毎日新聞
英政府は21日、新型コロナウイルス感染が再び急拡大していることを受け、警戒レベルを5段階のうちの「3」から、感染急増を示す「4」に引き上げた。政府のバランス首席科学顧問らが記者会見し、対策を強化しなければ1日当たりの新規感染者数が10月中旬までに5万人に達する恐れがあると警告した。
英メディアによると、政府はロンドンを含むイングランド地方で、パブやレストランの営業を午後10時までに制限する方針を固めた。ジョンソン首相が近く発表する。
英国の1日当たりの新規感染者は6月下旬から7月にかけ1000人未満も多かったが、最近は4000人を超す日が出てきた。(共同)
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新型コロナウイルスの感染拡大で入構制限などの措置を取っていた近畿の各大学で、対面式講義が徐々に再開されている。出席できない学生のために対面とオンラインを併用するなど、学生の事情に配慮しながら、模索が続いている。【福富智、松本光樹、反橋希美、林みづき】
遠隔と併用の配慮も
前期は構内への立ち入りを原則禁止し、全てオンライン授業で対応していた京都産業大でも21日、後期授業が始まった。一部の科目は対面式を再開。1年生は期待と不安を胸に初めての対面授業に臨んだ。
対面授業は、まず1、4年生の科目を中心に演習や実験などで実施して学生が週1回は大学に来られるよう配慮した。対象学年を順次拡大し、出席できない学生が不利にならないよう、授業を中継するなどしてサポートをする。
この日の1限目にあった経営学部の「マネジメント・リテラシーⅢ」には1年生約45人が出席。野村亮太さん(19)は「オンライン授業で顔を知っている同級生もいるが、週1回でも対面授業があるのは、友達ができるのでうれしい」と話した。
授業を担当した同学部の松本和明教授は「半年ぶりなのでこちらにも緊張感があった。学生も一生懸命に聞き取ろうとしていたと思う。『これが大学の授業か』という妙味は感じてもらえたと思う」と述べた。前期の授業は学生に課題を課し、リポートを提出させたが、準備や対応に通常の2、3倍の労力が必要だったという。
この日は午前8時ごろから、同9時開始の1限目の講義のために学生がバスなどで登校してきた。学生は、消毒液や体温確認のためのサーモグラフィーカメラが設置され、1カ所に絞られた入り口を通って構内に入り、授業に向かった。体温が37・5度以上なら入構制限される。
ともに現代社会学部で剣道部に所属する稲垣千宙さん(18)と福原波奈さん(18)は2限目の対面授業のため来校。入学前に知り合いオンライン上で顔は合わせていたが、1カ月ほど前に久しぶりに直接会えたという。福原さんは「高校と違いキャンパスが広いので大学に来たと実感した」と感慨深げ。稲垣さんは「新型コロナが心配だが、友達に会えるのが楽しみ」と期待した。
京産大は今春、学生同士の懇親会などでクラスター(感染者集団)が発生し、大学関係者への差別が問題となった。10月中旬には学内に新型コロナの「PCR検査センター」設置が予定されており、大西辰彦副学長は「キャンパスに主役の学生が帰ってきたという喜びがある。一方で新型コロナの不安もあり、安心安全のために考えてきた」と語った。
近畿の各大学、徐々に
京産大以外の近畿の各大学でも、対面式講義の再開に向けた動きが進んでいる。
近畿大(東大阪市)は後期(9月12日~2021年3月31日)の科目の一部で、対面式を再開した。4月3日から学生の入構を制限。6月8日に一部の実験や実習を再開したが、一般の講義の対面実施には半年以上を要した。後期は全体の数%程度にあたる約400科目を対面で行う予定。ただ、感染への警戒は緩めず、対面式を再開するのは比較的受講者の少ない一部の科目に限定し、大学構内に入る学生数を例年の1割程度に抑える。
14日午後の「憲法B(人権)」の講義は200人以上が座れる教室で開かれ、1年生を中心に39人が緊張した面持ちで出席した。授業前には一人一人に消毒薬が配布され、マスクの着用や身の回り品の消毒などが呼び掛けられたほか、講義はオンラインでも同時配信された。入学後初めて対面式講義に出た法学部1年の竹谷璃恋(りこ)さん(18)は「前期はずっとオンラインだったので新鮮。周りに他の学生がいる方が集中できる」と話していた。
京都大は10月1日から、演習や実験など必要に応じて対面に切り替えるほか、出席できない学生向けに講義の同時配信や補講なども用意。神戸市外国語大は9月18日から、実技系に限っていた対面式講義を1年の中国語、ロシア語の言語科目などにも広げた。神戸市外大は「文字も書いたことのない状態からオンラインで教えるのは難しく、授業の進度が遅くなっていた」と説明する。奈良女子大は、前期はゼミや実験など必要最低限にしていた対面式の割合を、10月1日からの後期では増やす方針という。
また、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の4大学の学長は9月14日、「適切な感染予防措置を講じた上で、秋学期はキャンパスを可能な限り開放し、対面とオンライン授業を併せて実施していく予定」との共同声明を出した。立命館大では、オンラインのみの講義は全体の半分程度となる見通し。関西学院大は9月23日からゼミや語学を中心に対面式講義を再開し、キャンパスへの立ち入りも全面解禁する。
コロナ倒産500件超す…9月に加速、全都道府県に
新型コロナウイルスに関連した企業倒産件数(負債1千万円以上)が、連休前の9月18日までの累計で500件を突破した。6月以降は減少傾向が続いていたが、政府の緊急事態宣言の全面解除後に新型コロナの感染者が再び拡大した影響もあり、9月は倒産ペースが前月に比べ加速している。政府の資金繰り支援で何とか持ちこたえている企業も多いとみられ、来年にかけて“息切れ倒産”が急増する懸念は拭えない。

東京商工リサーチによると9月18日まで
東京都の新型コロナ感染、新たに88人
東京都は22日、新型コロナウイルスの感染者が新たに88人確認されたと発表した。都内の感染者数の累計は2万4394人となった。
新たに確認された感染者のうち、20代は22人で最も多く、次いで30代が18人、40代が17人、50代が12人。重症化リスクが高いとされる60代以上は16人だった。
国内331人が新型コロナに感染、5人死亡
国内で22日、新たに331人の新型コロナウイルス感染者が確認された。東京88人、大阪67人、神奈川38人など。死者は茨城、神奈川、三重、滋賀、大阪で各1人の計5人が確認された。
国内の感染者はクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの乗客乗員を含めて計8万515人。死者は計1532人となった。(共同)