入管法、遺族迎え野党引かず 自民なお歩み寄り模索
2021年05月18日07時03分
自民党は17日、衆院で審議中の入管難民法改正案の採決強行を回避するため、立憲民主党など野党側と歩み寄りを探った。しかし、入管施設収容中に死亡したスリランカ人女性の映像開示に当面応じられないとの立場は崩さず、協議は平行線に終わった。スリランカ人女性の遺族が来日し、死亡経緯の解明を訴える中、立憲は安易な妥協には応じない姿勢を見せており、先行きは不透明だ。
自民党の森山裕国対委員長は17日、立憲の安住淳国対委員長と国会内で会談し、改正案採決への理解を求めた。安住氏はスリランカ人女性の映った監視ビデオの映像について「遺族が日本にいる間に、まず遺族に開示したらどうか」と提起した。
会談後、安住氏は記者団に「1ミリも前進していない」と説明。「真相解明はわが国にとって必要だ。譲るつもりは全くない」と語った。
立憲、共産、社民3党の議員はこれに先立って、スリランカ人女性が収容されていた名古屋市の入管施設を遺族とともに視察。遺族と並んで記者会見した立憲の中川正春元文部科学相は「入管法改正に厳しい態度で臨む」と語った。遺族は18日に国会を傍聴する予定だ。
立憲は先週、ビデオ映像の即時開示を求めるとともに、難民認定審査中でも申請3回目以降なら強制送還できるようにする規定の削除など10項目の修正を要求。自民は修正には大筋で応じる姿勢を示したが、映像開示は受け入れなかった。
これを受け、立憲、共産、社民3党は採決阻止に向け、義家弘介衆院法務委員長(自民)の解任決議案を提出した。解任決議案は18日の衆院本会議で採決される予定。立憲は改正案の採決を阻むため、上川陽子法相の不信任決議案などの提出も検討している
「遺族に映像公開を」野党が要求 入管法改正案めぐり会談
2021/05/18
入管法改正案をめぐって与野党の国対委員長が会談し、野党側は、死亡したスリランカ人女性の映像を遺族などに公開するよう要求しました。