警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」
会見で旧統一教会を批判する渡辺博弁護士(右)と紀藤正樹弁護士(中央)/(C)日刊ゲンダイ
【安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態】#5 「統一教会の被害者にとっては、政治家とのつながりがあるから警察がきちんと捜査してくれないという思いがずっとあると思います。私どもにもあります」
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12日に開かれた「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の会見で、渡辺博弁護士はこう断言した。
2009年、霊感商法の会社「新世」が通行人に声を掛け、印鑑などを売りつけたとして、社長と従業員らに懲役刑が下された。霊感商法が初めて犯罪認定され、世間の耳目を集めた。
これでようやく捜査の手が統一教会そのものに及ぶかと思われたが、それ以降も警察がメスを入れることはなかった。
渡辺弁護士はその背景をこう明かした。
「後に統一教会の機関誌で、新世事件の責任者が<政治家との絆が弱かったから、警察の摘発を受けた。今後は政治家と一生懸命つながっていかないといけない>と語ったことが、彼らの反省点でした。我々が国会議員に『統一教会の応援をするのはやめてください』と呼び掛けている理由もそこにある」
昨年までの35年間で消費生活センターなどが受けた統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円に上る。弁護団によるとそれも「氷山の一角」だという。これほど被害が膨らんでいるのに、なぜ警察は一向に捜査に動かないのか。
■「信教の自由」を御旗に放置
そこで興味深いのが、統一教会問題を30年以上、追い掛け続けている参院議員の有田芳生氏の証言だ。
安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)の母親が統一教会に入信したのは、1991年ごろ。有田氏は95年、警視庁公安部の幹部から「統一教会の摘発を視野に入れている。相当な情報源ができた。金の関係から入る」と打ち明けられている。しかし、摘発はなかった。
有田氏がこう続ける。
「10年後、元幹部に『今だから言えることを教えて欲しい。なんでダメだったのか』と聞いたら、答えは『政治の力だった』の一言でした。警察は個人名を含めた全国の捜査リスト『統一教会重点対象名簿』を作り、実際に動いていたのですが」 「全国連絡会」の紀藤正樹弁護士も、会見でこう指摘していた。
「統一教会のような伝道、経済活動、合同結婚式の3点セットがすべて違法となる集団は世界中どこにもありません。我々はすべて民事事件で解決してきました。普通はどこの国でも、これだけ問題を起こせば途中で刑事事件になります。日本だけが放置され、信教の自由の御旗の下に許されてきたから現実に今、統一教会がある」
山上容疑者は犯行動機について、「新型コロナウイルスで(教祖の)韓鶴子が来日しないので安倍元首相に狙いを変えた。自分が安倍を襲えば、統一教会に非難が集まると思った」と供述している。
90年代、そして2000年代以降も摘発のチャンスはあった。警察が統一教会を徹底的に洗い出していれば、悲劇も、これほど多くの被害者も生まれなかったかもしれない。
【ヤフーコメント】
●神職をしています。 憲法が定める信教の自由は、個々人のそれを保障するのがベースで、それ故に神社仏閣、その他の宗教団体が法(宗教法人法)により団体としての存在が保障されているのだと考えています。 人を不幸にするだけの「宗教を名乗る反社」が、信教の自由を盾にのさばっているのであればそれは制度の欠陥であり、宗教法人への規制を含め是正すべきと考えます。
●宗教法人の認証を取り消されない理由は明らかですね。 与党議員の意向でしょう。 おかげで多くの日本国民とその家族、親族も含めて泣かされることになった。。 名称変更が認められた理由も、これまでの対応経緯も、国会の場で追及して欲しい。 が、ズブズブ議員ばかりで及び腰、、期待できるのは共産党くらいか