とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

【令和6年能登半島地震】 ( 検知時刻2024/1/1 16:10 マグニチュード 7.6(暫定値) 深さ 16km(暫定値)震度7 ① 2024/1/13

2024年01月13日 11時11分03秒 | 地震
 
能登半島に再度お邪魔した。 今回は福祉施設と 通常の避難所を中心にお話を伺った。
本日は福祉施設についての やりとりを記すこととする。
福祉施設に 必要な物資が届いていない連絡が入り、 口腔ケアのための歯磨きテイッシュ、 病院衣など急遽にもかかわらず、 舩後靖彦事務所の尽力で調達が可能になった。
電車で行くには大きな荷物になったため、 東京からは車移動。 1月10日、 災害特別委員会の報告、 という儀式を終えたあと、自分の体力と相談。
一気に能登半島までの移動はやめようと判断。 まずは4時間車を走らせ新潟上越市でひと休み。 翌朝、他に必要な物資を調達。 能登半島左側(志賀原発方面ルート)を通り、 輪島の門前町を目指す。
 
道路の混雑は全くなかった。 途中、あまりに美しい景色に目を奪われそうになり、車を止め3分見入った。 半島の西と東で違った魅力のあるのが能登なんだな。 落ち着いたらプライベートで ゆっくり能登半島を旅したい。
そんなことも思いながら門前町に到着。 最初に訪れたのは知的障害者の方々への就労支援、 グループホームを運営する支援施設。
普段利用者は50人。 現在、21歳から84歳までの40人が身を寄せる。
被害の大きかった輪島や珠州に注目が集まるが、 ここ輪島の門前町も支援が届きづらい状態。
 
Q 1番困ったことは?
A 水は数日前から自衛隊の給水で確保できてる。 電気が通っていないのが困る。 夜は真っ暗な居室で利用者は過ごしている。 感知式のライトを トイレ付近にのみ設置するのがやっと。 後は真っ暗の中で生活している。 利用者の娯楽としても 不安な気持ちを紛らすためにも TVが必要だが電気がないと。
 
Q 発電機の提供の申し出など行政からあったか?
A 全くない。 ボランティアの方が発電機を大型と小型の物を持ち込んでくれたが、大型のものは燃料がそれなりに必要になるので動かしていない。 小型の物で何とか賄っている。
 
Q 暖房は?
A 今日、ボランティアがストーブを 1つ持ってきてくれた。 助かっている。今もみんなで暖を取ってる。
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そう言って1つのストーブを皆で囲んでいるところに案内してくれた。
 
Q 職員の体制は?
A 通常は厨房に4名、夜勤は男女各1名。 日中14−5名。 現在は地震もあるので、 夜勤は倍の4名だが、 日中は3、4名。 職員自身も被災しているので 出てこれない人が結構いる。 手が回ってない
 
 Q 食料は大丈夫か?
A 何とかなってる。ここは施設なので、 行政からの物資が基本入らない。 近くの避難所から貰ったりする。その避難所は、この施設と区が違うのでそのような融通はして貰えないらしいが、区長が掛け合ってくれて可能になった。 施設として必要な物資は 輪島市中心部まで取りに行ってる。 普段輪島市までは30分程度の道のりだが現在は 穴水経由で2時間ほど掛かっている。
 
Q 今、必要なものは?
A 利用者の口腔ケアで 入れ歯洗浄の泡タイプのものなどあれば助かる。 あと、使い捨ての食器類・容器が欲しい。 他にも職員の方から、 「この周辺は漁師の街なんです」、と話しかけられた。
 
「ここより少し上に登れば、イカ釣りで有名な漁港もあります。海底が隆起したことで、港も使えなくなって。使える船があっても港から出せない状態で。新しく船を作るにしても、5年待ちとかで。もう諦めた漁師の友達もいます」。
 
施設を出て海沿いを走ると、 漁港が運動場や空き地のようになっている。 岸の波打ち際ではなく、本来、 沖手前に置かれていたはずのテトラポッド群が 水に浸かっておらず、完全に根元が乾いた形で見えている。 漁師の方々も生業を取り戻せるような大々的な支援を政府に求めなければ。 次に訪れたのは高齢者施設。
 
Q ここは本来、どのような施設ですか?
A 通い、訪問、泊まりで、 在宅を支える小規模多機能という施設。 通常は昼間40名弱、夜9名ほどの利用者。 発災後は、 車中泊5日でじょくそう(床ずれ)が酷い高齢者、 独居でうずくまってた人など、 見かねた人や行政からの相談で お困りの方々も受け入れることにした。
 
Q 現在、 何人の高齢者が寝泊まりされてますか?
A 51名。 行政から頼まれてそのような受け入れもしているが、「ルール違反になる数を受け入れしていいのか」と、 今日、別の行政の人から怒られたところ。 彼らも混乱しているんでしょう。 悪いことやってる訳ではないので私はやめませんが。
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Q これまで、どんなモノに困ってましたか。
A 水・電気。 トイレの水は知り合いの土建屋さんが届けてくれたポンプで川から水を引いて使った。下水は使えている。 電気はボランティアが届けてくれた発電機で。 おととい夕方から復旧したのでIHで調理できてる。
 
Q それまではどうやって調理を?
A 去年BBQ大会をやった残りの炭と 倉庫から薪になりそうなものを 職員に割ってもらって燃料に。 利用者に絶対温かいものを食べさせる、 と気持ちでやった。
 
Q こういったインフラ関係で、 行政から何かしら打診は?
A 一切なかった。 彼らも大変だったんでしょう。 食材など他の物資は、 同じグループからの融通と グループホーム協会などからの支援で助かった。
 
