山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
副反応の出やすさ、効果との関係(2021年8月24日)
ファイザーやモデルナ社製のmRNAワクチンは、デルタ変異ウイルスに対しても、重症化を抑制する強い効果が確認されています。一方で、発熱や倦怠感などの一過性の副反応も多くの人で認められています。8月16日に公表されたJAMA Internal Medicine誌の論文では、954名の医療従事者について、副反応の頻度や、副反応の有無と効果の関係について調べています。
まず、副反応の出現頻度について(表1)、1回目に副反応があった場合、2回目に副反応が出現する頻度は20%程度高い傾向にあります。60歳以上の人は、1回目は副反応の頻度は40%程度高い傾向にありますが、2回目は逆に60%程度少ない傾向にあります。男性は1回目、2回目とも10%程度、頻度が低い傾向にあります。ワクチンの種類で見ると、モデルナ社製は、ファイザー社製よりも1回目は1.6倍、2回目は2.4倍と、明らかに副反応の頻度は高くなっています。新型コロナウイルスの感染歴のある人は、1回目接種後はの副反応頻度は、4.6倍と非常に高くなっています。一方、2回目接種後は、逆に40%低い結果となっています。
表1 年齢、ワクチン種類、感染の有無等による副反応出現頻度の違い
ワクチンの効果については、血液中の抗体量により判断しています(表2)。本論文の最も重要な知見として、副反応の有無に関わらず、1名を除く全員で抗体が獲得されています。抗体が検出できなかった1名は、基礎疾患の治療のため免疫抑制剤を使用していたとのことです。1回目また2回目に副反応が出現した人の抗体量は、出現しなかった人に比べて若干、高い傾向にありますが、その違いは5%と僅かです。60歳以上の高齢者や男性では抗体量は低い傾向に、モデルナを接種した人、感染歴のある人では抗体量は高い傾向にありますが、その違いはいずれも10%以下と僅かでした。
表2 副反応の有無、年齢、性別、ワクチン種類、感染歴と効果の関係
まず、副反応の出現頻度について(表1)、1回目に副反応があった場合、2回目に副反応が出現する頻度は20%程度高い傾向にあります。60歳以上の人は、1回目は副反応の頻度は40%程度高い傾向にありますが、2回目は逆に60%程度少ない傾向にあります。男性は1回目、2回目とも10%程度、頻度が低い傾向にあります。ワクチンの種類で見ると、モデルナ社製は、ファイザー社製よりも1回目は1.6倍、2回目は2.4倍と、明らかに副反応の頻度は高くなっています。新型コロナウイルスの感染歴のある人は、1回目接種後はの副反応頻度は、4.6倍と非常に高くなっています。一方、2回目接種後は、逆に40%低い結果となっています。
表1 年齢、ワクチン種類、感染の有無等による副反応出現頻度の違い
1回目接種後 | 2回目接種後 | |
一回目接種後に副反応有 | 1.21倍 | |
>60歳 | 1.42倍 | 0.46倍 |
男性 | 0.82倍 | 0.88倍 |
モデルナ | 1.65倍 | 2.44倍 |
感染歴有 | 4.59倍 | 0.60倍 |
ワクチンの効果については、血液中の抗体量により判断しています(表2)。本論文の最も重要な知見として、副反応の有無に関わらず、1名を除く全員で抗体が獲得されています。抗体が検出できなかった1名は、基礎疾患の治療のため免疫抑制剤を使用していたとのことです。1回目また2回目に副反応が出現した人の抗体量は、出現しなかった人に比べて若干、高い傾向にありますが、その違いは5%と僅かです。60歳以上の高齢者や男性では抗体量は低い傾向に、モデルナを接種した人、感染歴のある人では抗体量は高い傾向にありますが、その違いはいずれも10%以下と僅かでした。
表2 副反応の有無、年齢、性別、ワクチン種類、感染歴と効果の関係
抗体量 | |
副反応有 | 1.05倍 |
>60歳 | 0.92倍 |
男性 | 0.95倍 |
モデルナ | 1.09倍 |
感染歴有 | 1.10倍 |