山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
抗原検査の感度・特異度(2022年8月1日)
感染者の増大に伴い、新型コロナウイルス感染症の診断として、PCRではなく、定性抗原検査キットが使用される機会が増えています。オミクロン株が主流となった状況での定性抗原検査キットの感度や特異度について、米国スタンフォード大学の学生を対象にした調査結果が論文として公表されています。
これによると、定性抗原キットの感度(PCRで陽性だった学生のうち、抗原検査でも陽性であった割合)は63%、特異度(PCR検査で陰性だった学生のうち、抗原検査でも陰性であった割合)は99.8%でした。
PCR陽性で発症した学生における抗原検査の感度は77.8%、一方、PCR陽性だが無症状であった学生における抗原検査の感度は39.2%でした。
PCR検査におけるCt値(ウイルス量が多いほど小さくなる)と抗原検査の関係を見ると、ウイルス量が少ないときに抗原検査では偽陰性となる場合が多いと考えられます(図)
本調査ではAbbott LaboratのBinaxNOWというキットが使用されていますが、他のキットでも同程度の感度・特異性が想定されます。
PCR陽性で発症した学生における抗原検査の感度は77.8%、一方、PCR陽性だが無症状であった学生における抗原検査の感度は39.2%でした。
PCR検査におけるCt値(ウイルス量が多いほど小さくなる)と抗原検査の関係を見ると、ウイルス量が少ないときに抗原検査では偽陰性となる場合が多いと考えられます(図)
本調査ではAbbott LaboratのBinaxNOWというキットが使用されていますが、他のキットでも同程度の感度・特異性が想定されます。