ファイザー製ワクチンの3回目接種を承認へ 厚労省専門部会
厚生労働省の専門部会は10日、新型コロナウイルスの米ファイザー製ワクチンについて、3回目となる追加接種での使用を認めることを了承した。厚労省は近く承認する方針。2回目までは12歳以上を対象としているが、3回目は18歳以上とした。ファイザーが実施した海外の臨床試験(治験)が18歳以上を対象としていることなどを踏まえた。
ファイザーが9月に承認事項の一部変更を申請していた。2回目接種を完了した18歳以上の約300人を対象とした治験で、接種1カ月後の感染を防御する中和抗体価(血液中の抗体の量)が3回目は2回目の3・3倍となった。同社によると、16歳以上の約1万人を対象とした治験でも95・6%の発症予防効果が確認された。
3回目の接種は、ウイルスに対する免疫を再び高めるための「ブースター接種」と呼ばれる。2回接種後、時間と共に有効性や中和抗体価が低下することが報告されており、接種後の「ブレークスルー感染」も起きている。15日の厚生科学審議会の分科会で、3回目を予防接種法に基づく臨時接種に位置付け、12月以降、2回の接種を終えた全ての希望者を対象に無料で追加接種することを決定する見通し。
厚労省は3回目接種について、2回目までと同じワクチンを使用することを基本としている。2回目接種から8カ月以上の経過を目安とする。そのため厚労省は、米モデルナや英アストラゼネカのワクチンについても、追加接種の承認申請があれば、速やかに審査する方針だ。【矢澤秀範】
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