Q 政府が一つだけ何でもやる、と言ったら 何をリクエストしますか?
A 水道。洗濯ができずに利用者の着衣が 排泄などでも汚れる。 でもそう言った服などは処分できない。 孫や家族からもらった大事なものかもしれないので、ご家族に確認を取るまでは保管している。
 
車中泊で夜を過ごし、 朝、輪島市役所へ。
Q お忙しいところ申し訳ありません。 避難所の数(指定・自主・福祉)を 教えていただけますか?
A 全て数えられている訳ではありませんが、総数が150ほど。指定が22、あと「自主避難所」という言い方ではなく、地域の皆さんが寄り合ってるというのが120−130、です。
 
Q 福祉避難所は?
A 7です。
1番近い福祉避難所を教えていただく。 地図上ではすぐだが、 道路の状態や家屋の倒壊などで、 何度も周辺をぐるぐる回ることに。 やっと辿り着いたところでお話を伺った。
 
Q 輪島には福祉避難所は7つあるんですよね?
A それは登録の数で、 実際開設、受け入れできてるのはうちと、 同じグループのもう1箇所だと思います。 確認が必要なら市役所に。
 
Q 普段はどのような施設ですか?
A 元々、障害児、者の通い施設。 被災後は地域の高齢者も含めて 受け入れを行っている。
 
Q 障害と高齢者ではノウハウ的なことが異なることもあるのでは?
A 私たちのグループでは高齢者介護の資格やノウハウも持っているので、対応できている。
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Q そうでしたか! ごめんなさい、 もう一度通常時のお話に戻って良いですか?
A 障害者のグループホームですね。 他にも親が先に亡くなって1人では家で生活ができない、と言った方でも地域で生活できるように足りない部分は支援員がお手伝いするサービスを提供している。 こう言った方々が災害で困ることが、 普通の避難所には行けない、ってこと。 通常と違うことに障害特性でパニックになる人も。なぜ電気が来ない、なぜテレビがつかない、なぜ水道から水が出ない、 と真っ暗闇の中にポツンと1人になる、 追い込まれた感覚になる。 地震や起こっていることの危険性の理解ができない場合も。 昨日は利用者が家に帰る、と聞かない。 道も歩けるし、電気もついたから家に帰ると。でも住まいがあるのは、 土砂災害警戒区域。 「行ったらダメ」というと本人は否定されたと思いムキになるから、一旦は外に一緒に出る。「雨が降って来たから帰ろう、天気予報でもそう言ってたよ」などやり取りをする。 危険、と認識できない人もいる。 こんな感じでは普通の避難所には行けない。 じゃあどうするか。 車中泊です。 そんな家族が何人もいた。 避難所に行っても普段と違うから声をあげる、ものを触る、飛び跳ねる。 「ちゃんと見とかんか!」と怒られました、とお母さんが泣いて来た。 私たちは不安から声をあげる子がいても「一回、声を上げたら落ち着くからねー」と対応できる。
私たちは地域の人たちと事前に 災害についての話し合いを重ねている最中だった。 障害の小さい子ども抱えて安全に 避難するためにはどうしたらいいかって。 60代男性の方は、 高齢の親を抱えて避難するのは体力的にも無理だ。 どうやって逃げる? 自分も親も柱にくくりつけて死ぬとか 考えなきゃ仕方ないんじゃないか?ってお話されてて。 仕方ない、じゃなくてやっぱ逃げれる方法考えましょう、と。
そんな中、大地震が来た。 今、提案されてる避難では、 顔見知りの人たちともバラバラになってしまう可能性もあるから、 支援員さんも利用者もその家族もまとめて、 まずは1、2ヶ月まとめてどこかに避難できないかと。
まずは命守らないと。水道も通ってない、 トイレもこんな状況で衛生面を保つのは無理。 すでにインフルやコロナ含めた感染症が拡がっていると 話が入って来てます。 一般の避難所もそうだけど、 ストレスも溜まって栄養状態も悪いし免疫力も低下してる。 急がなきゃ。 みんなで避難すれば環境の変化に弱い利用者さんも 何とか顔なじみの中で生活していけるんじゃないかと思ってる。 市や県経由だと話がまとまらないから直接連絡したと 民間の同業の方々からいくつかお話もいただいてますし、 引き続き、県にも相談しています。
 
Q リミットは? 限界はいつ頃と考えていますか?
A もう限界。発災から職員は休まずに対応してるし、 倒れた人もいます。 今週中、遅くても来週初めには決めてもらわないと。
 
Q 避難する先の条件、 どのようにリクエスト出してますか?
A 各自の個室とそれと別に みんなで集まれるスペースが必要と。 お願いします、急いでください。 普段通りに過ごせないことのストレスは誰にでもあるだろう。
 
被災をした人々にとっては普段など全て吹き飛んだ状態である。 抱える苦しみは想像を絶する。 この苦しみに寄り添い予算を持って細やかに、 大胆に実行できる主体は政府しかない。
 
(建て付け上は自治体であっても実質は政府のしっかりとした先導と伴走が必要) これほど強い意志を持って広域避難を求めている人たちの 移動も急いでいただきたい。
 
今日の終わりにやり取りしたNPOの話では、 支援に入っている医療従事者曰く、このままでは来週中にも、 避難所によってはパンデミック状態もあり得ると危機感を募らせている。 ゾーニングが難しく、 小さな避難所では発熱の場合、自宅に帰すという話も出たと聞く。 被災しているから、帰る家がないから避難しているのに。 混乱した状態であることが伺える。
阪神大震災では定員600―900名クラスの船を 比較的被災が軽微な岩壁に着岸して避難支援に活用した事例もある。 客船をプライバシーの守れる一時的な避難所としても活用できるし、 フェリーであれば車両と人を移送できる。 れいわとしても政府に強く要求していく。

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