ガソリン減税、結論1年先送りへ 政府与党、EV普及など検証
政府、与党は2日、国民民主党が求めるガソリン税減税を含め、自動車税制全般や関連施策の制度設計を1年先送りする方向で検討に入った。脱炭素化に向けた電気自動車(EV)の普及や税収への影響を検証し、2025年末に議論する26年度税制改正で一体的に結論を出すことを目指す。エンジン車を想定した現行の仕組みを転換する本格的な改革に向け、時間をかけて検討を続ける。
今月取りまとめる25年度税制改正大綱では、焦点となっている所得税の「年収の壁」見直しの制度設計を優先する。ただ、ガソリン税減税を訴える国民民主側が年内の結論を要求し、協議が難航する可能性もある。
自民は2日に税制調査会の関連会合を開き、自動車関連税制について、25年度税制改正では「長期的な検討事項」にとどめる方針を議論。1年後の本格的な見直しを見据える。
石破茂首相は2日の衆院代表質問で、選択的夫婦別姓制度を実現するよう求められたのに対し「国民の意見や国会の議論の動向を注視していく必要がある」と述べるにとどめた。首相就任前は早期導入に積極的な発言をしていたが、慎重な姿勢が鮮明になった。自民党内で賛否が割れている現状を踏まえたとみられる。
首相は7月29日のBS番組で「夫婦が別姓になると家庭が崩壊するとか、よく分からない理屈だ」と述べていた。
この日の答弁では「国民の意見が分かれている。しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要がある」と述べ、自らの賛否に言及しなかった。
立憲民主党の石川香織衆院議員への答弁。
玉木雄一郎氏、国民民主の代表質問に立たず エースの浅野哲氏投入に「リスク回避」の声
産経新聞 12/2
国民民主党は2日の衆院代表質問で「党の顔」の玉木雄一郎代表ではなく、「若手のエース」の浅野哲青年局長を登壇させた。浅野氏は党看板政策で自民、公明両党と協議を進める「年収103万円の壁」の引き上げに向けて石破茂首相の決意をただした。常連の玉木氏が立たなかったことに不倫問題の影もちらつくが、創業メンバーでもある浅野氏を投入することで「玉木商店」という党イメージの刷新を試みた。
衆院本会議場で浅野氏の名前が呼ばれると、歓声と拍手が湧き起こった。浅野氏は冒頭、能登半島地震に触れつつ、首相に「年収の壁が障壁となってきわめて多くの労働者の労働意欲を阻害し、年収を抑制していることは明白だ。『103万円の壁』は最低賃金の上昇率などを勘案し、178万円に引き上げるべきだ」と迫った。
代表質問は本来、党首や幹事長などの党重鎮が立つのが通例だ。国民民主も玉木氏の独壇場だった。
玉木氏は記者団に浅野氏抜擢の理由について「長らく『玉木党』といわれてきたが、組織として中堅・若手の人材を広く世の中に知ってほしい。次世代を担う人材の育成を計画的に行いたい」と説明した。古川元久代表代行も同日の党会合で「今まで代表に頼りすぎだった」と語った。
もっとも、玉木氏は自身の不倫問題を巡り、党倫理委員会による調査を受けている最中だ。国民民主を支援する労働組合幹部は「リスク回避を図ったのではないか」と勘ぐった。(永原慎吾)
(浅野哲;画像はネットから借用)敬称略
「髪の毛は総裁選時より薄くなり、しかも朝、官邸に入る時の顔つきに覇気がなく、どよーんと疲労困憊の表情で顔色がどす黒い。周囲は少し休養をとったらと進言しているようですが…」
石破茂首相の健康状態を懸念し、こう明かすのは官邸関係者だ。
石破氏は、8月に岸田文雄前首相が退陣公表後、総裁選、即総選挙、組閣に加え、外遊では、バイデン米大統領、習近平国家主席らとの会談と、息つく暇もなく突っ走ってきた。官邸担当記者も言う。
「総選挙で石破氏が走破した距離はのべ約1万4000キロと地球3分の1周で、各党党首と比べても断トツでした。10月27日の投開票では自民党が大敗して打ちのめされましたが、11月11日の特別国会では、決戦投票で総理に指名された。その際、議員席で目をつむり俯いている様子に、SNSでは《一国の総理を決めるときに居眠りとは何事か》という批判も飛び出したほど。これには、林芳正官房長官が、風邪薬を処方されたため、と弁明しましたね。総裁選から臨時国会までの休養日はたった1日と聞いています」
「首相の病気」で思い浮かぶのは、2000年4月に脳梗塞で倒れ、後に亡くなった小渕恵三氏だろう。
「もともと軽い心臓病の持病があった小渕氏だが、その持病を加速させたのは、首相というハードワークともいわれている。実際、小渕政権時には不況が深刻化し、金融危機に直面して株価が急落、支持率も厳しかった」(自民党関係者)
当時、官邸の記者らが総じて感じていたのは、小渕氏の顔色が日々悪くなって疲れ切ったように見えたことだという。
「石破政権は衆院では少数与党であり、しかも初の本格的論戦の場となる臨時国会では『年収103万円の壁』を突き付け自民党に大幅譲歩を迫る国民民主党がいる。また、年明けからはトランプ次期大統領による日本への強硬論も予測される。とはいえ、そんなトランプ氏とのホットラインは未だ見つけられない状況。待ったなしの政治改革もあるし、ストレスのオンパレードだ」(前出・関係者)
石破氏にとっては針のむしろ状態が続くが、今の精神的、肉体的状況でこの難局を乗り越えることができるのか、官邸も番記者も気が気ではないようだ。
(田村建光)
石破茂首相は2日の衆院本会議で、所信表明演説に対する各党の代表質問に臨んだ。与党が大敗し過半数割れに追い込まれた衆院選後初めての本格論戦。立憲民主党の野田佳彦代表が企業・団体献金の禁止を求めたのに対し、首相は「我が党は企業・団体献金自体が不適切だとは考えていない」と述べ、否定的な考えを示した。外交安全保障や経済対策などでも従来の政府見解を繰り返した。少数与党で厳しい国会運営が予想される中、慎重な答弁に終始した。
首相は政治献金について「避けなければならないのは政策がゆがめられること」と指摘した上で、「個人献金も企業・団体献金も違いはない」との認識を示した。「企業・団体献金をなんら議論していないというものではない。引き続き真摯(しんし)な議論をしていく」とも答弁したが、禁止には後ろ向きな姿勢を示した。
事業規模約39兆円の総合経済対策は、デジタル投資などの成長力強化、能登半島の復旧復興などの施策を積み上げた結果と説明。妥当性を強調した。
「米国第一主義」を掲げるトランプ次期米大統領と向き合う日米関係では「米国も日米安保体制から戦略上大きな利益を得ている。率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高め合う」との方針を示した。
所得税がかかり始める「年収103万円の壁」や、暫定税率廃止を含むガソリン減税を巡っては、経済や税収への影響があるとして「今後各党でさらに議論を深めていただきたい」と述べた。
3日は衆参両院で代表質問が行われる。【村尾哲】