フィデル・カストロが死んだ。
あまり知らずに過ごしてきた巨星の死だった。
おそまきながら、ふれてみたい。
そう思って調べた自伝である。が、高い。案の上。
フィデル・カストロ――みずから語る革命家人生(下)
2011/2/4
単行本
ポイント:32 pt (1%)
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せめて、気に入ったレビューを引用させていただく。
アマゾンのレビューは参考になる。許したまえ。
(引用開始)
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投稿日 2011/5/10
形式: 単行本
上巻と下巻のレビューが共有されているが、以下は上巻のレビューである。
カストロにもチェ・ゲバラにも、特別な興味はなかった。ただ、キューバという国については、テレビ番組などで、医療と教育が充実していることと、ソ連崩壊直後に化学肥料の輸入が途絶し、食糧危機に陥ったものの様々な取り組みを経て、飛躍的に自給率を高めたことを知っていたので興味を持っていた。そういった時、新聞の書評欄で本書のことを知り、読んでみることにした。
まだ、上巻のみしか読了していないが、印象的なことは、質問に答えるカストロの言葉の明確さである。もちろん、記憶があいまいな部分などは自国の歴史家などに確認をしながらであるが、成功や成果同様失敗についても、そのはっきりとした回答に驚かされた。
上巻は、生い立ちから、革命、「10月危機」、チェ・ゲバラの死、アフリカ諸国の独立運動への支援活動などについてである。聞き手のラモネによる、かなり長い前書き「はじめに」によると、インタビューは合計で100時間を超えているが、質問に対する制限はなかったそうである。
このラモネは、フランスのジャーナリストで、現在の“グローバリズム”や新自由主義経済には批判的である。しかし、2003年にキューバ国内で起きた反体制派に対する事件などについては、政府のとった対応を批判している(下巻の目次を見ると、その事件が取り上げられている)。
自分が無知なだけなのだが、革命後からアメリカによる経済封鎖が続いており(一部は2009年に解除された)、国連でもアメリカに解除を促す決議が行われていること(2006年の時点で15年連続)などは正確には知らなかった。また、キューバに対するアメリカの政権転覆行為が、政府機関だけでなく一部のNGOも加わり、革命当初だけでなく今に至るまで幾度となく繰り返されてきたことには、驚きを通り越してあきれてしまった。
いくつかの事実については、インターネットで調べてみると、カストロの回答の正確さがよく分かった。ただ、調べても分からない部分もあり、事実ではなく評価にかかわる部分では、必ずしもすべてに納得できたわけではない。
それでもなお、カストロが世界でもっとも著名な政治家の一人であり、また長期にわたって国際政治の表舞台で活躍をしてきたことを考えると、これほど率直で、膨大な量の発言をまとめた本書の貴重性は揺るがない。
かなり詳細な原註・訳註がついており、キューバの歴史や登場してくる人物、インタビュー時と状況が変わった部分など(アメリカの在米キューバ人に対する様々な制限解除など)がフォローされている。
なお、商品情報に448ページとあるのは間違い。下巻は索引なども含め448ページあるが、上巻の最終ページは388となっている。
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