英もアフガン退避作戦終了 1万5000人救出
2021年08月29日06時36分 jiji.com
【ロンドン時事】英政府は28日、アフガニスタンから自国民やアフガン人協力者らを退避させる作戦を事実上終了させた。BBC放送などによると、民間人用の最後の航空機がアフガンを離陸、今後は駐留英兵や外交官らの退避を行うのみとなった。
26日に首都カブールの空港付近でテロが起きた後も、英国は退避作戦を継続。カブールにとどまっているブリストウ駐アフガン英国大使によると、英政府は今月中旬から開始された作戦で、英国民やアフガン市民ら1万5000人近くを救出した。ただ28日時点で、退避資格のあるアフガン人千人前後と英国人100~150人は残ったままとされる。

画像提供,REUTERS
アフガニスタン・カブールからイタリア・ローマへ避難する人たちを乗せた最後の輸送機の様子(28日)
混乱が続くアフガニスタン情勢についてジョー・バイデン米大統領は28日、カブール空港への攻撃が近くまたあり得ると警告した。米軍幹部の報告では、早ければ29日にもあり得るという。
カブール空港では26日午後6時ごろ、米英両軍の兵士が空港に入る人たちの手続きをしていたアビー・ゲートで自爆攻撃があり、約170人が死亡した。過激派勢力「イスラム国(IS)」系の地元組織「ISKP(イスラム国ホラサン州)」(ISIS-K、IS-Kなどと呼ばれる)が犯行声明を出した。
これを受けて米軍は27日、アフガニスタン東部ナンガルハール州へのドローン攻撃を実施。米中央軍司令部は米東部時間27日夜(日本時間28日午前)、「地平線を越える対テロ作戦をIS-Kの計画者に実施した」と声明を発表した。「無人空爆はアフガニスタンのナンガルハール州で行われた。初期の兆候によると、我々は標的を殺害した。市民の被害の報告は得ていない」としている。
ロイター通信は当局筋の話として、中東から出発した「リーパー」ドローンがアフガニスタン東部で「ISーK」の関係者を攻撃したと伝えた。攻撃で死亡したのは「立案者」と「進行役」だったとされるものの、カブール空港攻撃との関係は明らかになっていない。