長官は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念するペルー政府による国境封鎖で出国できなくなっていた日本人旅行者約260人のうち133人が、台湾政府と日本の旅行会社が手配した2機のチャーター機で米国やメキシコに出国したと発表した。菅氏は、チャーター機への日本人の搭乗を認めた台湾に対して「深い謝意の念を伝えた」と述べた。
チャーター機は世界遺産のマチュピチュ遺跡に近いクスコから、首都リマを経由して運航された。28日に台湾政府が台湾人旅行者の退避のために派遣したチャーター機の空席を利用し、29人が米南部マイアミへ移動。29日には、旅行会社のチャーター機で104人がメキシコシティーへ移動した。
外務省によると、ペルーでの短期滞在が把握できた約260人に対して、現地大使館からチャーター機の運航を案内し、希望者は2機に搭乗した。現地にいた日系ペルー人の学生も搭乗した。ただ、ペルー残留を希望したり、ペルー国内での移動が困難だと判断したりした旅行者もいるとみられ、外務省は引き続き対応にあたる方針だ。【秋山信一】